最終回25.4%「根の深い木」の4つの成功秘訣

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写真=SBS
SBSドラマ「根の深い木~世宗(セジョン)大王の誓い~」(以下「根の深い木」)が水木ドラマ枠で視聴率1位の座を一度も奪われることなく、人気の中、22日に最終回が放送された。KBS「栄光のジェイン」、MBC「私も花!」は、ライバルにすらなれなかった。視聴者たちは「根の深い木」のどんな魅力に酔いしれたのだろうか。

1.絶え間ない劇的な緊張感

「根の深い木」は「善徳女王」のキム・ヨンヒョン、パク・サンヨン脚本家と「風の絵師」、「銭の戦争」のチャン・テユプロデューサーが意気投合した作品だ。

制作陣はイ・ジョンミョン作家の小説「根の深い木」を脚色した。脚色を通して、ドラマの劇的要素を活かした。訓民正音(フンミンジョンウム、ハングルのこと)の創製を前に、王の世宗(セジョン、役者:ハン・ソッキュ)をめぐる歴史と政治、そして個人的なエピソードを繊細かつ、具体的に描いた。

特に、劇的要素を活かすために登場した仮想の組織、密本(ミルボン)が世宗と繰り広げる対立と葛藤が視聴者のドラマへの集中度を高めた。

2.俳優たちの優れた演技

ハン・ソッキュは「根の深い木」で16年ぶりにお茶の間に戻り、太宗(テジョン、役者:ペク・ユンシク)と密本のチョン・ギジュン(ユン・ジェムン)に対するコンプレックスをもった世宗を完璧に演じ、朝鮮の王として感じる精神的な葛藤に苦しむ演技をリアルに表現した。特に、世宗の複雑な内面を表現するために、若い世宗(ソン・ジュンギ)と対立するシーンや、強直、卑屈、冷笑を行き来する熱演は世間の話題となった。

チャン・ヒョクは奴婢出身の兼司僕(キョムサボク、朝鮮時代の精鋭騎兵中心の親衛隊)カン・チェユン役を熱演した。劇の初頭では復讐のためだけに生きてきた孤独を、中盤以降では大切なものを守ろうとする責任感のある面を持っている人物として、自分の愛を守るために奮闘する献身的なキャラクターを演じた。

ユン・ジェムンとチョ・ジヌンも欠かせない。ユン・ジェムンの反転演技は視聴者を驚愕させた。彼は白丁(と畜場に従事する人)カリオンとして、おびえながら命乞いをすると思ったら、チョン・ギジュンとしてのカリスマあふれる眼差しと声で180度変身する真逆の演技を披露し、注目を浴びた。チョ・ジヌンは朝鮮第一の武士、ムヒュル役を演じ、世宗をそばでいつも守っていた。ムヒュルの強直さに魅了された人が増え、“ムヒュルアリ(ムヒュル病、キャラクターに夢中になること)”という言葉が作られたほどだ。


3.世宗、李祹(イ・ド)の人間的な魅力

世宗は悪口や下品な言葉を使ったり、運動を嫌う王として表現されるが、心の中では官僚のことを気にかけ、民を心配する優しい王として表現された。

彼は「書籍を見て、国を治めるにも時間が足りないのに、ちくしょう」と話したり、むしろ、宮女たちに「ちくしょうで合ってるか?」聞き返したりした。自殺しようとするトルボク(チャン・ヒョク)には「笑わせるな」と一喝するシーンもあった。

彼のこのような面は厳格で、謹厳な王よりも親近感が沸く。これまで見ることのできなかった王の姿で人間的な魅力をかもし出した。MBC「トンイ」で 肅宗(スクチョン)役でそそっかしい演技を披露し、視聴者を笑わせたチ・ジニと比較する意見も多かった。

4.ハングルに関する話

「根の深い木」は、世宗を中心としたハングル創製の物語を描いた。民のために文字を作った世宗の志と、「訓民正音 解例本(ヘレボン、ハングルの意味と、使い方を解説した本)」を元に、訓民正音が象形の原理で作られたことを知らせた。これまで取り上げたことのなかったハングルにフォーカスを当てることで、新鮮さとハングルに対する誇りを高めた。

これについて「根の深い木」のキム・サンヒョン、パク・サンヨン脚本家は「原作を読みながら、私たちは、文字をどう見るかについて一番悩みました。しかし、文字を権力とみなすことで結論を出しました。文字が権力だと見ると、文字を作った人は世宗、文字を使う民と臣下でチェユン、そして、権力の立場で受け入れる士大夫が密本。このように文字を権力とみて、他の人物を設定しました」と説明した。

パク・サンヨン氏は「私たちが当然のように使っているハングルの大切さを改めて感じました。世界的に使われている英語のアルファベットが26文字です。その国の国力と関連したものもあると思いますが、26文字なので、広く使われたんだと思います。しかし、私たちはアルファベットより豊富な28文字で表現しています。チェユンが28文字を見て、驚愕したシーンもその理由で生まれたのです」と付け加えた。

キム・ヨンソプチーフプロデューサーは「根の深い木」の人気秘訣について、「新しいリーダーシップに対する素材にアプローチできたと思います。そして、チャン・テユPDの優れた演出と、ハン・ソッキュ、チャン・ヒョク、シン・セギョンの熱演が人気の秘訣でした。特に、ハングルを通して視聴者たちが求めているリーダーシップへのニーズを満たしたことがポイントだと思います」と答えた。

記者 : ファン・ソヨン