兵役を終えた直後のチョン・イルが心境を語る「ファンの手紙を読むのが楽しみで、力になりました」

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ドラマ「太陽を抱く月」や「シンデレラと4人の騎士<ナイト>」などのヒット作に出演し、日本でも高い人気を誇るチョン・イルが、約2年間の兵役を終えて復帰。2018年12月12日に、さいたまスーパーアリーナで行われた「Mnet Asian Music Awards (MAMA)」にプレゼンターとして登壇するために来日し、イベント直前にインタビュー取材に応じてくれた。

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2年間の服務「人間チョン・イルとして人生を見つめる機会でした」

――服務中の2年間、どのような日々を送っていらっしゃいましたか?

チョン・イル:高齢者療養病院で2年間の服務を終えて、11月30日に転役(除隊)しました。僕がその施設で行った仕事はお年寄りのお世話です。90%位の方が認知症を患っている方々なのですが、お食事の世話や、認知症のケア治療として生け花などのお手伝いもしました。人生の終盤を過ごしていらっしゃる高齢者の方々をケアしながら、これまでの俳優生活では感じることが出来なかった、人間チョン・イルとして人生を見つめる機会になったので、とても有意義で幸せでした。人生において、こんな時間を持つことはできないと思うくらい貴重な時間になりました。

――プライベートな時間はどう過ごしていましたか?

チョン・イル:勤務時間後は、英語の勉強を一生懸命にして、スポーツもして、週末には一緒に服務している友人たちとハイキングに行きました。また、これまでなかなか時間がなくて会えなかった友人たちとも会いました。

――どんなご友人ですか?

チョン・イル:中学、高校時代の友人とも会いましたし、最近、入隊したイ・ミンホさんやキム・ボムさんとよく会っていました。

――英語のレベルはどのくらいになりましたか?

チョン・イル:だいぶ勉強したので、海外旅行に行ってもほとんど困らないくらいにはなりました。100%コミュニケーションはとれなくても、自分の考えを伝えることはできます。

――試験を受けたりは?

チョン・イル:大学時代にTOEICは受けましたが、今回は試験を受けようと思って勉強をしたのではないので受けていません。

――この2年間で得たことは?

チョン・イル:俳優になってからの10年間は、胃の中の蛙みたいな存在で、会う人が限定されて、経験できることも限定されていたような気がします。今回、僕と一緒に服務していた子たちは、みな僕よりも10歳くらい年下なのですが、その子たちの情熱や覇気、価値観などを感じながら学ぶことが多かったです。また、バスや地下鉄などの公共交通手段をたくさん使ったおかげで、今まで見なかった風景を見ることができたり、一般の方々と交流していくことで視野が広くなった気がします。そんな経験が俳優に戻った時、余裕を持って作品を見ることができることに繋がった気がします。

――バスに乗ったらチョン・イルさんと気がつかれたのでは?

チョン・イル:マスクをしていました(笑)。でも、今はみんなスマホを見ているから、他人に対して別に関心を示さないんですよ。特に出勤時間は慌ただしいので。もし、気がつかれたとしても、それはそれでありがたいことですから(笑)。

――入隊中の気持ちは到底想像がつかないのですが、どんな心境ですか?

チョン・イル:メンタル的に一番キツかったのは訓練所に入った初日ですね。訓練所で4~5週間位過ごすのですが、まったく面識のない1000人もの男性と一緒の場所で寝て、食事をして、シャワーをして……というのは修学旅行以来ですから、やっぱり一番辛いし、正常心ではいられないです。3日くらい経つとみんなと親しくなって、年下の子が気を遣ってくれたりするので、自分も兄としてきちんとしなくてはという気持ちになりました。いずれにしても、当然やらなくてはいけない義務ですから、兵役を通じて責任感が生まれて、愛国心も生まれたと思います。

――現場やファンが恋しくなりましたか?

チョン・イル:とてもありがたかったのがファンの方々が送ってくださる手紙です。国内外のファンがデジタルでメッセージを送ってくれるんです。「私、今日こんなことをしたのよ」とか、自分がしたこと、日課などを書いて送ってくれるのですが、それを読むのが楽しみでしたし、とても力になりました。
 

久しぶりの来日!羽田空港でたくさんのファンに迎えられて…

――今回はMAMAのプレゼンターの仕事で来日されました。久しぶりの来日で、羽田空港でたくさんのファンに迎えられていましたが、気分はいかがでしたか?

チョン・イル:正直言って兵役中は一般人として生活していたので、いまだに俳優としての生活に慣れていないんです。そして除隊するなり忙しく撮影に入ったので、まだ兵役が終わったこともあまり実感が持てなくて……。だから、ファンの方々と接することにも慣れていないのですが、皆さんが変わらずに待っていてくれたことにとても感動しました。そのようなファンの方々の愛に恩返しするには、よい作品、よい演技が一番だと思うので一生懸命頑張ります。

――転役と同時にドラマ「獬豸(ヘチ)」への出演を決められました。復帰作にこの作品を選んだ理由は?

チョン・イル:オファーを受けたのが除隊の6ヶ月前でした。たくさんの作品のオファーをいただいたのですが、ロマンチックなストーリーであること。そして日本の皆さんもよくご存じの「トンイ」「イサン」の脚本家の先生(キム・イヨン)と、立派な監督(イ・ヨンソク)と一緒に作品が作れるということで、迷うことなく選択しました。撮影を始めて1週間ほど経ちましたが、クォン・ユル兄さんとAra(コ・アラ)さんとの呼吸もよく合いますし、イ・ギヨンヨン先輩が中心となって、よいムードを作ってくださっているので、とても楽しく撮影をしています。興味深くてロマンチックなストーリーなので、日本の方々も好きになってくれるのではないかと思います。2019年2月11日に韓国で初放送予定ですが、すでに日本にも版権が売れたと聞いています。全スタッフが全力を尽くして撮影をしていますし、僕は自分の復帰作ということで情熱を注いていますので、期待してもいいと思います!!

――「獬豸(ヘチ)」で演じる延礽君(ヨニングン=イ・グム)は、これまでも多くの歴史ドラマで登場してきた人物ですが、チョン・イルさんが演じる延礽君はどんな人物として描かれるのでしょうか?

チョン・イル:僕が演じるのは英祖(李氏朝鮮時代の21代国王)が王になる前の延礽君なのですが、そこから王になるまでのストーリーが描かれます。これまで英祖を素材にした作品はたくさんありましたが、延礽君の時代にスポットを当てたドラマはありませんでした。だから視聴者の方々が知らなかった延礽君の新しい姿に注目していただきたいです。史実をそのまま描くのではなく、英祖の歴史的な背景は生かしつつも、新しく作ったキャラクターですので、視聴者の皆さんが関心を持って見てくださるのではないかと思います。

――役作りはどのようにしましたか?

チョン・イル:脚本家の先生と監督と、とにかくたくさん話をしました。以前は演技を指導していただいている先生と話してキャラクターを作っていましたが、今回は自分を信じて、自分自身でキャラクターを作りたいと思ってそうしたんです。

――兵役中に、映画やドラマはご覧になっていましたか?

チョン・イル:映画を見るのがとても好きなので、映画や演劇、そしてクラッシックも有名な方の演奏会があれば見に行きました。博物館や美術館にも足を運んでみたり、文化や芸能に触れて経験を積みました。

――ご覧になった作品の中で、気になったものや、自分が演じたかったと思ったものは?

チョン・イル:演じたいと思った作品ではないですが、ドラマ「秘密の森」と「私のおじさん」がとてもよかったです。

――日本の作品をご覧になることは?

チョン・イル:僕らの年代は、高校時代に日本のドラマや映画をたくさん見て育った世代なんですよ。だから好きな作品もとても多いです。「東京タワー」とか、叙情的で穏やかなストーリーの映画がとても好きなんです。最近は「君の膵臓をたべたい」を見て、感動してめちゃ泣きました(笑)。アニメーションも好きです。

――では、よい作品があれば日本の作品に出演することも?

チョン・イル:もちろんです!! 日本のエージェントの方とお会いしたら、いつも「よい作品があったらやらせてほしいです」と話しています。

――プライベートで、日本でしたいことは?

チョン・イル:除隊したら「FUJI ROCK FESTIVAL」に行ってみたいとずっと思っていたので、今年の夏に時間があったら行きたいです。入隊直前に「サマーソニック」には行ったのですが……。
 

「日本でファンミーティングを準備…毎回ユニークな考えるのが大変(笑)」

――今後、俳優としての仕事以外にしたいことはありますか?

チョン・イル:多様な活動がしたいですね。バラエティ番組にも出たいですし、除隊後、国立中央博物館の広報大使に任命されたので、韓国の文化を海外の皆さんにお伝えしていきたいです。日本でファンミーティングを準備していますし、雑誌のクリエイティブデレクターも任されることになりました。

――それはどんな雑誌ですか?

チョン・イル:僕が編集長になって、文化、芸術、旅行、食事など多様なカテゴリーに分けて記事を準備中です。グローバルな雑誌として出るので 日本のファンの方々にもご覧になっていただけるかと思います。

――国立中央博物館の広報大使の話が出ましたが、普段から博物館めぐりがお好きだそうですね。

チョン・イル:旅行に行くとその国のナショナルミュージアムに足を運びます。京都博物館にも行きましたし、リスボンにある国立古美術館、メトロポリタンミュージアムもMOMAミュージアム(ニューヨーク近代美術館)も好きです。誰かに薦められていくわけではなく、博物館で作品を見ると気持ちが落ち着くんです。その作家か描こうとする芸術性を発見する面白さがあるようです。でも、実を言うと国立中央博物館に行ったのはすごく久しぶりでした。リニューアルしてから初めて行ったのですが、とても良かったです。日本のファンの皆さんも韓国にいらした時に訪問したら特別な思い出ができるのではないかと思います。

――ファンミーティングはどんなことを準備していますか? 毎回、ユニークな企画をされているようですが……。

チョン・イル:そうなんですよ~(笑)。毎回、考えるのが大変です。でも、今回は復帰をしてからの正式な場となるファンミーティングですので。また特別なイベントとして、一度旅行に行ってみるのはどうかなとも考えています。1泊2日の旅行とか……。作品を一生懸命にやった後に計画したいと思っています。

――どこに行きたいですか?

チョン・イル:沖縄や札幌あたりですかね。東京には50回以上は来ていますし、京都や大阪には行きましたが、沖縄と札幌には行ったことがないんです。とてもきれいだと聞いているので行ってみたいです。

――ドラマで当分、忙しくなると思いますが、オフになったら何をしたいですか?

チョン・イル:歩くことが好きなのでハイキングに行きたいです。日本はハイキングコースが整っていると聞きました。日本じゃなくても、どの国でもいいのですが、歩きながら、忙しく過ごして疲れた自分を振り返る時間を持ちたいです。以前は大都市が好きでしたが、今は小さな都市、静かなところを自分の足で歩きながら、いろんなことを見て感じるような旅がしたいです。

――入隊直前に出演したドラマ「シンデレラと4人の騎士<ナイト>」が好評で、兵役中も人気でした。このドラマの魅力はどこにあると思いますか?

チョン・イル:1番大きなポイントは「4人の騎士」というタイトルの通りに、4人の男性主人公それぞれが個性の違うキャラクターを持っていること。そして彼らが表現する愛の方式や、人間関係を見るのが面白いのではないかと思います。なぜこの作品を兵役直前に撮ったかというと、若い人たちに好まれる作品じゃないかと思ったからです。そのためか、兵役中も日本で10代のファンが増えたと聞きました。とても気分がいいです(笑)。

――ツンデレなジウンと、チョン・イルさんご自身が似ている部分はありますか?

チョン・イル:ジウンよりは優しいし、温かいと思います(笑)。そして僕にはわりと純粋な面があるので、その点は似ていますね。いずれにしても僕の中にある一部分をキャラクターの中で見せていますし、わざわざ100%自分と違うキャラクターにしようとは思わないので、当然似ている部分が多くなるのではないでしょうか?

――共演者とは今でも交流がありますか?

チョン・イル:アン・ジェヒョンさんは同い年で親しいので、ごはんをおごってくれたり、お酒を飲んだりして、何度か会いました。他の人たちも、ちょこちょこと連絡を取り合っています。ジョンシンは最近、入隊したので、今は国を一生懸命に守っている最中ですね(笑)。
 

デビュー12周年「後悔や残念も30代になっていく過程なのではないかと…」

――昨年11月6日にデビュー12周年を迎えられましたが、振り返ってみて感じることは?

チョン・イル:10年以上俳優をしてきましたが、まだまだだと思うこと多いですし、後悔が残ることや、残念に思うこともあるのですが、それも30代になっていく過程なのではないかと思います。作品への向き合い方も、以前は作品の中で自分が輝きたいという欲がありましがが、今は自分よりも作品を輝かせたいと思うようになりました。仕事やキャラクターへの取り組み方も慎重になりました。そういう風に今は成熟してゆく過程だと思っています。俳優というのは、やればやるほど難しい仕事だと感じますね。新しい人物を作りあげていくことはとても大変な作業で、いつまで経っても難しい。でも、それが俳優の一番の魅力でもあるので、作品をしていない時も、積極的に多様な経験をしようと心がけています。それが作品をやるときの大きな助けになるんです。

――これから、やってみたい作品は?

チョン・イル:「獬豸(ヘチ)」の次は、とりあえず現代劇になると思います。やりたいのはジャンルドラマです。推理物とか操作物とか。これまでとは違うカラー作品がやりたいです。これまでは明るいキャラクターをたくさんやってきたので、悪役とか、暗い役を演じてみたいです。

――ロマンチックコメディを期待するファンも多いと思いますが、いかがですか?

チョン・イル:当然やると思いますが、時期がありますので。その時期がきたらやります!!

――今後共演してみたい人は?

チョン・イル:イ・ギヨンヨン先輩が大好きなので、先輩の作品はほとんど見ました。大学の先輩でもあるのですが、俳優として学ぶべきことがとても多いので、こうして「獬豸(ヘチ)」でご一緒出来ることになってとても光栄ですし、撮影に入る前からたくさんいいお話をしていただきました。入隊している間にも周りの俳優さんたちに「イルをよろしくお願いします」と言ってくださっていたようで、とてもありがたかったです。現場でも、気楽にアドバイスをしてくださって、とても頼もしくて力になります。

――これから、どんな俳優になりたいという目標はありますか?

チョン・イル:どういう俳優になりたいということよりは、作品を積み重ねていって、いつかそれらを振り返った時に「僕はこんな色をだす俳優なんだな」と、見えてくるようになるのではないかと思います。ですので、多様な作品を消化できる俳優になるのが目標です!!

取材:安部裕子 / 撮影:朝岡英輔

記者 : Kstyle編集部