「サラリーマン楚漢志」現実と風刺の間でバランスを取れるのか?

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写真=TVレポート DB

ドラマ「ジャイアント」の制作スタッフと出演キャストが再び意気投合し、放送前から話題となったSBS「サラリーマン楚漢志」が2日、そのベールを脱いだ。

「サラリーマン楚漢志」は、韓国のサラリーマンたちの哀歓とサクセスストーリーを描くドラマで、コミカルなスパイアクションとサスペンス、ロマンスが合わさる。

ドラマ「テジョヨン」「ジャイアント」作家の緻密に計算された反転とディテールに至るまでのストーリーとともに、イ・ボムス、イ・ドクファ、キム・ソヒョンなどベテラン役者の組み合わせが、当然、注目を集めた。

初回放送からこのドラマは、二つの巨大グループが新薬開発を巡り、ドロドロした競争を繰り広げる権力構図とともに、ユ・バン(イ・ボムス)、ハンウ(チョン・ギョウン)、ウヒ(ホン・スヒョン)、ヨチ(チョン・リョウォン)が悪縁で絡んでいく過程をコミカルかつ奇抜なタッチで描いた。第2話では、ユ・バンをチョナグループに首席で合格させ、スパイとして配置するハンウの陰謀が描かれ、ユ・バンのサラリーマンとしての生活が本格的に展開され始めた。また、20億ウォン(約1億3千万円)の鶏がチキンになって登場したり、ユ・バンがどうかした拍子にヨチのスカートを脱がせるといった奇抜なエピソードが描かれた。

また、サラリーマンを下にみるオーナー一家の傍若無人な姿はもちろん、彼らに媚を売ったり、野望を隠したり、ひそかにスパイ活動して、自分の助かる道を探るサラリーマンたちの様々な面々がコミカルなタッチで描かれた。

特に、このドラマはキャラクターを現実よりも大げさに描き、笑いを誘っている。現実を重くとらえるより、コミカルなタッチで愉快に風刺しようとする意図がうかがえる。しかし、このような長所はむしろドラマの短所になりうる可能性が高いことも見過ごしてはいけない。

一例として、ヨチは傍若無人で口が悪いお嬢様キャラクターで、サラリーマンを自分の部下のように扱う性格の悪い女性として登場する。財閥のお嬢様が非常に口が悪いなど、飾らず悪女としての本職をあらわす姿は一見、新鮮に写るかもしれない。また、始めからハッキリとして個性のキャラクターで視聴者の脳裏に確実に残ることもできる。

しかし、彼女が会社内で、常識外れの行動をとったり、イチイチ文句を言う姿が強調されている点には心配せざるを得ない。そのような性格の悪いキャラクターを相殺できる、彼女の成長や、隠された悲しき過去があったとしても、現実とはあまりにもかけ離れている、極端的な悪女キャラクターはドラマへの集中を妨げる可能性がある。また、風刺の妙味も薄まるしかないのだ。

第2話までの放送で、既に多くの可能性を見せ、視聴者の注目を集めている「サラリーマン楚漢志」 が現実的な共感を得て、風刺の妙味も生かせるバランス感覚を失わないことを期待したい。

記者 : ハ・スナ