WINNER出身ナム・テヒョンが率いるバンドSouth Clubが1年ぶりの来日公演「この曲がある限り、僕が初心を忘れることはない」

Kstyle |

WINNER出身のナム・テヒョンが結成したバンド「South Club」が初のジャパンツアーを開催! 6月21日名古屋・Electric Lady Land、23日東京・新宿LOFTのライブハウスツアーを行った。その最終日、名だたるロック系バンドがそのステージに立った老舗ライブハウス新宿LOFTでのライブを終えたばかりのナム・テヒョンに、自身が率いるバンドのこと、バンドを結成した経緯を聞いた。

【プレゼント】ナム・テヒョン率いるバンドSouth Club直筆サイン入りポラを2名様に!応募はTwitterをフォロー&ツイート

 

「日本は来るたびに幸せな気持ちになれる国」

――まず今回、日本で初めてのツアーを開催されましたが、名古屋、そして東京の昼公演までを終えての感想は?

ナム・テヒョン:僕にとって日本は来るたびに幸せな気持ちになれる国です。食べ物もおいしいし(笑)。僕にとっては友だちの家に遊びに来たような感覚になる、なじみ深い場所なので、今回のツアーもいつもどおり楽しくできました。

――South Clubはどういった経緯で結成されたんですか?

ナム・テヒョン:South Clubは1年半くらい前に僕が中心となって結成したバンドです。もともとギターのカン・コングさんとドラムのチャン・ウォニョンさんは友人同士で、前に同じバンドをやっていたのが解散してしまって、僕と一緒にバンドをやっていただくことになりました。ベースのナム・ドンヒョンは僕の実の弟です。みんな音楽をやっている人たちだから楽器の演奏はもともとうまかったけど、この1年半でかなりの数のライブをこなしてきたので、テクニック的なところはもちろん、バンドとしてもこなれてきました。

――South Clubではどういった音楽を追求していきたいですか?

ナム・テヒョン:ギターのコングさんとドラムのウォニョンさんが以前やっていたバンドではメタル系の音楽をやっていたそうなんですけど、South Clubはロックバンドではないと僕は思っていて。ロックも好きだけど、ポップソングも好きなんです。だからジャンルにとらわれず、これってバンドがやる音楽なの? って思われるような曲もどんどん作っていきたいですね。最初から何かを決めてやるっていうのはやりたくないので。音楽は自由であるべきだと思うし、ただ自分がやりたい音楽を楽しんでいきたいです。

――今日のライブを観ていると、ナム・テヒョンさんが自由に音楽を楽しんでいることが伝わってきました。お話のとおりSouth Clubの楽曲はジャンルも様々ですが、テヒョンさんはそれぞれの曲に合わせて歌い方を変えていますよね?

ナム・テヒョン:そうなんです。僕はもともと喉が弱いので、シャウトを習得するために9ヶ月くらい練習して、ようやくできるようになったんですよ。そうやっていろんなジャンルを吸収しながら、自由を満喫したいですね。

――今後、日本での活動にも期待しているのですが、もし日本で何か活動をするとしたら、どんな形で何をやってみたいですか?

ナム・テヒョン:音楽フェスに出たいです。もちろん、声をかけていただければテレビでもラジオでもライブでも何でもやりたいです。日本でやるならどんなことも楽しいと思うので。そういう機会があれば日本にもたくさん来れると思います。そのためにも日本語をもっとがんばらなきゃいけないですし、メンバーにも早く覚えさせなきゃ(笑)。

――日本のバンドでよく聴くバンド、好きな音楽はありますか? または、交流のあるバンドはいますか?

ナム・テヒョン:つい最近知っていいなと思ったのが「FOREVER」っていう曲を歌っているYkiki Beat(2016年末で活動休止)というバンドですね。メンバーみんな若いと思うんですけど、とにかく曲がカッコいい! 交流のあるバンドは特にいないです。みなさんもご存知の通り、僕は以前はアイドルでしたから、日本のバンドについてはこれから少しずつ知っていければいいなと思っています。

――今回の日本ツアーは「夏の思い出」というタイトルでしたが、楽しい思い出はできましたか?

ナム・テヒョン:もちろん! 歌舞伎町に来たのは初めてで、こんなに派手な街があるのか! と驚きました。ホテルが近かったので晩ごはんを食べに行くついでに少しだけ歌舞伎町を散歩してみたんですけど、夜でも看板がピカピカ光っていて、昼間みたいに明るいんですね。人もとんでもなく多いし。面白そうなお店も多かったですね。お店の前にロボットが飾ってあるビルがあったんですけど、外国人観光客の子どもたちがそこに乗って写真を撮ってましたよ。僕は乗らなかったけど(笑)。
 

「今はバンドのリーダー。責任感が生まれました」

――バンドを組んだことでナム・テヒョンさん自身が一番変わったなと思うところは何ですか?

ナム・テヒョン:一番変わったところは、責任感ですね。WINNERのメンバーだった時は、僕はグループの中で最年少だったので、何事も兄さんたち任せというか、特に自分で何かを言わなきゃ、やらなきゃという考え自体がなかったんですよ。でも今はバンドのリーダーですし、まとめ役でもあるので、自分が率先して動かなきゃという責任感が生まれました。その分、自由に動けるところもあるんですけどね。最初はめんどくさいというか、リーダーという役割が重く感じられることもあったけど、今ではそれが当たり前なので、むしろ心地いいです。それにメンバー全員、人がいいんですよ。だからやっていられるのかも(笑)。

――ライブを観ていても、メンバーの仲のよさが伝わってきました。

ナム・テヒョン:本当は僕、バンドをやるつもりはなかったんですよね。もともとロックとかバンド系の音楽もそんなに好きというわけでもなかったですし。僕はバラードが好きなので。それが今ではバンドを組んでこういう音楽をやっているので、人生ってわからないものですね(笑)。

――そうなんですね。音楽的な面で変わったと思うのはどんな点ですか?

ナム・テヒョン:以前は曲を作る時はひとりでやってたんですけど、今はバンドのメンバーとジャム(即興で演奏すること)りながら曲を作ることが多いです。レコーディングもパート別に録るのではなく、いわゆる一発録りといって全員で演奏したものを録音してみたり、いろいろ試していますね。そういうチャレンジは楽しいんですけど、人間の欲望って尽きないもので、こういうチャレンジがうまくいくと今度は大衆的な音楽がやりたくなったりするんですよね(笑)。でも今は焦らず、やれることからやっていこうと思ってます。

――韓国ドラマのOSTにも積極的に参加されていますが、バンドの音楽とOSTとで何か変えているところはありますか?

ナム・テヒョン:今日歌った「Real Love」(ドラマ「リッチマン」OST)と「少年少女」(ドラマ「2度目のファースト♡ラブ」(原題:20世紀少年少女)OST)、「Take Me Out」(ドラマ「ブラック」OST)はいずれも僕が作曲したものではないんです。これは僕なりのこだわりで、バンドの曲は自分たちで作るけど、OSTでは曲作りに参加しないようにしてるんですよ。なぜかというと、バンド以外の場所では歌う時にディレクションをしてほしいから。僕ではない誰かのディレクションを受けるということは、その人の考え方やものの見方を知るということでもあるので、僕自身が持っていないものをたくさん見つけることができるんですね。僕にはまだまだそういう他人の目線が必要なので、バンド以外の場所ではできるだけディレクションしてもらうようにしています。やっぱり面白いんですよ、他の人の見え方って。そういう考え方もあるのか! って毎回、新鮮な発見があります。
 

South Clubというバンドで成し遂げたい夢は…?

――South Clubの音楽は90年代をフィーチャーしたものという特徴がありますが、今後やっていきたい音楽はどんなものですか?

ナム・テヒョン:おっしゃった通り、僕たちのバンドは60年代から90年代までの古い音楽をやろうと思っているんですけど、僕はバンドでどんな音楽をやろうというのは決めてないんです。これから作る曲の中には大衆的なポップソングもあるだろうし、ダンス曲もあるだろうし、逆にものすごくバンドっぽい曲が生まれるかもしれないし、僕もこのバンドから一体どんな音楽が生まれるのか知りたいくらいです(笑)。

――ライブのMCで、韓国に帰ったらすぐ新しいアルバムの制作に入ると語っていましたよね。

ナム・テヒョン:その予定です。もともと作ってある曲もあるし、これから作る曲もあるけど。とにかく、僕にはまだレコーディングしていない持ち曲がたくさんあるんですよ! だけど、これらを今回のアルバムに入れるかどうかはわからないですね。みんなと話もしなきゃいけないし……。

――MCでは「日本語は映画を観て覚えた」という話がありましたよね。具体的にはどんな映画を観てましたか?

ナム・テヒョン:映画は日本語の勉強にはぴったりですよ。それに僕は、気に入った映画は何度も繰り返し見るタイプなので、覚えようとしなくてもいつの間にかセリフを覚えてしまうんです。それで知らず知らずのうちに日本語の単語を覚えていきました。好きな映画はMCでも言いましたが『DEATH NOTE』。それと恋愛モノも結構好きで、『いま、会いにゆきます』とか『君の膵臓を食べたい』も好きですね。それ以外では『深夜食堂』も好きです。深夜食堂は韓国ドラマにもなってて、僕も出演しています(笑)。あと『クローズZERO』も好き!

――MC関連でもうひとつ聞きたいのですが、「Hug Me」はオフィステルでひとり暮らししていた時に作った曲という話がありましたよね。

ナム・テヒョン:以前の事務所を辞めて、宿舎を出てひとり暮らしをはじめた時に感じた寂しさを込めて作った曲です。香水のにおいを嗅ぐとその時の思い出が蘇るように、僕は「Hug Me」を聴くと当時の感情が蘇ってきますね。僕にとってはすごく意味のある曲です。一番、愛着のある曲と言ってもいいですね。バンドとして初めて発表した曲でもありますし、ここからはじまったんだっていうのを意識する曲でもあります。この曲がある限り、初心を忘れることはないんじゃないかな。

――最後に、South Clubというバンドで成し遂げたい夢は何ですか?

ナム・テヒョン:僕はグラストンベリー・フェスティバル(イギリスで70年代から開催されている世界最大規模のロックフェス)にも行きたいですし、日本のサマーソニックやフジロックにも出たいです。僕たちのライブに5万人くらいが集まるようなバンドになりたいですね。東京ドームを埋められるような。がんばりますよ! がんばれば道は拓けると信じているので。どの国でも通用する、グローバルなバンドになりたいです。

ライター:尹 秀姫 / 撮影:朝岡英輔

記者 : Kstyle編集部