ヤン・ドングン、映画「パーフェクト・ゲーム」努力で演じた“投手ソン・ドンヨル”

TVREPORT |

写真=キム・ジェチャン
「シナリオが良いという噂もあったし、友人のチョ・スンウがソン・ドンヨル役はドングンにぴったりだと話したみたいです。スンウがキャスティングディレクターなんだから、出演を拒む理由がありませんでしたね」

ヤン・ドングンは21日公開された「パーフェクト・ゲーム」(パク・ヒゴン監督、東亜輸出公司製作)の撮影中、腰に怪我をした。「韓方医に見てもらったりもしましたが、完成した映画を見て苦労した甲斐があったと感じました」と話す彼は、“無等山(ムドゥンサン)爆撃機”と呼ばれていたソン・ドンヨルの投球フォームを演じることが最も難しい課題で、これだけ成功して上出来だと思ったという。

ソン・ドンヨルの巨体、会話上手に二度の驚き

チョ・スンウといつから友人だったのかという質問に、彼は「リュ・スンボムとスンウはもともと親しく、スンボムとともに「HEDWIG」、「レント(RENT)」、「ジキル&ハイド」などを見に行き、自然とスンウとも仲良くなりました」と答えた。二人は兵役のため、しばらく連絡が途絶えていたが、今回の「パーフェクト・ゲーム」で再会できたという。まだ焼酎を飲みに行ったことはないが、まめに電話をかけ、互いの近況を話すという。

ソン・ドンヨルとは撮影終了後、インタビューのために一回だけ会ったという。「踏み切った話まではできませんでしたが、長身である上に手足が長く、そのオーラに少し押されていました」というヤン・ドングンは「思っていた以上にお話が上手で、気さくな方でした。気持ちよく笑う姿に、見ているだけで器の大きい方だとが分かりました」と話した。そして、頭を掻きながらこう話した。

「僕のことは、あまりご存知なかったみたいで。ヤン・ドングンという人がソン・ドンヨル役をすることになったということを、二ヶ月前に聞いただけだったみたいです。それを聞いて、なんと答えたら良いのか(笑) ソンさんの投球フォームを演じることがすごく難しかったです。フォームは柔軟で柔らかいのに、時速140kmを超える剛速球なんですね。映画みたいに指先が割れることはありませんでしたが、鎮痛剤を打ちながら、ボールを投げました」

群山(グンサン)で撮影をしている時も、次の日の体調が心配で、スタッフと気楽に一杯飲むことすらできなかったという彼は「社会人野球チームで投手の経験があるスンウは、自信も余裕もあったと思いますが、僕は毎日岐路に立たされているような切迫感を感じていました」と打ち明けた。

「それで、常にスンウより徹底した準備しようと心がけたんです。ほとんどが夜の撮影だったので、午後に起きてサウナに行って筋肉を柔らかくしたり、ストレッチも休まず、また補強運動も忘れませんでしたね。おかげで、右の大胸筋が他よりずっと発達したんです。触ってみると本当に不思議で(笑)」

チェ・ドンウォンとソン・ドンヨルの勝負を描いた映画であるだけに、徐々に熱くなる感情の集中が大事だったはずだが、ヤン・ドングンは「監督がシナリオ順に撮影を行ってくださいましたし、脚本がとても親切で、本に書かれている通りに演技をすれば良いものでした」と謙遜して話した。

「監督の脚本がとても素晴らしかったです。わざわざ感情を移入しなくても、十分に気持ちが伝わってきました。本当に脚本通り演技をしました」

「4次元キャラも僕の一部分」

悪天候で撮影がなくなった日は、とりあえず睡眠時間を確保したという。夜のシーンが多く、体のリズムが狂っていたという。「スンウは、もともと上手なので会食があれば参加してましたが、僕はお酒を飲むと翌日の撮影に支障が出るので、とりあえず我慢するしかありませんでした。会食の誘惑を乗り越えるのも、とても大変でした(笑)」

子役出身でMBCドラマ「勝手にしやがれ」に続き、映画「風のファイター」が連続でヒット。全盛期を迎えたヤン・ドングンだったが、兵役を終えてキム・テヒと共演した映画「グランプリ」の興行成績が振るわず、苦い思いもした。しかし、彼は「興行成績が良くないからといって、落ち込んだりはしません。苦い思いなんて何回もしたことがありますし、慣れています。」とニッコリと笑った。

「自分で考えても本当にありがたいのは、失敗を経験したことが多くあるということです。やることすべてが成功していたら鼻高々になって、世の中一人勝ちをしているような勘違いをしていたかもしれません。神様が、傲慢にならないように失敗を贈ってくださったんです」

熱心なキリスト教徒としても有名なヤン・ドングン。しかし本人は「全然熱心でもなく、健全でもありません」と軽く否定した。「熱心な」のような修飾語の型にはまりたくはないということだった。「振り返ってみると、悪いことも沢山しましたね。付き合っていた彼女と別れる時も、僕の優柔不断で不本意ながら傷つけてしまったりもしました」

本人の能力に比べて、現在の出演料は妥当なのかというという質問にも、直球を投げるように率直に答えてくれた。「僕も人間ですから、多くもらえたらもちろん嬉しいです。しかし、誰にも適正価格というのがありますね。市場はいつも冷静ですから。これが僕の適正価格と思わなきゃ。相対的剥奪を感じたら、苦しいだけですし(笑)」

少し不思議で、4次元キャラなのではないかという先入観については、「多くの人が思っているその姿もヤン・ドングンの一部分でしょう」と答え、「しかし昔よりはずいぶん柔軟になりましたし、良い方向に変化していることは確かです」と笑った。一時期、自分だけの世界にはまって過ごしていたら、ハプニングに巻き込まれたこともあると意味深な微笑を浮かべた。

「20代を経て30代になったら、履きなれた靴を履いているような穏やかな気分です。最近になってやっとファッションと家具にハマり、新しい世界が広がりました。新沙洞カロスキル(街路樹通り)を歩きながら、ウィンドウショッピングをすることが最近の楽しみです。ヒップホップから抜け出して、僕がスキニージーンズを履こうとするなんで、僕自身も信じられません。最近、とても楽しいことばかりです(笑)」

記者 : キム・ボムソク