「ミスター・サンシャイン」ユ・ヨンソク“日本で旅館めぐりをするのが好き…長野の旅館が印象に残っています”

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(C)KINHKONG by STARSHIP

900年代初頭、激動の時代を描いたドラマ「ミスター・サンシャイン」。ユ・ヨンソクは、低い身分の生まれながら、日本に渡ってその腕ひとつでのし上がり、大勢のごろつきを束ねる剣客となって祖国に戻ってきたク・ドンメ役を熱演し、話題を集めた。そんな彼が11月2日、日本でファンミーティングを開催する。

今回、「ミスター・サンシャイン」の撮影エピソードから日本ファンミーティングまで、たっぷり語ってくれたインタビューをお届けする。

――「ミスター・サンシャイン」を選んだ理由、初めて台本を読んだ時の印象についてお聞かせください。

ユ・ヨンソク:最初に出演依頼をもらったときは、まだ台本ができていませんでした。キャラクター紹介をみると僕が演じるク・ドンメは、ただ一人の女性を想い続ける熱い心を持った人物ということでした。そんな姿が前作で僕が演じたキャラクターと似ていたので、上手く表現できるかもしれないと思いました。それに脚本家のキム・ウンスク先生やイ・ウンボク監督とご一緒させてもらうことも楽しみでしたし、期待していました。最初に台本を読んだときは、とても面白くてすぐに読んでしまいました。また、そんな台本を読みながら、ドンメというキャラクターをどのように魅力的に演じようかと、たくさん悩みました。

――そんなふうに悩んだ末、ク・ドンメの魅力をどのように演じようと思いましたか?

ユ・ヨンソク:ドンメは自らの意思で祖国を捨てた人物です。白丁(ペクチョン:被差別民層)の息子として生まれ、心に傷を負ったまま朝鮮を離れたものの、祖国でただひとり、自分のことを人として見てくれていた女性のことが忘れられず、ただその理由だけで、祖国へと戻ることを決意します。冷血な容貌、まるで純愛譜のような熱い想い、そんな相反する2つの心を持つ人物です。世の中すべてが敵に回ってもかまわないと思っているドンメですが、ただひとりの女性(コ・エシン)だけとは敵になりたくない、そんな彼の姿が魅力的だと思います。ドンメはいつ死んでもかまわないと思っている人物です。そんな彼の行動、まなざしをどのように表現すれば良いのか、とても悩みました。エシンに対する情熱的な一面は、僕がこれまでに演じてきた作品と似ていると思いました。また、ク・ドンメという人物の厳しい生きざまを表現するために、ビジュアル的にもかなり変化を与えようと思いました。

――ビジュアル的に変化を与えるようにしたとのことですが、着物や日本刀は初めてだったと思います。そんなク・ドンメの衣装、メイクはいかがでしたか?

ユ・ヨンソク:ク・ドンメの髭は付け髭です。毎回、メイクのときに髭を付けていました。和服の衣装を身にまとうのは初めてだったので、とても新鮮な気持ちでした。実際に下駄を履いてアクションをしたり、長い日本刀を携えたりしての演技は、やはり簡単ではありませんでした。初めてク・ドンメの衣装を着た時は、慣れなくて違和感がありましたが、今は衣装を脱いだ時の方が不自然に感じるくらいにまで慣れました。

――そんな和風の衣装を着ての演技、何か参考にした作品はありますか? 今回の役を演じるにあたり、どんな作品をご覧になりましたか?

ユ・ヨンソク:YouTubeなどでサムライに関連する動画、作品などをたくさん探して見ていました。作品でいえば、映画「無限の住人」「座頭市」などを観ました。日本の着物を着て、刀を持つサムライアクションなので、殺陣のシーンなどを中心に参考にしていました。

――劇中には日本語でのセリフも多く登場しますが、どのように勉強されましたか?

ユ・ヨンソク:日本語は、撮影が始まる前から個別に勉強をしていました。ただ日本語のセリフをハングルで書いてそれを憶えても、なかなか覚えられないし、そのセリフを活かすことが難しいと思ったので、まずはひらがなでセリフを書き、その意味を書いて、覚えていこうと思いました。撮影の前に練習し、また録音された日本語を繰り返し聞きながら覚えました。撮影中も日本語の勉強は続けていました。現場でも発音などをチェックしてもらっていました。

――そんなに一生懸命努力された日本語の中で特に印象に残っているセリフはありますか?

ユ・ヨンソク:「行くぞ!」というセリフです。ドンメが一番多く使っていた日本語なので……。

――印象に残っている場面、撮影中のエピソードがあれば教えてください。

ユ・ヨンソク:印象に残っている場面は、陽花(ヒナ/キム・ミンジョン)と一緒に海に行く場面です。そのシーン自体もとても素敵なのですが、撮影が佳境に入った頃、これまで苦楽を共にしてきたスタッフと海に行き、一緒に海を見られたことが何よりも印象に残っています。

――劇中、浪人仲間(部下)たちと日本語でしゃべっていますね。大勢の部下を引き連れての場面が多いようですが、役者の皆さんとは現場でどのような話をしているのですか?

ユ・ヨンソク:とにかく一緒にいる場面が多かったですし、現場でも一緒に行動することが多かったので、共演者の皆さんとはとても仲良くなりました。特にいつも一緒にいたユン・ジュマンさん、キム・リウさんとは仲良くなりましたし、撮影の前にはいつも日本語のセリフを合わせながら、撮影の準備をしていました。

――ドンメがユジン(イ・ビョンホン)、ヒソン(ピョン・ヨハン)らと、馴染みの居酒屋で顔を合わせる場面は、一触即発ながらも、どこかコミカルで、とても印象的です。もしかして、アドリブなどもあったのですか? 3人の掛け合いが重要なポイントとなるシーンだと思いますが、やはり念入りに打ち合わせをしていたのでしょうか?

ユ・ヨンソク:例えば馴染みの居酒屋のシーンの中に、ユジン(イ・ビョンホン)がドンメに酒のつまみを奢るシーンがあります。ドンメはここぞとばかりに刺身の大盛りを頼むのですが、すぐにユジンが「少量で十分だ」と、注文を覆すんです。そのほかにも、ヒソン(ピョン・ヨハン)が金を払わずに店を出てしまったので、ユジンとドンメ、どちらが払うのか互いの腹を探り合い、結局ドンメが先に席を立つという場面。そんな場面は予め台本にあったわけではありません。このようなアドリブは事前にお互いに話し合って決めていたのではなく、撮影をしながら、自然とアドリブ合戦をしながら作られていきました。そんな撮影はとても楽しかったですし、視聴者の皆さんにも楽しんでもらえたようなので、満足しています。

――馴染みの居酒屋でのシーンなど、時にはコミカルな場面もありますが、基本的にシリアスな場面が多い作品ですね。現場はどのような雰囲気だったのでしょうか?

ユ・ヨンソク:馴染みの居酒屋の場面などでは、先ほども言ったようにアドリブが多かったので、とても面白い撮影でした。現場ではいつも笑いが絶えない状況でしたね。みんな仲が良かったので、お会いするといつも楽しい時間を過ごすことができました。ただ、ドンメという役は基本的に重厚感を維持しなければならないキャラクターでしたし、日本語や剣術など、1シーンのために準備することもたくさんあったので、そんな準備をしながら、常に緊張感を持って撮影に挑んでいました。

――イ・ビョンホンさん、ピョン・ヨハンさん、キム・テリさん、キム・ミンジョンさんら共演者の印象をお聞かせください。

ユ・ヨンソク:イ・ビョンホンさんは、僕からすると本当に大先輩なので、最初の頃はとても緊張していましたし、近寄りがたいかもしれないと思っていました。でも、本当に気さくに、イ・ビョンホンさんの方から歩み寄ってくださいました。撮影現場ではまさにムードメーカーで、本当に面白い方でした。キム・テリさんは、とても明るく、ポジティブなエネルギーの持ち主です。キム・ミンジョンさんは、子どもの頃からファンだったので、今回共演できてとても光栄でしたし、本当に嬉しかったです。ピョン・ヨハンさんは、茶目っ気たっぷりのイタズラっ子なイメージですよね。実際に明るいのですが、実はとても真面目で、思慮深い役者さんです。共演者の皆さんと会うと、お互いに近況を報告し合ったりもしますし、キャラクターについての悩みなどを相談することもありました。

――主要キャストのほかにも錚々たるベテラン勢が出演されています。そんなベテラン勢の皆さんの演技などに影響を受けることもありますか?

ユ・ヨンソク:先ほども言いましたが、現場の雰囲気はいつも本当に良いんです。特にキム・ウィソンさんは、以前からとても尊敬する俳優さんでしたが、今回のドラマでは共演シーンも多く、現場でお会いすることも多かったので、そのたびにいろいろなことを学ばせてもらいましたし、影響も受けていたと思います。

――キム・テリさん演じるエシン、キム・ミンジョンさんが演じる工藤陽花(くどうひな)をはじめ、ク・ドンメの周囲にいる女性キャラクターのうち、最も気になるキャラクターといえば?

ユ・ヨンソク:特にコ・エシンの場合、ドンメの人生においてとても重要な人物なので、ドンメのキャラクターについて考える時は、エシンのことも必然的に考えざるを得ませんでした。エシンの行動、エシンの言葉ひとつひとつが、ドンメに影響を与えていたからです。ドンメは、突き進もうとするエシンの身に危険が及ぶこと危惧していましたし、そうならないように防ごうとしていました。前に進もうとするエシンのことが気になるというよりも、エシンが命の重さを知りつつも、それを乗り越え、これからずっと突き進んでいくための力と勇気を、彼なりに見守っていきたいと思うようになります。

――激動の時代を背景に描いた作品なので、皇帝をはじめ、実在の人物も登場しますし、多様なキャラクターが劇中に登場します。もし、ク・ドンメ以外の役を演じることができるなら、どの役に一番魅力を感じますか?

ユ・ヨンソク:ドラマに登場するすべてのキャラクターが魅力的で、本当にどれもみんな演じてみたいと思ったほどです。その中からあえて選ぶとすれば、キム・ミンジョンさんが演じる工藤陽花(くどうひな)役を選びたいですね。何かを知っているようで知らない、知らないようで知っている、そんなとてもミステリアスで謎のベールに包まれている姿も魅力的でしたし、すべてを手に入れたようでありながら、その心の奥には深い傷が秘められていたので、惹かれずにはいられないキャラクターでした。いつも堂々としていて、賢明な姿が本当にカッコ良かったです。

――刀を抜くシーンもありますし、派手なアクションもありました。そんな撮影の中で一番大変だった場面といえば?

ユ・ヨンソク:大変だったシーンをひとつに絞ってお答えするのは難しいですね。全体的に日本語や剣術、そして感情の演技を同時に消化しなければならないシーンが多かったので、そんな場面は本当に苦労しました。

――撮影で忙しかったと思いますが、テレビでの放送はご覧になっていましたか? 視聴者のひとりとして印象に残っている場面があれば教えてください。

ユ・ヨンソク:撮影中にドラマの放送がスタートしたので、ドラマをリアルタイムで見ることはあまりできなかったのですが、インターネットの見逃し配信等でドラマはいつもチェックしていました。その中で特に印象に残っているシーンを選ぶのは難しいですね。本当にたくさん素敵なシーンがあったので……。

――仕事やプライベートなどで、たくさん海外にも行かれていると思いますが、これまで行った海外でおススメの場所といえば?

ユ・ヨンソク:ラオスです!「花より青春」というバラエティ番組で、ソン・ホジュンやバロ(B1A4)と一緒にラオスに行きました。もう一度みんなで行きたいと思えるほど、本当に楽しかったです。ファンの皆さんにもおススメしたい場所です。そこにいると現在の自分を忘れ、童心に返ることができるんです。

――海外に行くと、韓国料理ではなくその国の料理を楽しむというヨンソクさん。海外で食べた料理の中で、特に印象に残っているものと言えば?

ユ・ヨンソク:日本で旅館めぐりをするのが好きなんです。どの旅館でも、それぞれ違った料理が楽しめるので良いですね。特に長野を旅した時の旅館が印象に残っています。信州のお蕎麦も美味しかったです!

――インテリアや写真、料理など、実に多才・多趣味なヨンソクさん。ビールをつくるために工房にまで行かれたとか? 最終的にビールは作れるようになったのですか? その味はいかがでしたか?

ユ・ヨンソク:講習を受けて、実際にビールも作ってみました。2種類のビールを作ったのですが、どちらも美味しかったですし、作りながら、とても楽しかったです。いつか機会があれば、ファンの皆さんにも僕が直接作ったものをプレゼントしたいですね。

――最近1番ハマっていることと言えば?(ドラマ撮影中でお忙しいと思いますが、できればドラマ、演技以外の何かでお願いします)

ユ・ヨンソク:今ハマっているのは、ファンミーティングの準備です! それから、毎月行っている「コーヒーフレンズ」プロジェクト(※)も一生懸命がんばっています。「コーヒーフレンズ」プロジェクトは、思ったよりもいろいろと気を遣うことが多くて大変です。その月のイベントが終わったらすぐに来月のイベントの場所を決めなければならないし、ホジュンともスケジュールを合わせなければなりません。それにゲストとして参加してくれる人を探したり、メニューを選定したりと、決めなければならないことが山積みで悩みは尽きませんが、正直、とても楽しいです! 毎月、開催の日が待ち遠しくなるイベントです。

※「コーヒーフレンズ」プロジェクトとは
ファネーション(Fun[楽しい]+Donation[寄付])の一環として、プライベートでも仲の良い俳優ユ・ヨンソクとソン・ホジュンが企画し、2018年3月から毎月開催している募金プロジェクト。移動カフェを運営し、集まったファンに自ら作ったドリンクを提供、その収益は全額寄付される。撮影のためにユ・ヨンソクが参加できなかった5月はB1A4のバロが、6月には東方神起のユンホが参加、さらに7月には元2NE1のDARAがゲストとしてプロジェクトに参加し、話題を集めた。

――日本にも何度も来られているヨンソクさん。プライベートで日本を旅行したとき、印象に残っている場所や出来事はありましたか?

ユ・ヨンソク:以前、レンタカーを借りて両親と一緒に日本のいろいろな地域を旅行したことがあります。それまでは東京など大都市を中心に旅行していたのですが、車でいろいろな地域を旅行すると、それまで知らなかった美しい場所や、素敵な街を知ることができました。両親もそんな日本の旅行を楽しんでくれたので、僕も満足しています。それから、去年行った鹿児島も印象に残っています。写真展の準備のために屋久島に行きました。大自然がそのまま残っていて、まるで絵画のように美しかったです。

――近々日本でもファンミーティングを開催されるそうですが、日本のファンの皆さんのためにどんなことを準備されていますか?

ユ・ヨンソク:はい、11月2日に日本でファンミーティングを開催します。日本では毎年定期的にファンミーティングを開催し、日本のファンの皆さんにご挨拶をしてきましたが、今年は、これまでとはまた違った特別なひとときを一緒に過ごせたらと思っています。そのために今、いろいろと準備をしていますし、前回からこれまでに新しい作品にも出演したので、お話できることもたくさんあると思います。これ以上の内容は……まだ内緒ということで……(笑)。

――今回のドラマ「ミスター・サンシャイン」のためにずいぶん日本語も勉強されたと思いますが、日本のファンの皆さんに日本語で何かお伝えするなら、どんな言葉をかけたいですか?

ユ・ヨンソク:いつも応援してくださり、ありがとうございます。ファンの皆様のご期待に応えられるような俳優を目指し、これからも努力し続けたいと思います!

最後にファンミーティング、そしてドラマ「ミスター・サンシャイン」を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。

ユ・ヨンソク:日本のファンの皆さん、アンニョンハセヨ(こんにちは)。ユ・ヨンソクです。ドラマ「ミスター・サンシャイン」のク・ドンメを応援してくださり、本当にありがとうございます。今年も日本でのファンミーティング開催が決まり、皆さんにご挨拶できることになりました。毎年、定期的に皆さんとこうして直接お会いして、楽しい時間を過ごせることができ、とても嬉しく思っています。今年は、これまでよりもちょっとマシ(!?)になった日本語読解力で、皆さんのお話もたくさん聞くことができればと思っています。いつもいつも、本当に感謝しています。そして愛しています!

■イベント情報
「ユ・ヨンソクファンミーティング2018~時間旅行(たいむとらべる)~」
日時:2018年11月2日(金)17:30開場/18:00開演
場所:東京・IMAホール(東京都練馬区光が丘5-1-1)
チケット価格:11,000円(税込)
※公演後ハイタッチあり
※3歳未満入場不可
※お一人様4枚まで

<ファンクラブ会員限定特典>
ユ・ヨンソクさんとの記念撮影(団体/現像・送料別途かかります。当日ファンクラブに入会しても撮影可能)

<チケット販売情報>
主催者先行:~10月1日(月)23:59まで
プレリザーブ(ぴあ先行)期間:10月3日(水)10:00~10月11日(木)11:00

主催・企画:有限会社MENTOR/ユ・ヨンソク ジャパンオフィシャルファンクラブ
ファンクラブに関するお問い合わせ:ユ・ヨンソクジャパンオフィシャルファンクラブ事務局 TEL:03-6380-3752(平日13:00~17:00)

■関連サイト
ユ・ヨンソク ジャパンオフィシャルファンクラブ:http://www.yoo-yeonseok.com/

記者 : Kstyle編集部