【REPORT】映画『蝶の眠り』初日舞台挨拶に中山美穂、キム・ジェウク、チョン・ジェウン監督が登壇!音楽監督を務めた新垣隆のピアノ演奏も

KSTYLE |

自分の余命がいくばくもないことを知り、最後の作品執筆を決意する女流作家の涼子(中山美穂)と、作家志望の韓国人留学生チャネ(キム・ジェウク)の美しくも切ない出会いと別れを描いた映画『蝶の眠り』。5月12日より全国公開がスタートした本作の初日舞台挨拶に、主演の中山美穂、キム・ジェウク、チョン・ジェウン監督、そして初めて映画の音楽監督を務めた新垣隆が登壇した。

全員がステージに登場すると、客席からは自然と大きな拍手がわき、その拍手の大きさに主演を務めた中山美穂も思わずホッとした表情をこぼした。

「(大きな拍手に)ありがとうございます。うれしいですね。今日は本当に観に来てくださってありがとうございます。撮影は2年ほど前になるんですけど、そこからやっと公開になりまして、皆さんにご覧いただける日を楽しみにしていました。先ほどのあたたかい拍手を聞いて安心しました。この映画はご覧になられたとおり、本当に素敵な作品になっていますので、何回でも観てください。いろんな方に広めてください!」と、時おり声を詰まらせながら挨拶した。

中山美穂の相手役を務めたキム・ジェウクは、「韓国ではない劇場、他の国で自分の作品が公開されるというのがすごく不思議な気持ちです。特に日本は僕が子供の頃に暮らしていたことのある特別な国なので、なんとも言えない感情です」と、日本での公開に嬉しさをにじませていた。


「共演は初めてだったんですけど、初めてじゃないような…」

――中山さんは5年ぶりの映画主演、そしてキム・ジェウクさんとは初共演ですが、いかがでしたか?

中山美穂:共演は初めてだったんですけど、初めてじゃないような……。(映画の)内容が病気を扱っていたりとか、すれ違いだったりとか、悲しい要素を含んではいるんですけど、それらを静かに流れるように演出なさっていたので、できあがったものを観てから、この作品に出会えてよかったなって思いました。

――キム・ジェウクさんは“中山美穂さんは実在するのか”と思っていたことがあるそうですが、実際にお会いになっていかがでしたか?

キム・ジェウク:子どもの頃、テレビや映画で観ていた俳優さんと共演することは何度か経験していて、僕もこういう仕事を十数年やってきているので、もうあんまりドキドキしたり不思議に思ったりすることはなくなってきてたんですけど、やっぱり中山美穂さんは特別でした。特に韓国では『Love Letter』という映画は誰もが知っている作品なので、そこに出演していた中山美穂さんと僕が映画を撮るんだっていうことがなかなか実感できなくて。最初に会った時の印象は、たぶん死ぬまで忘れないと思いますね。撮影をしながらも、現場ではチャネと涼子としてのキャラクター+自分の気持ちがまざっていたと思うんですけど、終わってから映画を観たら、「俺って本当に中山美穂さんと映画を撮ったんだ」って、その時に初めて実感が湧きました(笑)。本当に光栄でした。

――最初の出会いはどうでした?

中山美穂:最初にお会いしたのは衣装合わせの時でした。パッと振り返ったら彼がいて、本当に脚本のイメージどおりだったので、ガン見したらしいです(笑)。

キム・ジェウク:その瞬間、空気が止まったみたいな感じでしたね。目が本当に大きい女優さんが僕をじーっと見ていて、その間、僕は何も言えず……。けっこう短い時間だったと思うんですよ、長くて2秒くらいだったと思うんですけど、僕にはそれがすごく長く感じられて。そのまま何も言わずじっと見つめられて、しばらくして「オッケー!」みたいな顔になって(笑)。「チャネだ!」っていう表情をしてもらえたので、よかったです。

――お2人は恋愛を超えたところで支え合うカップルだったと思うのですが、実際に2人を演出してどうでしたか?

チョン・ジェウン監督:衣装合わせの時に初めて2人が一緒の場に立ち会いました。その前にもそれぞれとは顔を合わせていたのですが、初めて2人が揃って立っている姿を見て、あまりにも化学反応がよかったので、この調和は一体誰が考え出したんだろう? と思って、自分で自分を褒めたくなりました(笑)。私がこの映画で描きたかった感情に到達することができるだろうという確信が持ててうれしくなりましたね。この作品を撮りながら、映画についていろんな話をする時間が持てたというのも、とても楽しい経験でした。


「この映画を撮りながら、もっと日本語がうまくなったと思います」

――キム・ジェウクさんの日本語がとても自然ですが、日本語の演技はどうでした?

キム・ジェウク:まず韓国語の台詞が1つしかなくて、ほぼ日本語での演技でした。しかも小説的な単語や文章が多くて、あんまり僕が普段使うような単語ではなかったので、イントネーションとか使い方とかニュアンスとかはかなり勉強しました。現場で共演者の方に教えていただいたりして。この映画を撮りながら、もっと日本語がうまくなったと思います。韓国人留学生の役だったので、韓国人が話す日本語というものを強調すべきかどうかという点は悩みましたが、監督と話して、できるだけうまい日本語で話したほうがいいんじゃないかということになりました。また日本語で演技をする機会があれば、今以上にうまい日本語がしゃべれると思います(笑)。

中山美穂:本当に日本語がお上手で、しかも心地いい喋り方をされるので、そのままで全然いいんじゃないかと思いましたけど……。(キム・ジェウクを見ながら)「庭師」が言えなかったんだよね?(笑)

キム・ジェウク:……思い出しました(照)。毎回聞いてましたね。初めて聞いた単語だったので、なかなか覚えられなくて。他にももっとあったんですけど、忘れちゃいました。

――撮影中に日本のお弁当に飽きてしまって、「こりごり」という単語がお気に入りになったという話も聞きました(笑)。

キム・ジェウク:韓国の撮影現場と違って、日本は3食全部お弁当が普通なんですね。いつも肉と魚の2種類があるんですけど、辛いものがひとつもなくて。それが辛いもの好きの僕としてはしんどくて。途中から唐辛子だけ買ってきてもらって、唐辛子をかじりながらご飯を食べていました(笑)。
 

韓国での公開が決定!「ぜひ韓国の舞台挨拶に来ていただきたい」

――新垣さんは初の長編映画の音楽監督を務められました。音楽を作る上で心がけたことは?

新垣隆:お2人の出会いから別れまでのいろいろなやりとりを音楽で気持ちを増幅するということではなく、2人の感情に寄り添うような音楽でありたいなと思って作りました。

――ここでうれしいお知らせがあります。韓国での公開が9月に決定しました!

チョン・ジェウン監督:韓国の監督としてこの映画を作って、まず日本で公開になり、その後韓国で公開されるということは今回初めての経験でした。日本での反応がよければおそらく韓国でもいい反応を得られるだろうと思うので、ぜひ皆さんよろしくお願いします。

中山美穂:20年前に『Love Letter』という作品に出ましたが、今回監督にオファーをいただいた時に『Love Letter』がとても好きだとおっしゃっていて、その流れでこの作品は生まれたので、また韓国でたくさんの方に観ていただけたらうれしいと思っています。

キム・ジェウク:僕が今ここにいるように、中山さんにもぜひ韓国の舞台挨拶に来ていただきたいですね。
 

劇中 飼い犬ととして登場したトンボがサプライズ登場!

質疑応答が終わり、フォトセッションがはじまる直前、サプライズとして劇中に涼子の飼い犬として出演しているトンボ(犬)がおめかしして登場! 劇中では涼子が必死に行方を探すトンボが会場に現れたことで、中山美穂も「どこに行ってたの、トンボ!」と声をかける一幕も。監督も「今日映画をご覧いただいた皆さんはきっとトンボはどうなったんだろうと心配していたと思うんですけど、このようにトンボは元気に暮らしています」と場内の笑いを誘った。

劇中と同じく、キム・ジェウクがしっかりトンボの手綱を握るものの、トンボはうれしいのか落ち着かないのか、しきりにステージ上をウロウロ。落ち着かせるためにおやつを食べさせようとするものの、手のひらごとがぶりと噛まれて思わず「痛い痛い!」という声があがり、客席からはよりいっそう大きな笑いが起きていた。

その後は、トンボをまじえてのフォトセッション。カメラマンからトンボへの「目線ください!」の指示が飛び、会場も大盛り上がりだった。

最後に中山美穂が「監督があちこちに仕掛けと言うか、伏線を張っている場面がたくさんあるんですよ。観れば観るほど『こういうことだったんだ!』って気づくところがたくさんあると思うので、よければもう一度観てください」と締めくくった。途中、新垣隆氏によるピアノ生演奏もあり、これには主演の2人も感激。上映が終わったばかりでまだ作品の余韻が残る中、より映画の世界が感じられる舞台挨拶だった。

ライター:尹 秀姫 / 撮影:朝岡英輔

【PHOTO】キム・ジェウク、中山美穂、チョン・ジェウン監督「蝶の眠り」公開初日舞台挨拶に登場!新垣隆の生演奏も

■公開情報
「蝶の眠り」
2018年5月12日(土)より角川シネマ新宿ほか全国ロードショー


出演:中山美穂、キム・ジェウク、石橋杏奈、勝村政信、菅田俊、眞島秀和、澁谷麻美、永瀬正敏
監督・脚本・原案:チョン・ジェウン
ストーリー・劇中小説:藤井清美
企画・製作:山上徹二郎、坂本敏明、イ・ウンギョン
プロデューサー:山上徹二郎、イ・ウンギョン、山口幸彦
製作:シグロ、キングレコード、ZOA FILMS
制作プロダクション:シグロ
配給:KADOKAWA
(C)2017 SIGLO, KING RECORDS, ZOA FILMS

「蝶の眠り」公式サイト:http://chono-nemuri.com/

■関連サイト
キム・ジェウク日本公式ファンクラブ:http://www.kimjaeuck.jp

記者 : Kstyle編集部