故キム・グァンソクさんの妻、映画「キム・グァンソク」の上映禁止を求めるも裁判所が棄却

OSEN |

写真=映画「キム・グァンソク」ポスター
ドキュメンタリー映画「キム・グァンソク」(監督:イ・サンホ)の上映を禁止してほしいという故キム・グァンソクさんの妻ソ・ヘスン氏による、上映禁止仮処分申請が抗告審でも棄却された。

1日、ソウル高等裁判所は故キム・グァンソクさんの妻ソ・ヘスン氏が、映画「キム・グァンソク」に対して、上映禁止仮処分申請を棄却したことに不服し、2月に抗告したことについて「当初原審の決定と同じく、映画『キム・グァンソク』を上映することに対して禁止する理由がない」と抗告を棄却した。

これに先立って、西部地方裁判所民事合意21部は原審で「キム・グァンソクさんの死因を巡って疑問が浮かび上がったこと自体は事実である、これは一般大衆の公的な関心事案だ」と前提した。

さらに「映画の内容に関する最終判断は観覧者や視聴者など大衆により、その疑惑が適される論理的妥当性と関連した公的手続きの結果などを総合し、合理的に(決定を)下すよう任すことが相当だとみられる」と上映禁止仮処分申請を棄却した。

ただし、原審はキム・グァンソクさんの他殺でソ・ヘスン氏に有力な疑いがあると断定し、ソ・ヘスン氏が娘を放置して死なせ、訴訟詐欺を行ったという断定的な表現など、誹謗する行為は中止するよう命じた。

「キム・グァンソク」を制作したイ・サンホ監督側のキム・ソンフン弁護士は、「今回高等裁判所の最終棄却により映画『キム・グァンソク』の正当性が再度確認された。ソ・ヘスン氏が提起し行っている民事刑事訴訟にも肯定的な影響を及ぼすとみられる」と述べた。

棄却されたことを聞いたイ・サンホ監督はこの日、「映画『キム・グァンソク』の仮処分結果により、被害を憂慮する映画館が少なくなく、現在上映中である『フィルムネバーダイ、ダイビング・ベルその後』の公開にも結構苦労した。ドキュメンタリー映画の公益的価値を尊重してくれた裁判所の決定に感謝する」と付け加えた。

映画「キム・グァンソク」は公開直後大きな社会的波紋を呼び、疑惑が浮かび上がっている変死者に対して、殺人罪の公訴時効を廃止しようという、いわば「キム・グァンソク法」を作ろう、という動きに繋がった。

記者 : キム・ボラ