TraxX出身ジョンモ“15年間SMに所属…平凡な学生の夢を叶えてくれた”

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写真=Project about
“住宅賃貸ローン”を組んで、生まれて初めて一人暮らしを始めた。全額“自己負担”で音楽を作ってみた。“バケットリスト”のようなこの出来事は、残すところ数日となった2019年、彼に起こった“個人史”である。

名前の前にいつもついていた“TraxX”という修飾語を取ったほうがいいのか訊くと、彼は「あえて?」と聞き返し、「いつか再び会う人たちだ」「構わない」という。ただ彼は、これからキムという名字なしで、ジョンモとして活動することにしたと伝えながら、できればそのように呼んでほしいと頼んだ。ジョンモという名前で検索をしてみた。関連キーワードの「定例会(韓国語で略してジョンモと呼ぶ)」はどうするのかと聞くと、「それなら、定例会の恩恵にあずかりたい」として笑顔を見せた。

このような余裕がうかがえた。実は「通帳の残高をみたら、こうしている場合じゃない」としながらも、ジョンモは「それにも関わらず、おかしいほど根拠のない余裕が生まれる」という。勇敢を通り越して、“勇気”を出さなければならない。もう30代であるだけに、怖さというものは十分に知っている。

そんなジョンモが勇気を出して、今年2曲目の自作曲をリリースした。「それが僕であれば」という曲は、驚くべきことに80~90年代を享受した素直な展開のバラードを、彼の表現を借りると“復元した”ようなもの。それこそ“起承転結”がハッキリとしているこの曲に対して、彼は最近流行する“ニュートロ”ではなく、当時の雰囲気を生かした“レトロ”と表現することを希望した。

「ノスタルジックなものが好きだ」というジョンモは、新曲の発売と共に、QRコードでもなく“バーコード”が印刷された限定版CDも発売した。音楽がファイルで消費される時代、ファンの所持欲に応えるために少量制作したというCDは、あまりにも珍しくて制作費も高い8センチシングルで発売したという。

「創作者は、自分に最も“正直”でなければならないと思います。僕自身が、楽しみながら作った曲を聴いていただきたいと思っていました。今までは(それが)ちゃんと守られています」

今年、彼が経験している大きな変化は、15年間も所属していた事務所であるSMエンターテインメントとの別れから生じたものである。長い期間を一緒に活動しただけに“所懐”と言っても過言ではない彼のSMに対する思いは、「今までありがとう」の一言でまとめられるような、他の芸能人とはやや異なる何かが感じられた。

「平凡な高校生が夢を実現できるようにしてくれた」場所だという。このように良い環境に慣れていると、仕方なく独り立ちしなければならない瞬間が来た時は、本当に大変だろう。だから彼は「手遅れになる前に、ぶつかってみよう」という思いで、事務所を飛び出したという。

そんな彼が新たに移籍したのは、伝説のロックグループEmerald Castle、NovaSonicが所属する事務所Project Aboutである。ソロミュージシャンとして、様々なジャンルを披露しているジョンモが目指しているものが何か、垣間見ることができる部分だ。

バンド出身者は“同じ釜の飯”を食べる情を忘れることができないという。そのためか、ジョンモも「いつか」という前提の下で、「グループのメンバーであるギタリストとして再びステージに立つ日を楽しみにしている」と話す。しかし、彼は歌を歌う歌手だ。曲を書く人として、彼の基準は厳しかった。「私はボーカルと言わず、ボイスといつも表現しています」

記者 : ホ・ミンニョン