「悪質警察」イ・ソンギュン“韓国のイライラ演技第一人者?カッコ悪い人物になるため心から演じた(笑)”

OSEN |

写真=ワーナー・ブラザース コリア
イ・ソンギュンが最近、韓国で公開された映画「悪質警察」から、新しい作品のためにダイエット中の近況まで、さまざまな話を打ち明けた。

最近、ソウル鍾路(チョンノ)区三清洞(サムチョンドン)にあるカフェで、映画「悪質警察」の主演イ・ソンギュンのインタビューが行われた。

イ・ソンギュンは悪態は基本で暴力も躊躇せず、不正を働く悪質警察チョ・ピルホに扮した。ただ自分のためだけに生きてきた自己中心的な彼が、思いがけず警察押収倉庫の爆発事件の容疑者にされ、全く縁がなさそうだった人々に会い、巨大な事件に直面する。

2006年の商業映画デビュー作「熱血男児」を演出したイ・ジョンボム監督は「アジョシ」(2010)でヒットに成功した。当時R指定映画だったにもかかわらず、観客数610万人を突破し、韓国に「アジョシ」ブームを巻き起こした。

作品を2年ぶりに披露したイ・ソンギュンは「記憶に残る作品です。撮影時も、今もすごく愛情を持っています。公開しただけでも感動です」と話した。

イ・ソンギュンは同作品、初のマスコミ向け試写会に参加し「私もそうですが、マーケティング、制作者の方々が意見を一つ一つ見ていると思います。マーケティングする前に、セウォル号の話を露出していなかったので、映画を観て大変驚いたみたいです。だからこのような議論は予想していました。商業映画にセウォル号の題材が入ったということ自体が新しい試みであり、勇気です。観る人々に負担に思われる可能性もあります。観客の反応が気になります」と話した。

「映画のキャスティングが難航して、シナリオが回りに回って僕に来ました(笑)。イ・ジョンボム監督は私に説明が要らない兄さんです。韓国芸術総合学校に通っていた時、短編映画をたくさん撮りましたが、ジョンボム兄さんと作業しながら初めて真剣に取り組みました。監督のディレクションが俳優に影響を与えるんだと思いました。ジョンボム兄さんと卒業してぜひ一緒に仕事をしようと言っていましたが、それが17年ぶりに『悪質警察』で公開されるようになりました」とこみ上げる感情を表した。

「悪質警察」は、韓国の商業映画では初めてセウォル号の事故を取り扱った。イ・ジョンボム監督が檀園(タンウォン)高校を訪問し、映画を制作しようと決心した。主人公たちがセウォル号の事故に関連している。チョ・ピルホは2014年のセウォル号事故が起きた時に遺族と知り合った警察として登場し、ミナの親友ジウォンがセウォル号の事故により犠牲になった檀園高校の生徒に設定されている。最終的に彼らのターゲットは、財閥に向かう。

イ・ソンギュンは「映画に対する悩みも多く、あまりにも多い紆余曲折がありました。イ・ジョンボム監督が話したかった真心を詰め込んでいると思いました。ただ最初に始めた時はためらってしまう題材だったので勇気が必要でした。それだけ感情を使った作品です」と愛情を表わした。

イ・ソンギュンは映画の中で不正警察として登場する。「観客に痛快さを与えられるだろうか?」という質問に、彼は「それは観客の判断だと思います。今は期待半分、不安半分です。全然分からないです。その代わり『悪質警察』は、後悔が残らないです。成績では惨敗するかもしれませんが、それを作ったメンバーとして、心から最善を尽くしました。もちろん演技的に100%の満足はできないですが、結果がどうであれ、受け入れなければならないです」と話した。

イ・ソンギュンは、自身の映画代表作「最後まで行く」(2014)に続き「悪質警察」でも刑事役を務める。2つのキャラクターは似ている点もあり、異なる点もある。何よりイライラしやすいところが似ているが、イ・ソンギュンのリアルな演技が圧巻する。

「韓国でイライラする演技はイ・ソンギュンがトップであり、第一人者である。賞を与えても良さそうだ」という賞賛に「もしその賞をいただいたら、イライラすると思います。シナリオに切羽詰ってイライラする状況が多かったです。心から演じたのですが、編集したものを観たら、イライラしすぎたかなと思いました。後悔もあります」と告白し、笑いを誘った。

イ・ソンギュンは「イ・ジョンボム監督の映画『アジョシ』『泣く男』などの主人公は無口で、カッコよく、喧嘩が強いのですが、僕はおしゃべりで悪態をついて、怖がりです。チョ・ピルホはただのゴミ、チンピラ、不良です(笑)。少し現実的な人物にしたく、本当に自分の前にある利益だけ考える人物を描きたかったです。そして僕にはシナリオよりも、もっとカッコ悪くする力があります」と打ち明けた。

“韓国のイライラ演技第一人者”とされるイ・ソンギュンは「カッコつけるのが嫌いで、現実感を与えたら、最初のシナリオよりもっとカッコ悪くなります。そのような人物が覚醒して変わっていくとき、その違いが大きく出ると思いました。私は演技すると必ずそうなります」として笑った。

現在、映画「キングメーカー:選挙戦のキツネ」を撮影しているイ・ソンギュンは、監督の要求でカッコいいルックスを作るためにダイエットをしている。低炭水化物&高脂肪を実践して3kgを減量したという。

彼は「カッコ悪いのはもうやめて、カッコよく見せたくて減量しています。低炭水化物&高脂肪をしていますが、自分に合っていると思います。しかし、筋肉が大きくなりすぎて、体も大きくなっています。とりあえず、台本上では素敵なキャラクターなので、カッコよく見せたいです」とし、笑顔を浮かべた。

「悪質警察」は、裏金を手にし、汚職に目をつぶり犯罪をそそのかすゴミのような悪質警察チョ・ピルホ(イ・ソンギュン)が爆発事件の容疑者として追い込まれ、巨大企業の陰謀に巻き込まれながら繰り広げられる犯罪映画だ。

記者 : ハ・スジョン