「マイウェイ」出演オダギリジョー「チャン・ドンゴンより演技が上手くできず、満足していない」

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映画「マイウェイ 12000キロの真実」(カン・ジェギュ監督、ディレクターズ制作)でキム・ジュンシク(チャン・ドンゴン)の運命のライバルである長谷川辰夫役を演じたオダギリジョーにソウル中区(チュング)長忠洞(チャンチュンドン)にある新羅ホテルで会った。

舞台からテレビドラマまで幅広い活動をしている彼は「メゾン・ド・ヒミコ」、「ゆれる」、「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」などに出演し、韓国ファンも多い。

独特のスタイルで強いオーラを発する彼は、この作品でマラソン選手を目指す若き日の辰夫と死を恐れない日本軍大佐の辰夫の役でチャン・ドンゴンと共演した。


―映画の満足度はいかがですか?

「とても低いです。映画はおととい初めて見ましたが、反省点ばかりです。キム・イングォンやチャン・ドンゴンなど韓国俳優の演技はすばらしかったですが、自分の演技には納得していません。映画『アジョシ』では悪役を演じていたキム・ヒウォンの演技がとても印象的でした」

―特にどのような点が気に入りませんでしたか?

「背景がノルマンディーに変わって、キム・ジュンシク(チャン・ドンゴン)との関係が回復し、暗かった雰囲気が明るくなりました。日本兵士から始まり、後半に行くほど、普通の人のような姿をみせなきゃいけないのに、僕に明るい雰囲気が似合わないためか、とても違和感がありました」

―作品に対する満足度は?

「戦争映画はあまり好きではありません。なので、他の映画と比べることは出来ません。最初映画は4時間程度の予定でしたが、半分ほどカットして、芝居の部分が大幅にカットされました。戦闘シーンが少なくなったのも残念ですね。ですが、全体的には満足しています」

―自分のスタイルではないのにも関わらず、この作品を選んだ理由は?

「韓国映画だからです。日本からのオファーでしたら、おそらくやっていないと思います。韓国についてはいつも好意を持っています。また、自分の年を考えると戦争映画を撮れるのはこれが最後かも知れないと思いました」

―キャラクターだけをみると日韓関係においては十分悪役ですが

「観客やファンからすると『こんな悪役を演じるなんて』と思うかも知れません。ですが、そういうことはあまり気にしません。いつも自分の意思で動いてきたので、今回もそのような点については気にしませんでした」

―日中韓の間に微妙な政治的な利害関係がありますが

「悪い反応も、いい反応もあり得ると思います。しかし、僕は作りたいものに焦点を合わせました。カン・ジェギュ監督がどう思っているかは分かりませんが、僕の考えはそうです」

―特に辛かったことは?

「体力的には皆、苦労しました。マラソン選手の役だったのでたくさん練習しましたが、体力をつけるのに役立ちました。特にケガをした覚えはありません」

―チャン・ドンゴンさんとはどう呼び合っていましたか?

「チャン・ドンゴンさんは僕をオダギリさん、僕はチャン・ドンゴン氏と呼んでいました」

―2人の会話は何語ですか?

「主に英語で話し、たまに日本語も使いました。いつも通訳の方がいるので、コミュニケーションに問題はありませんでした」

―チャン・ドンゴンの日本語の能力を評価するとしたら?

「日本語で演技をする韓国俳優はすごいと思います。僕に韓国語の演技を求めたら、できなかったと思います。劇中でチャン・ドンゴンさんは上手な日本語を使わなくても良かったのですが、完璧に演じるために何回も撮り直していました。努力する姿が印象的でした」

―オダギリジョーが思う、チャン・ドンゴンとはどのような人ですか?

「昨日も一緒に飲みました。チャン・ドンゴンさんを見ていると、本当に素敵な人だなと思います。完璧で美しい人です。彼のそばにいると、自分が悪人になった気がします。チャン・ドンゴンさんは絵に描いた餅のようでした」

―オダギリさんには自分だけのスタイルがありますが、それはなぜですか?

「中学生のころ、ヘアスタイルや服装に気を使い始めました。自分を表現する一番簡単で手っ取り早い方法だと思います。まず目に入ってくるのが服装なので、子どものころからかなり意識していました。自分を表現する方法の一つだと思います」

マラソンのライバルとして出会ったジュンシクと辰夫が第2次世界大戦を経験しながら、お互いの支えになっていく姿を描いた「マイウェイ 12000キロの真実」は来年1月14日から公開される。

記者 : チェ・ミンジ、写真:ヨンファイン(映画人)