「ユ・ヨルの音楽アルバム」チョン・ヘイン“愛される分だけ叱咤もたくさんある…受け入れて成長したい”

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写真=CGV ARTHOUSE
「たくさん愛されているだけに、叱咤もたくさん受けます。プライドが揺れるのは仕方ないと思って、受け入れています」

誰にでも一度はありそうな初恋、映画「ユ・ヨルの音楽アルバム」(監督:チョン・ジウ)で、俳優チョン・ヘインが務めたヒョヌはそんな存在だ。何度も行き違うが、いつかつながるという希望を与える。

JTBCドラマ「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」に続き、MBCドラマ「ある春の夜に」、そして映画「ユ・ヨルの音楽アルバム」に至るまで、チョン・ヘインは相次いで恋愛物を成功させた。「たまたまそうなった」と恥ずかしそうに笑ったチョン・ヘインは、「水が流れるようにつながったと思います」と話した。

「『ある春の夜に』は、全く計画になかった作品ですが、『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』のアン・パンソク監督から連絡をいただいて、良いきっかけで出演することになりました。『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』のジュニ、『ある春の夜に』のジホ、『ユ・ヨルの音楽アルバム』のヒョヌ、いずれも僕には大切なキャラクターです。それぞれ自分の姿が少しずつ入っています。これが一番自分らしいと言うのが曖昧であるほどです」

“ケミ(ケミストリー、相手との相性)職人”というニックネームも得たが、彼だけのノウハウがあるのだろうか? チョン・ヘインは「自分自身を鞭打ちするニックネームだ」と表現した。

「自分が自分の演技に満足した瞬間、粉々になってどん底に落ちるのではないでしょうか。まず、“ケミ”は、人に対する配慮が一番重要だと思います。男性、女性、先輩、後輩問わず、相手を尊重して配慮することが重要です。認めて尊重する瞬間から、あえて理解しようと努力しなくてもよくなります」

「ユ・ヨルの音楽アルバム」が一風変わっているのは、1990年~2000年代前半を背景にしているため。アナログ的なものが好きだというチョン・ヘインは、それに対して「子供の頃、祖父母と一緒に暮らした影響が大きかったです。両親が共働きをしていたためです」という。

「ミス(キム・ゴウン)とヒョヌ(チョン・ヘイン)がメールのやり取りをするシーンでは、小学生の時代を思い出しました。今、携帯のメッセージをやり取りするように、かつては友達とメールIDを作ってやり取りしていました。おかげで、その時代を理解するために努力したりとか、特に不便だったりはしませんでした」

ヒョヌとミスの縁は、切れそうで長い期間続く。また、質の悪い友人を簡単に断ち切ることができず、過去の過ちに縛られる場面もある。実際にチョン・ヘインも人と一度付き合ったら長く続くタイプだという。

「一度結んだ関係は最後までいくというか。だから、親しい友人もみんな付き合いが長いんです。友達から簡単に離れないヒョヌの気持ちが分かりました」

しかし、ヒョヌが過去のトラウマをミスに打ち明けられないのは、自分と異なる部分があった。「愛する人には何もかもを共有しなければならないと思っています。そのほうが心が楽になります。しかし、ヒョヌが過去を隠すしかなかったのは、ありえる話だと思いました」

そして「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」以降、大きな人気を得た。「演技に責任感が生じた」という彼は、「実はすぐには僕を分かってもらっていません」と言い、笑った。

「目鼻立ちがはっきりしているほうではないせいか、帽子をかぶったらよく分からないみたいです。両親と先日レストランに行ったんですけど、ある方から『チョン・ヘインさんに似てますね』と言われました。『たまに言われます』と答えました。また、『ある春の夜に』を撮影している時にスタッフと一緒にレストランに行きましたが、従業員の方が僕を見て迷っている様子でした」

突然人気を得ただけに叱咤もたくさん受けるという。プライドが揺れる瞬間には「自然なことだ」と考えて受け入れるしかないという、自身だけの“コツ”も伝えた。

「俳優として受ける叱咤は、直して修正して成長しなければならないと思います。そうしているうちに、人間チョン・ヘインも良い影響を受けると思います」と率直に明かした。

記者 : ペ・ヒョジュ