【REPORT】チャン・グンソクが魅力溢れるCRISHOWの続行を宣言!アジアのプリンスからアジアの成熟へ

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チャン・グンソクが、7月1日から5日にかけ、自身のオリジナルブランドとして確立した公演「THE CRISHOW」の番外編「JANG KEUN SUK THE CRISHOW ROCKUMENTARY」を開催。過去開催された3公演を振り返りながら、「CRISHOW IV」を展望した。ここでは5日、横浜アリーナでの模様をレポート!


アジアのプリンスが放つロイヤル・ショー

開演前、場内には、メタリカの「King Nothing」やデフレパードの「Hysteria」、そしてガンズ・アンド・ローゼズの「Paradise City」が流れていた。そうした選曲もロックとドキュメンタリーを組み合わせたイベント・タイトルを意識したものか。そしてボン・ジョヴィの「It's My Life」が大音量でかかれば、それは開演間近の合図。「これが俺の人生だ。今この瞬間を生きたいだけなんだ」という詞はグンちゃんの想いを代弁するかのよう。ファンも手拍子を合わせて開演の瞬間を待った。

「Lez go!」というメッセージに続き、まずはドキュメンタリータッチのグンちゃんのインタビュー映像が流れる。それをベースにCRISHOWの歩みを振り返った。

2011年10月から11月にかけて行われた「THE CRISHOW」は「ALWAYS CLOSE TO YOU」という副題のもと、初のアリーナツアーとして開催された。彼が日本で初のアルバムをリリースしたのは2012年5月のこと。つまり、アルバムのない状態でツアーすることになった。

「今の自分をどう表現すればいいのだろう?」という想いから構成を悩んだと明かすグンちゃん。CRISHOWは何のお膳立てもないゼロからスタートした。それゆえ「(誰かがお膳立てしてくれる) 他の人が羨ましい」なんて本音をチラリと吐露しつつも、「僕は致命的な人間。自負心が強い」とプライドを見せるのだが、それも全て自分で切り拓いてきたキャリアがあるからこそだ。

アルバムを携えぬツアーは異例と言っていいかもしれない。でも「ドラマOSTをメインに、TEAM Hの曲を交えて、ツアーをやりたくなった」と話し、「それは運命的だった」と振り返る。

そこでのコンセプトはチャン・グンソク・キャッスルに住む金髪(エクステ!) の王子様。「懐かしい。でも、今見たら、おかしい奴」と会場を笑わせながらも、「当時出来た最高の演出で、今も(その完成度には) 自信がある」と胸を張る。また「自分の描きたいイメージが強かった。どんなストーリーを伝えたいかがはっきりしていた」と話し、それは、「王子様がスキャンダルを経験し、本物のプリンスになる」という物語だった。

「僕のストーリーが入っている」と太鼓判を押すCRISHOWの終盤、天から「絆」と書かれたハート型の紙が客席に降り注いだのは、彼がファンとの間に“絆”を感じているから。その年末、「今年の漢字」に“絆”が選ばれたことにも彼は運命を感じた。

「僕のパフォーマンスを一度も後悔したことはない」。そんな力強い言葉と開演前のボン・ジョヴィのメッセージが一つになった時、いよいよショーの幕が開けた。

モニターにはピンクのお城が映し出され「JKS CRISHOW WELCOME TO THE PRINNCE WORLD」の文字が。気品あるホーンの演奏に続いて、「こんにちは~~!!」とグンちゃんが白い馬車に乗って登場すれば、ファンは2011年のあの日にプレイバック。「横浜、声出して」「アンニョン、アンニョン」と挨拶し、妹のようなペット、スニちゃんをエスコートしながら、両手を広げて花道を進むと、早くも銀テープが発射される。
お付きの者やお姫様たちを従え、「One, Two, Three, Lez go」と声をかけてオープニングにはドラマ「メリーは外泊中」の「Hello Hello」をチョイス。最後はクールなウィンクをキめ、続く「Oh my Darling!」では彼が軽やかなステップを見せる度に、赤い花びらが舞う。そして女性ダンサーの手をとってプロポーズ風な見せ場も作り、ラストはタメを作ってから「クデヨ~(君よ~)」と歌い、うっとりとした表情でファンを悩殺した。

歌い終え、改めての挨拶は「こんにちは、ウナギ(グンちゃんのファン) たち。お前らの王子様が来たぞ」とグンちゃんならではのS調言葉を交えつつ。僅か5日間で4回という濃密なスケジュールの最終公演となったこの日、「スゴイ。時間が速いですね。(でもこの日程は) ありえないでしょ」と振り返りながら「皆を見るとすぐ爆発! 我慢できない」と話し、この日も情熱を爆発させることを約束。この日のファッションについて「久しぶりで懐かしいですね。この服」と話すと、フロアからは「似合ってるよ~~」との声が飛び、ちょっと照れるところも可愛らしい。

この日のステージはメインステージ後方にも客席がセットされ360度展開。「(後方の) 皆さんの視線を感じて、(背中が) すごく暑い」と話しながらジャケットを脱ぎ、ベンチに腰をかけ、再びドラマ「メリーは外泊中」から「My Precious」を披露する。そして1部ラストは「THE CRISHOW」で新曲として披露された「守護星」を。一拍置いて「皆、皆、手を挙げて」と歌えば、グンちゃんの頭上にあったミラーボールがいくつもの光を放ち、まるで彼が一つの星になったかのよう。アリーナ中に光の粒子を無数に放ち、プリンスとしてのショーを再現していた。

 

クリティカルなロックスターのマジカル・ステージ

2012年に開催された「THE CRISHOW II」の副題は「Welcome to magic world」だった。黒のサングラスをつけ、ロックスターな雰囲気を醸した彼はインタビュー映像で「パープルのイメージ。華やかなサーカス団。クリティカルなマジックショーというイメージ」と当時のコンセプトを明かした。

制作費にも余裕があり、「もっと華々しい、誰もが思いつかないことをしたかった。あれもこれもやってみたかった」という舞台はエンターテインメント性が高く、ファンを「あっ」と言わせた。特にリアルな雨が降る中歌った「Rain」は圧巻だった。

派手な仕掛けと華やかなステージングが印象的だった「THE CRISHOW II」。ただ、グンちゃんは「ショーを見せるのがすべてじゃない」と言い切る。大切なのは、自分のメッセージをきちんと伝えること。そう話す彼は「Tomorrow」という曲を通じて、明るい未来に向かって進もうよ、とのポジティブなメッセージを伝えていた。

またグンちゃんは「家ではいつも昔の自分のビデオを見ている」と話す。が、「過去と同じことをするつもりはないし、違う形で表現したい。その時の全てを出し切っているから、いつも満足している」とも。そんな言葉とボン・ジョヴィの「今この瞬間を生きたいだけなんだ」が再びオーバーラップした時、彼のロック&ブラックなショーが始まった。

赤い照明とメタリックなギター音が館内を妖しくスリリングに一変させる。そこに花道からブラックなグンちゃんが登場。椅子に鎮座した彼を従者たちがおずおずとメインステージにお運びし、第二部は炎をバックにグンちゃんのアザー・サイドを打ち出す「Crazy Crazy Crazy」からスタート。続く「Always close to you」はポップに演じ、「Let me cry」では「行け~」とシャウトしながらハードロックに展開させる。そしてグンちゃんとギタリストが揺れる紗幕のバックに並び立ち、シルエットで共演する場面も挟みこみ、疾走感溢れるステージを披露していった。

その後、ここまでノンストップで立ち上がったまま声援を送ってくれたファンに「スゲエ、頑張ってる。ありがとう」と感謝。「座ってもいいよ」と言いつつ、ファンが座ろうとすれば、「本当に座るの?」とまたまたSキャラで喜ばせる。横浜アリーナに立つと「THE CRISHOW II」を思い出すと話し、「僕は当時のようにまだ綺麗だし、賢い」との“グンちゃん節”もまた楽しい。そして「次はずっと走る曲なんですが、皆、体力、大丈夫?」とファンを気遣い、「Let's Rock'n Roll」と声をかけて「THE CRISHOW II」のオープニングトラック「200 miles」へ。彼が右手を高く掲げてフロアを煽れば、ファンも力強くペンライトを前後に揺らし、ファンはグンちゃんと共に、心を躍らせるのだった。


「THE CRISHOW III」で見せた変化とは?

2015年3月から6月にかけて開催された「THE CRISHOW III」はいろんな意味で過去のCRISHOWと違いを見せた。演出チームが変わったことで公演のカラーも変化し、彼は「内容を重視したかった、内面的なものを表現したかった」と振り返る。また、「自然で親近感のあるライブがしたかった」と理由からホールツアーにチェンジ。紗幕を使った演出は「内側から歩み寄るような柔らかな雰囲気が出せて新鮮で良かった」と話し、「ビジュアル、舞台、演出の全てが自然と溶け合い、愛着がある。派手さはないけど、一番僕らしい公演だった」と続ける。

そしてライブ前にスランプがあったと包み隠さないのもファンとの絆があるからこそ。彼は「(ファンから) 応援されたかった。ホールだったから、エネルギーをより強くもらえた」と率直に話し、「またホールでやりたい」と意欲を見せる。

「MONOCHROME」という副題の「THE CRISHOW III」を再現する第三部は、彼が「ピッタリ、ハマッていた」と振り返る、紗幕を使って鳥かごの中で歌うように演出する「風」からスタート。白のシャツとダメージの入ったブルージーンズも1部、2部とは違って、ナチュラルなグンちゃんを演出する。続く「鳴らない目覚まし時計」でも紗幕を効果的に使い、「空と君と」ではそれまで座っていたファンがスタンドアップ。グンちゃんは左手を左右に振りながら「君のこと心で感じる」と歌い、フロアにピースサイン。最後は両手を広げて、大きな歓声に応えていた。

「THE CRISHOW III」から3曲を再現した後、彼は「『THE CRISHOW III』は挑戦、成長する時間でした」と話し、「皆に近くに会えるのも嬉しかったし、楽しかった」と笑みをこぼす。その後、ファンに「皆と一緒に歌いたい」と話しかけて「家に帰ろう」をチョイス。「THE CRISHOW III」でもアンコールの最後で歌われていたこの曲は3部の幕締めにぴったりだ。

間奏部では「皆、いつもありがとう。ただいま」とアドリブを挟み、カメラ越しに手を振るグンちゃん。その後、ファンが「Sweet Home, いつでもいつでも~~」とボーカルをとれば、グンちゃんとファンは互いが互いにとってのSweet Home! 彼は自然な笑顔で腕を大きく回し、ラストは改めて「ただいま!」「お帰り!」と声を掛け合い、彼はファンに親指での投げキッス! さらにファンをキュンとさせるキメ顔でステージを後にした。


「THE CRISHOW IV」が待ちきれない!

グンちゃんは、8月9日発売のニューアルバム『Voyage』に「一番愛着の沸くアルバムになるかも」と自信をのぞかせる。そして作詞を手掛けたリード曲「Voyage」について「僕自身について書いたもの。元気や勇気が沸く詞にしたくて、『向かい風が吹いても負けるなよ』という気持ちを込めた」と明かす。
さらにこのアルバムを携えた「THE CRISHOW IV」についてフラれると「やるべきじゃないですか!」ときっぱり。

今なら緩急をつけた構成が出来る。20代はアジアのプリンスになりたかったけど、今は以前より成熟した人間になりたい。だから目指すのは“アジアの成熟”。CRISHOWはこれからも大切に守りたい僕だけのブランド。次はどこに行くのか? どこまで行けるか分からないけど、ファンと一緒にいれるような公演になれば! だから、とりあえず行こう……!!



そんなインタビュー映像に続き、モニターには「AND…」「NEXT…?」の文字が浮かび、ピンクのシャツをまとったグンちゃんがアリーナから「遊ぼ~~」と声をかけて登場。ファンとハイタッチをしながら、カメラ越しに投げキッスを振りまき、「行くぞ~~」「手を振ってくれ」「せ~~の」と声をかけて会場中をスウィングさせる。

花火が打ちあがる中、彼はファンと一緒にJKSクルーズ号に乗り、大海原へと航海に出かけるのだが、羅針盤はあれど、行く先は分からない。ファンとの船出には笑顔さえあればいい……。

彼は「For you ~僕が頑張れる理由~」と題した新曲で「僕について来てよ 笑顔は最高のプレゼント だから明日も明後日も明々後日も笑ってて」と歌い、そこにはハッピーでポジティブなメッセージを込めた。それを体を揺らしながら最高の笑顔で歌うのだからファンにはタマラナイ。

そしてカラフルな「Darling Darling」ではグンちゃんが当てぶりでブラスをプレイし、この日迎えたトランペット、サックス、トロンボーンの3人のゲスト奏者を紹介。トランペッターには指でトランペットをクルクルさせるムチャぶりのリクエストでまたもSキャラを発揮し、サックス奏者にも一瞬フリそうになったが、自分から「(さすがに) 無理でしょう」と自制した。

本編最後はニューアルバムのリード曲「Voyage」! その前に舞台裏(ファンミーティングのために訪れた福岡での朝に、5分で書いた詞。作って5分、「俺って天才だな」と感じ入るのに15分。計20分で仕上げた) を明かしてファンを笑わせるのだが、詞のメッセージは真摯だ。夏のビーチがハマりそうなメロディにのせ、彼はファンに向け、「僕を選んだことを後悔させないよ」と歌う。また、歌う前には手拍子とダンスのレッスンを施し、ライブ中は左手を耳に当てて歓声を煽ったり、「せーの」でフロアの拍手を導いたりと、一体感を作ることにも抜かりはない。彼はミラーボールがキラキラ輝く中で歌い、最後はミラーボールに負けぬほど輝くウィンクでエンディング。この曲は間違いなく、今年の夏のウナギのテーマ曲になることだろう。

「ありがとう、皆~」との言葉から始まったアンコールで彼は宙を舞った。両手を大きく広げて宙に浮かんだ彼は、センターステージにゆっくり降り立つと、うっとりとした表情を見せサムアップ。投げキッスをプレゼントした後は再び、宙に舞い、リアルな天使になって「Bye Bye Bye」を歌った。

そして本編最後はやっぱりこの曲「一緒につくったメロディ」! ファンの期待に応えるように、何度もリスタートし、エンドレスに歌っていく。終盤にはアリーナに降り、グンちゃんパレードが始まり、お祭り騒ぎになるなんて一幕も定番だ。ステージに戻った彼がドラムロールに合わせて体を何度も回転させ、これでフィナーレと思っても、さにあらず。最後の挨拶を終えても、ショーが終わることはなく、「いつも二人で一緒に歌いましょう。いつも僕のそばに来てくれてありがとう」と台詞を挟みながら尚も歌う。そしてグンちゃんが二人を意味するVサインをすれば、ファンもVサインで応え、フロアはホットでアットホームな雰囲気に。「ウナギ、最高~~」と言いながら楽屋に戻るグンちゃんをカメラが追うと、彼はいつまでも投げキッスをプレゼントしていた。

Sキャラな発言でファンをイジるグンちゃんだが、絆で結ばれたファンには自分の弱さも隠さなかった。

「ハードなスケジュールで朝起きると、声が出なくなって、すごく怖かった。すごいプレッシャーを感じて、逃げたくなるときもある。でも、舞台の上に立つと、そんな気持ちもなくなっちゃう。僕自身テンションがアップしちゃうから」

クリティカル(致命的) ショーというコンセプトでファンをしっかりと魅了し続けてきたチャン・グンソクは「『THE CRISHOW』は8、9、10まで行くかも」と話す。まずは『Voyage』を携えての「THE CRISHOW IV」を心待ちにしたい!
 

ライター:きむ・たく

JANG KEUN SUK THE CRISHOW ROCKUMENTARY
日時:2017年7月5日(水) 開場 17:30 / 開演 18:30
会場:横浜アリーナ

【セットリスト】
01. Hello Hello
02. Oh! my Darling!
03. My Precious
04. 守護星
05. Crazy Crazy Crazy
06. Always close to you
07. Let me cry
08. 200 miles
09. 風
10. 鳴らない目覚まし時計
11. 空と君と
12. 家に帰ろう
13. For you ~僕が頑張れる理由~
14. Darling Darling
15. Voyage
<ENCORE>
01. Bye Bye Bye
02. 一緒につくったメロディ

『THE CRISHOW ROCKUMENTARY DVD&PHOTOBOOK』
2017年10月25日(水) 発売決定!


【DVD詳細】
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【PHOTOBOOK詳細】
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記者 : Kstyle編集部