ポン・ジュノ監督の新作映画「パラサイト 半地下の家族」にカンヌ熱狂…スタンディングオベーションで歓声浴びる

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フランスで開催中の「第72回カンヌ国際映画祭」で21日(現地時間)、コンペティション部門にノミネートされた韓国のポン・ジュノ監督の新作映画「パラサイト 半地下の家族」(原題)が上映され、会場では7分間にわたってスタンディングオベーションが起こった。

約2300席の会場を埋めた観客は、本編上映後にエンドロールが流れ、照明が点灯すると一斉に立ち上がって歓声を上げ、拍手を送った。

観客の熱烈な歓呼に目頭を熱くしたポン・ジュノ監督と俳優たちは、共に拍手をしながら観客とカメラに向かって手を振った。

拍手が7分以上続くと、ポン・ジュノ監督は韓国語と英語で「ありがとうございます。夜遅いので家に帰りましょう」と述べたが、あいさつの後にも拍手は続いた。

「パラサイト 半地下の家族」は、今年のカンヌ映画祭で一番の話題作だった。会場の周辺には、上映が始まる数時間前から招待券を譲ってほしいと書かれた紙を持った人々が立っていた。上映1時間前になると入場を待つ観客の列ができた。

監督と俳優陣がレッドカーペットに到着すると、待ち受けていたファンから大きな歓声が上がった。

上映会には、ポン・ジュノ監督の前作「オクジャ(okja)」に出演した女優のティルダ・スウィントンも出席した。

「パラサイト 半地下の家族」は全員が無職のキテク(ソン・ガンホ)一家の長男(チェ・ウシク)が、家庭教師の面接のためにパク社長(イ・ソンギュン)の家を訪れたことから始まる予期せぬ事件を描く、貧富の差という普遍的な問題を取り上げた作品。共生できず、寄生するしかない社会の構造に対する問題意識を、ブラックコメディーという形で浮き彫りにした。

観客の反応は大好評だった。ポン・ジュノ監督のファンだという観客は「ブラックコメディーだという点が特に良かった」と話した。パリの映画会社でインターンとして働いているという男性も「笑えると同時に暗く、韓国の社会問題に対する批判が込められていた」と語った。

映画評論家のユン・ソンウン氏は「最も韓国的な映画であると同時に、世界的でもあるため観客が反応した」とし、「普遍的な階級の違いを、ポン監督ならではのユーモラスで鋭いやり方で解釈した。今年の他のノミネート作品が凡作なので『パラサイト 半地下の家族』がさらに際立っている」と評価した。

記者 : 聯合ニュース