ロイ・キム「辛い別れの経験?痛くない別れはない…」

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写真=STONE MUSICエンターテインメント

韓国のシンガーソングライター ロイ・キムが“秋の感性”で戻ってきた。2018年2月に配信したシングル「その時に別れればいい」が長距離恋愛カップルの心を描いた楽曲だとすれば、18日に韓国で公開された新曲「僕たち、終わりにしよう」は、秋にぴったりの寂しい別れを描いた楽曲だ。

「春 春 春(Bom Bom Bom)」「HOME」「Love Love Love」「自己注意報」「その時に別れればいい」など、発売する楽曲ごとに音楽配信チャートで好成績を記録してきたロイ・キムは今回の「僕たち、終わりにしよう」を通じて、また多くの人々の心を掴んだ。最近行われた取材でロイ・キムは、カムバックのビハインドストーリーや歌手と学生を行き来しながら活動している現在について答えてくれた。

――新曲「僕たち、終わりにしよう」について説明してください。

ロイ・キム:7ヶ月ぶりの新曲です。昨年の冬に書いた曲なのですが、編曲やレコーディング、ミックス、マスターは最近終わりました。8~9ヶ月をかけて制作した楽曲です。

――以前、発売した楽曲「その時に別れればいい」の延長線上にあるような内容の楽曲です。それを念頭に置いて制作したのですか?

ロイ・キム:全然違います。成り行きで繋がっているような感じの内容になってしまいました。今回の楽曲は最初から秋に発売しようと考えていたんです。

――この楽曲は別れの痛みについて歌っています。辛い別れの経験があるのですか?

ロイ・キム:痛くない別れはないと思いますね。

――どんな気持ちでこの曲を書きましたか?

ロイ・キム:元々、この曲のタイトルは「デミアン」でした。歌手デミアン・ライスが大好きで、彼の公演の内容の全てを覚えているくらいです。彼みたいになりたいという気持ちが、いつからか「自分は彼のようになることはできないし、真似することも良くない影響になるんだな」と思いました。だから、わざと彼の楽曲を聴かないようにしたんです。とは言いつつも、心の中ではそのアーティストに自分を知ってもらいたいという気持ちで曲を書きました。そこに別れの内容も加えました。

――ロイ・キムさんといえば、寂しい秋の感性が似合います。自身が考える“秋の感性”とは何ですか?

ロイ・キム:淡々と振り返ることができるけど、未練が残るもの? 実は僕の感性というよりは、聴く人々が秋になると感性的に変わるのだと思います。だから、秋に合わせて歌詞にもっと集中できるように歌いました。息の音1つでも人々の心を動かせると思うので、1文字1文字ずつレコーディングしたこともあります。

――ミュージックビデオで髭を生やした姿が印象的でした。

ロイ・キム:別れの痛みに苦しまれているのに、公演をしながらお金を稼がなければならないアーティストの姿を演技しなければなりませんでした。そのため髭を3日ほど生やした状態で、さらにメイクでもう少し濃くして演技をしました。ファンは“スヒョム(髭+嫌い)”と呼んで本当に嫌がっていますが、哀れな男性の姿が好きなマニア層がいると思いました。(髭を生やした姿が)実は思ったより悪くなかったので、40歳くらいになればもっと似合うかもしれないと思いました(笑)。

――涙の演技も印象的でした。

ロイ・キム:目の下に液体状の湿布を塗って、目を2分間閉じないようにしたら完璧な演技ができました。楽しかったのですが、同時にすごく難しかったので、俳優たちを尊敬するようになりました。「演技への欲はないか」とよく聞かれますが、欲というより、ただ挑戦してみたいという気持ちはあります。カッコよく撮れている自分の姿を見ると嬉しくなりますからね。

――「その時に別れればいい」は多くの長距離カップルの共感を得ています。今回の「僕たち、終わりにしよう」は、どんな人々が共感できる楽曲になっていますか?

ロイ・キム:今回の楽曲は、もっと幅広い人々に共感してもらえるように歌詞を書きました。既に相手の気持ちが冷めたことを感じて、自分から先に別れを告げ、その別れを自分のせいだと合理化するという内容です。心の中では「この人に引き止めてもらいたい」と思うけれど、実際にはどうなるか分からないという状況です。未練が残っているまま、愛を止めなければならない恋人の話を歌っています。

――「その時に別れればいい」が好成績を収めることを予想していましたか?

ロイ・キム:その曲が愛されるとは予想していませんでした。予想できるものでもありません。ただ僕が好きな楽曲だったので、次のアルバムを発売するまで間に発売したんです。だからPRもあまりしなかったのですが、好成績が得られました。どの音楽がヒットし、どの音楽はダメなのかは全く分かりません。だから、かえってもっと気が楽になったのもあります。

――音源の成績に対しては自由なほうですか?

ロイ・キム:(成績から)完全に自由なアーティストはいません。「自由だ」と口では言っていますが、そういう風に自身を思い込ませなければ期待してしまいますからね。僕もそういう人です。僕が歌った楽曲を好きになってくれたら、本当にありがたいです。しかし僕は、最も良い音を出して、最も良い音楽を作ることしかできないです。でもヒットして欲しいという気持ちは常に持っています。

記者 : チョン・ジウォン