「真犯人」ユソン“撮影前にスタッフと俳優で旅行へ…楽な気持ちで演じることができた”

Newsen |

写真=リトル・ビッグ・ピクチャーズ
映画「真犯人」に出演した女優ユソンは、最近行われたNewsenとのインタビューで、映画撮影のビハインドを公開した。

ユソンは「真犯人」で、夫ジュンソン(オ・ミンソク)が殺人事件の容疑者になり、夫の疑いを晴らすために奮闘するダヨン役を務めて、ソン・セビョク、チャン・ヒョクジン、オ・ミンソクらと共演した。

限られたスペースでの緊張感溢れる心理戦で観客を魅了した「真犯人」。俳優同士の格別な呼吸があったため、このような密度の高いスリラーを完成させることができた。

「真犯人」のスタッフと俳優たちは、撮影に臨む前にソン・セビョクの提案でソウル近郊のペンションに旅行に行き、親睦を深めた。そこで互いの人生について話し合い、親しくなった。

「監督と私、映画会社の代表はお酒が飲めません。でも私たちの強みは、初めての出会いで8時間も会話したことです。通常は1~2時間ほど話して、『撮影の時にお会いしましょう』と言って別れるんですけど、その場で8時間話して、日が暮れてからも惜しみながら別れました。こんなに長い会話ができる理由が何なのか考えてみました。それはどの人も気さくで飾らず、正直であるためだと思います。線を引くのではなくて、気楽に自分が生きてきた話、人生の話、経験談を分かち合いました。演技に対する悩みでも何でも打ち明けることができました。だから気が楽でした。それが非常に格別な出発だったと思います。もっと深く共感することができたし、もっと気楽に信頼することができました。ソン・セビョクさんのおかげで、そのように始めることができたんです。皆愉快な方々ですが、会話の8割はソン・セビョクさんでした」

映画「真犯人」のジャンルは深いスリラーだ。そのため、このような旅行が果たして演技に役に立つのか疑問もあった。しかし、心配とは異なり、このような親睦はむしろ作品に入り込むのに大いに役立った。

ユソンは「実は旅行に行きながらも心配しました。『行っていいのだろうか? 適度なテンションを維持するのが演技に集中するのに役に立ちそうではあるけれど……』と思いました。しかし、今回初めて感じました。『高い親密感の中で相手に対する信頼があった時、ずっと気が楽なんだ』ということを感じました。通常は作品をやりながら徐々に親しくなるのであって、最初から親交を深めておく場合はほとんどありません。親交のある状態で始めたら、信頼できるので楽でしたし、より配慮したくなって、作品の中で競争ではなく、チームワークで一緒に作っていくような空気をすごく感じました。共同作業の醍醐味をより深く感じました」と打ち明けた。

演技の上手な俳優たちが総出動した「真犯人」。ユソンは特にソン・セビョクの演技を見て感嘆した瞬間が多かったという。ユソンは「序盤にモーテルに閉じこもっているソン・セビョクさんのところに行って証言を頼むシーンがありました。断る彼に頼み込んで説得するシーン、バッグを投げつけるシーン、自分の言うことを聞かないソン・セビョクさんの冷たさに泣き崩れて、もう止めてくれと腹を立てて怒鳴るのですが、その目から怒りと鬱憤など、複雑な感情をすごく感じました。『ああ、本当に良い。やり取りするエネルギーが本当に良いな』と感じました。そのシーンを撮って、監督がビハインドを話してくれたんですけど、嬉しすぎて屋上に行って笑ったそうです。私たちもそんな気分でした。『私たちはこれからこの調子を保って撮影していくことができるんだな』と思いました。そのシーンで前半に良いエネルギーをもらったし、『このテンションとエネルギーでちゃんと引っ張っていくことができるな』と思いました。皆が満足した撮影でした」と振り返った。

また、ソン・セビョクは撮影中に7kgほど減量する闘魂を見せた。ユソンは「私は彼が体重の調節をしていることを知らなくて後で気づいたんですけど、食事の場でもその時の雰囲気に合わせるだけで、食べるの量も少量でした。本当に知りませんでした。後で知りました。それがより難しいことなのに、雰囲気や状況に合わせながら、自身は絶えず調整していたんです。後にはズボンが大きくなって、ズボンを上げながら演技していたらしいです。それは本当に素晴らしい情熱と努力です」とソン・セビョクの絶賛を惜しまなかった。また「私は次の日にプレッシャーを感じるシーンがある時は、食事の場に行きません。私はコントロールができなくて、お腹いっぱいに食べるタイプなので、食事の場に行かず、連絡をとることを避けて、自分だけの時間を過ごします」とつけ加えた。

「4人の食卓」「黒い家」「母なる復讐」「退魔:巫女の洞窟」「黒く濁る村」など、主にスリラー、ホラージャンルで頭角を現して、“スリラークイーン”というニックネームを得たユソンは、「この人はなぜこんな精神状態を持つようになったのか、十分に考えようとする方です。その人が許してもらえる人でも、許されない人であっても、その人自体を理解しようと努力して、とにかくその人を理解できれば、その人の中に入って演技をすることができると思います。自分と距離が遠い人であればあるほど、理解する時間を十分に持とうとしています。その人だけの理由を探そうとするのです。動機付けができなければ、演技ができません」と自身だけの演技の秘訣を公開した。

ユソンが誇るもう一つの強みは体力だ。これは共演したソン・セビョクも認めた部分だ。ユソンは「ソン・セビョクさんから『よく食べるお姉さん』『感情をよく吐き出す姉さん』と言われました。私はご飯を食べて、30分だけでも寝て充電して、精神が冴えている時に良いエネルギーが出ます。いつも1番目にケータリングカーの前に並びます。食事は抜きません。たまにデリケートなシーンがあったら、お粥も食べない俳優がいるんですけど、私はまずご飯を食べて30分寝ます。そして現場に行って歩き回ります。それが私だけの体力の配分の方法です」と明かした。

「真犯人」は、被害者の夫ヨンフン(ソン・セビョク)と容疑者の妻ダヨン(ユソン)が最後の公判を控えて互いに対する疑いを隠したまま、あの日の夜の真実を探すための共助を描く追跡スリラーだ。

記者 : パク・アルム