【REPORT】シン・スンフン、約3年ぶり日本ファンミーティング!熱唱&爆笑トークで観客を魅了…松田聖子&ドリカムの名曲も披露

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シン・スンフンといえば、1990年に「微笑みに映った君」でデビューして以来、数々の偉業を成し遂げ「国民的歌手」「バラードの皇帝」と呼ばれるシンガーソングライター。最近は新人歌手の育成にも力を注いでいる。そのスンフンが、約3年ぶりのファンミーティング「SHIN SEUNG HUN Japan Fanmeeting<Huny's Cafe 2018>」を3月24日に大阪で、25日に東京で開催。ファンと熱いひとときを過ごした。品川インターシティホールで行われた東京公演の模様を紹介する。

開演前のロビーはファンの熱気で華やいでいた。定刻の17時半、胸元がキラキラと輝くジャケット姿でシン・スンフンが登場すると、待ちかねたファンから歓声が上がる。が、歌とわかると瞬時にしてじっくりと聴く態勢に。オープニングは「君だけのための愛」。続いて「Love of Iris」。純度の高い声、といったらいいのだろうか、透き通った、それでいて温もりも感じさせるハイトーンボイス。期待を裏切らない歌のうまさに、興奮した客席から早くも“シン・スンフン”コールが起こる。

「こんばんは、シン・スンフンです。お久しぶりです。お元気ですか?」と日本語で話し始めたスンフン。だが途中から「僕のたどたどしい日本語で大事な時間を無駄にするのがもったいないので……」と韓国語に切り替える。スンフンの日本語が聞けないことを残念がらないファンには「少し傷ついただけです」と言って笑わせる。

「僕が最初に日本に来たときは、皆さんとは歌手とお客さんの関係でしたが、いまではもう友達みたい。気楽に進めてもいいですか?」とリラックスした様子のスンフン。「遠くから来た人は?」と客席に呼びかけると熊本、札幌などに交じってロサンジェルスという声が。「きっと出張のついででしょう。えっ、本当に僕のために? ありがとうございます。あの方は間違いない、お金持ちです。親しくなりましょう」。場内は大爆笑。軽妙なトークは止まらない。「僕が緊張するお客さんは、まずは初めて来た方。しかも自分の意志とは関係なしに、誰かに連れてこられた方。そして一番恐れるのは、前日の公演にも来てくださった方。そう、いま僕の目の前にいる方々です。怖いです。なぜなら同じコメントができないからです。その方たちのせいで衣装も2着必要になります」。そこらへんの芸人よりも面白い。

2月28日にデビューして1万日を迎えたというスンフン。「日本デビューからは四千日くらいです。これから日本でも五千日、一万日と重ねていきたいです」。また、最近は19歳の新人歌手ロッシーのプロデュースに力を注いでいることにも触れ、彼女のおかげで自分の作る音楽の幅が広がった、お披露目の日までもうしばらくお待ちください、とファンに報告した。
そして「今日は僕のことをもっと知ってもらって、いい思い出にもなりますように」という願いを込めて日本語で歌い始めたのは松田聖子の名曲「Sweet Memories」。続いて「愛はこうしてやってくる」。さすが“バラードの皇帝”。うまいなんてものじゃない。「この曲はお酒を飲みながら作ったので、僕にとってはキーが高すぎるんです。でも、今日は出せてましたね」とご満悦。

ここでK-POPスターのイベントのMCとしてもおなじみのDJ古家正亨が、スンフンの好物だという、庶民的なスティックコーヒーが入ったカップを携えて登場。10数年前にインタビューで知り合い、いまも親しくしているという2人。共通点はメガネ男子ということで、古家がプレゼントに持参したのは、スプレー式のメガネのシャンプー。「シャンプーだけ? リンスは?」と返したあと、中身を噴射して「匂いがいい、香水のかわりに使おう」と冗談を言うスンフン。いつもはMCする側だが、今回はスンフンに招かれて、楽しむつもりで来た古家も、お腹を抱えて大爆笑。

そんな2人の前に、ファンからのお願いごとやメッセージが貼られた掲示板が登場。目についたポストイットを次々と剥がして読みあげていく2人。ところが、なかにはわざとルールを無視して精力剤や本物の1000円札を張り付けたつわものも(笑)! お札の送り主の名前が「〇〇姫」だと知ったスンフン。「あなたは王族ですか? 僕は皇帝です。王族なのに1000円しかくれないの?」と文句をいいながら、無造作にお札をズボンのポケットにしまう、そのしれっとした仕草に、またまた場内大爆笑。「インスタの記事は文章も写真も自分でやっていますか?」という質問には「僕でなければいったい誰が? 今日も六本木でカレーを食べたことをアップしました。今日も行きます、この1000円札で」。

次の質問は「いま貯金はどのくらいあるのですか? ビルは何個持ってますか?」スンフンの答えは「僕は車を買い替えたりしないタイプなので、もうそこそこ貯まったかと思います(笑)。ただ、僕はこの28年間でCMのオファーが200ありましたが、全部断ってきました。自分は音楽をやる人間なので自粛したんです。ですがいま後悔しています。やってもよかったかと」。次の瞬間、メガネのシャンプーを手に取ってニカッと笑い「やっぱり!」と言ってポーズするスンフンに、場内またまた大爆笑! スンフンもお客さんも、大人のジョークがわかる粋な人たちばかり。お金に関するユーモアが下品にならず、むしろ余裕さえ感じさせるのが面白い。
日本にはコンサートのMCだけを集めたCDが発売されている人気歌手がいるが、スンフンもいけるかもしれない(笑)。

このコーナーでリクエストにこたえて歌ったのは、肩の調子が悪いというファンのためにギターを爪弾きながら歌ったヒーリングソング、ドリカムの「LOVE LOVE LOVE」、自分のお母さんに頼まれて作ったという演歌調の曲「クレッチョ」など。なかでも一番盛り上がったのは「Hey Girl」。スンフンが歌いながら「Hey Girl!」と客席を指さすと、さされたファンはまるで感電したみたいに「ワーッ」と反応する、そんなお約束つきの楽曲だ。客席のテンションがとにかく高かった。「これは僕が93年に発表した曲ですが、当時中高生だった僕のファンは、いまでも自分のことを少女だと思っているんです。だから皆さんも恥ずかしがることなく、自然にやってください」
さらに、明日が引っ越しだという古家からのリクエストで「HOME」を韓国語で歌いあげたスンフン。次はボサノバ調にアレンジされた「I Believe」。映画「猟奇的な彼女」の主題歌で、スンフンの代表曲だ。サビの部分になると、ファンに惜しげもなくマイクを向けて歌わせる。韓国語の歌詞を大合唱するファン。会場が幸せな一体感に満ちていく。

「僕には日本に来るようになってから、2つの願いごとがありました。僕がマイクを向けたら皆さんが一緒に歌ってくれること。それはいまもう叶ったようです。もうひとつは、僕が振り付けを教えなくても、皆さんがすぐに踊れることです。いままでは教える僕がリクリエーションの講師みたいでしたから(笑)。じゃ、いってみよう!」というスンフンの言葉で、いっせいに立ち上がるファン。ここから「ロミオ&ジュリエット」「オンマヤ」「初めてのその感じのように」の3曲をメドレーで。手を掲げたり、ぐるぐる回したり、ジャンプしたり。楽しい振り付けを、ステージ上のスンフンが軽快なダンスで盛り上げる。一体感半端なし! 最後に何かを探す素振りで洋服のあちらこちらをまさぐっていたスンフン。ここにあったのか、という仕草で内ポケットから指ハートを出して、満面の笑みで締め(笑)。

「もう、ここが日本なのか韓国なのかわからないくらい、皆さんよく踊ってくださいましたね」とニコニコのスンフン。「客席で歌うときも韓国の方はこんなふうに歌うんですよ」と言って女性通訳さんに歌わせたスンフン。「でも日本の方はこんなふうなんです」と柔らかみのある歌い方のマネをしてみせる。本当にファンのことをよく見ている。「同じようで少し違いますね。10数年前、日本にコンサートに来たときは、とても緊張しました。以前は日本に来るときは、仕事で行くんだな、という感じでした。いまは日本にいる皆さんに会いにくる感じです。なので日本に来る前はすごくときめきますし、別れの時間になるとすごく寂しくなるんです。もうお分かりですね。そろそろお別れの時間です。もちろん、アンコールになったらすぐに出てきます(笑)。できることなら皆さんを打ち上げに誘いたいんですが、それは難しいので……(笑)。僕の気持ちを感じてもらえましたか?」

そして最後は「今日は友達のような皆さんに直接お会いできて幸せな気持ちになりました。皆さんの友達、シン・スンフンでした、ありがとうございました」と締めくくったスンフン。バラードの名曲「僕より少し高い所に君がいるだけ」を日本語で歌ったあとは、オフコースの「さよなら」を、まるで自分の曲のような完成度で熱唱。客席から自然に沸き起こるアンコールの声。白シャツ姿で再登場したスンフンは「My Melody」を歌い上げ、最後に名残惜しそうにファンと一緒に記念撮影をした。

ファンミーティングでありながら、今回12曲も歌ってくれたシン・スンフン。若き日のスンフンは、小さなライブカフェでお客さんのリクエストを受けながら歌を磨き、そのうまさが評判を呼んで成功への道が開けたという。ギターの弾き語り、即興の歌、何がきてもいいように用意された分厚い楽譜の束、観客との絶妙なコミュニケーション、ユーモア満載のMC……。今回のファンミーティングには、ある意味、そんなシン・スンフンの原点が盛り込まれているかのようだった。ファンミーティングのタイトルは「Huny's Cafe 2018」。これからもこのような素敵なカフェを日本で、定期的にオープンしてもらいたい。シン・スンフン。韓国を代表するシンガーソングライターの実力に笑いころげながらひれ伏すような、楽しくて幸せな2時間だった。

ライター:望月美寿

【公演概要】
SHIN SEUNG HUN Japan Fanmeeting<Huny's Cafe 2018>
日時:2018年3月25日(日) 16:30開場 / 17:30開演
会場:品川インターシティホール

【セットリスト】
01. 君だけのための愛
02. Love Of Iris
03. Sweet Memories
04. 愛はこうしてやってくる
05. HOME
06. I Believe
07. メドレー<ロミオ&ジュリエット / オンマヤ / 初めてのその感じのように>
08. 僕より少し高い所に君がいるだけ
09. さよなら
10. My Melody

記者 : Kstyle編集部