JYPエンターテインメントの代表、パク・ジニョンがJYPの新しいビジョンと成長背景を自ら明かし、注目を集めている。

JYPは最近、NAVERの動画配信サービス「V LIVE」とYouTubeにパク・ジニョンの特別講演映像を公開した。これは先月20日から22日まで、マッコーリー証券が主管し「2018 Macquarie Emerging Industries Summit」というタイトルでソウル三成洞（サムソンドン）COEXのオディトリアムで行われたイベントのうち、21日にパク・ジニョンがイベントのメインキーノートセッションを飾り、講演した映像を収めている。アーティストであると同時に、JYPをリードする企業家のパク・ジニョンが投資者および企業家を対象に、会社の新しい未来と成長の原動力などについて初めて演説をしたため、より意味深いと評価されている。

パク・ジニョンは「僕が会社を始めてから20年が過ぎた。昔は産業と呼ぶほどの仕事でもなかったし、音楽に対する情熱と愛情、才能のある人を助けたいという気持ちがすべてだったが、キャリアを積んでいきながら、いつのまにか会社という形を持つようになった」とし、「今はその規模が僕だけでなく、僕たちすべてを合わせたものより大きくなった。世界の子供たちに影響を及ぼすほどだ」と切り出した。

JYPのこれまでの足取り、また、ソウル江東（カンドン）区城内洞（ソンネドン）に新しく建てた新社屋の鳥瞰図と構造などが盛り込まれた映像の紹介に続き、パク・ジニョンは「僕たちは2週間以内に新社屋に移転する。単純に場所を移すだけではなく、跳躍のための機会にしようと思う」と伝え、「本日、初めてJYPが今後どのような方向に向かうか、そのビジョンを公開する。名づけて“JYP2.0”」と知らせた。

続いてパク・ジニョンは、JYPの新しいビジョンを「COMPANY IN COMPANY」「GLOBALIZATION BY LOCALIZATION」「JYP MUSIC FACTORY」「CREATIVITY FROM HAPPINES」という4つのテーマに分けて説明した。

最初のテーマである「COMPANY IN COMPANY」は、“業務の迅速、効率性”にフォーカスを合わせて試みた実験と成功事例を取り上げた。パク・ジニョンは「最初に、最も大きな変化は会社全般にわたる改編だ」と伝え、「昨年まで会社はマーケティング、PR、マネジメント、A＆Rなどすべての部署を業務によって分離していた。ところが、2015年～2016年頃、会社の規模が大きくなり、アーティストや会社の成長速度に比べ、コンテンツを制作するプロセスが迅速に行われなかった」とし、「そのため、2年前に一つ実験をした。それはアーティスト1組のためだけの担当タスクフォースチームを作ったことだった」と明かした。

続いて彼は「このチームにマーケティング、PR、マネジメント分野などをすべて保有させ、すべての業務がこのチームの中で行われるようにした。そうして誕生したチームがTWICEだ」とし、「僕の最初の実験の結果はすごかった。業務が早くなり、効率的になった。担当者とアーティストのコミュニケーションもよりスムーズに行われた。そこから出した結論は、一つの会社の中に4つの小さな会社を置くことにした。今後、JYPは4つのレーベルが合わさった一つの会社になる」と知らせた。

2つ目のテーマである「GLOBALIZATION BY LOCALIZATION」はK-POPの過去と現在、また“現地化を通じたグローバル化”という未来の展望を盛り込んでいる。パク・ジニョンは「K-POPの第1段階が韓国のコンテンツを海外に輸出することで、第2段階が海外の人材を発掘し、韓国アーティストと組み合わせることだったとしたら（その事例が、2PMにタイ系アメリカ人 ニックンの起用）、次の段階は海外で直接人材を育成およびプロデュースすることだ」と見込んだ。そして「これにあたるJYPの最初のプロジェクトが、平均年齢13歳の6人組の中国アイドルグループBoyStoryだ」と紹介した。パク・ジニョンが自らメンバー選抜のために2ヶ月間、中国の小都市のあちこちをバン一台で駆け回り、選抜されたメンバーはJYPのトレーニングを経て、最近中国QQミュージックビデオチャート1位を獲得したということも紹介した。また「全員が日本人メンバーで構成されたガールズグループも準備中だ。日本人メンバーで構成されたTWICEと見ていい。来年末か2020年上半期にデビューする予定だ」とコメントし、注目を集めた。

3つ目のテーマである「JYP MUSIC FACTORY」を通しては、大量のコンテンツを生産しながらも、高いクオリティを維持できるノウハウを伝えた。パク・ジニョンは「コンテンツを作るスピードが早くなり、より多くのコンテンツが生産されたが、クオリティが落ちる副作用が生じる可能性もあるため、これを維持する方法を見つけなくてはならなかった」とし、JYPの新社屋が答えだと説明した。新社屋には9つのダンススタジオと18のボーカル練習室、7つのプロデュースルーム、11のレコーディングルーム、2つのミキシングルームを揃えている。これについて「9つのダンスルームは、練習生を教え、育成する空間として十分で、8階に設けられたプロデュースルームには僕を含む8人のプロデューサーが同じ階でそれぞれ、または共同作業が出来るため、コンテンツの量と質の面で、最高の結果物を生み出せると期待している」と説明した。

最後のテーマである「CREATIVITY FROM HAPPINES」はクリエイティブの発現と幸せの相関関係をふまえ、JYPのスタッフ、所属芸能人たちが幸せを感じられるようにする会社の努力を強調した。パク・ジニョンは「クリエイティブ産業において、ひらめきのあるアイデアが重要だ。もしスタッフが大変で疲れていたら、いいアイデアを生み出すことが出来るか？」とし、「スタッフが出来るだけいいコンディションを維持できるようにするのが大事だ」と話した。そして「そのためには、仕事と生活のバランスが大事だ。現在、韓国で新しい法律を施行しようとしている。すべての労働者の一週間の勤務時間を52時間以下にしなければならないという法律で、JYPは2020年1月に合わせて施行する必要がある」とし、「僕たちは政府が提示した基準に満たすために、社員数をより増やす準備が出来ている。同時に効率的なシステムを構築し、社員たちが一週間に52時間より短く勤務できるようにする」と知らせた。

また、JYPのスタッフ、所属芸能人たちの健康的なライフスタイルのために新社屋最上階にオーガニック食堂、1階にオーガニックカフェを完備し、専門の心理カウンセラーを通してメンタルケアも実施していると伝えた。

観客との質疑応答の時間も続いた。その中で、自身を投資家だと紹介したある外国人は「JYPの株価が5～6年間静かだったが、2017年に飛躍的に上昇した。2017年、収入は15％増えたが、時価総額は3倍に跳ね上がった。何があったのか？」と聞き、注目を集めた。これについてパク・ジニョンは「会社が、僕なしでも運営できるようにしたかった。JYPは僕に対する依存度が急激に減った。Wonder Girls、RAIN（ピ）のヒット曲を作ったが、ふと『曲を作ることはもう止めて、システムを作る必要がある』と感じ、JYPパブリッシングを設立し、30人を超えるミュージシャンと契約し、トレーニングを行った。今は彼らが曲を作っている。TWICEのヒット曲のうち、2曲だけが僕の曲だ」と説明した。そして「作詞、作曲だけでなくマーケティング、PRなどを一つのシステムとして動けるようにしたかった。何が可能か、システム化するには何が最適なのかを知る必要があった。解決策を見つけたら、会社が成長した」と話した。

パク・ジニョンは自身のInstagramを通してもこの映像を公開し、「この20年間、JYPを作ってくれたファンの皆さん、同僚の皆さん、アーティストの皆さん、心から感謝しています。次の20年を作るビジョンを紹介します。より素敵な未来を一緒に作りましょう」と誓った。

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※日本語字幕あり