【REPORT】これぞプレミアム!「BEST CONCERT OF 2018」LEE HI(イ・ハイ)圧巻の歌唱力にフロアは感動の渦

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BIGBANG等が所属するYG ENTERTAINMENTから、女性シンガーのLEE HI(イ・ハイ)が日本での活動をスタート。1月27、28日の二日間にわたり、「LEE HI 1st JAPAN TOUR 2018」を開催した。では、初日、“カルッツかわさき”で行われた神奈川公演の模様をレポート!


SHINeeジョンヒョン作の名曲で幕開け

会場となった“カルッツかわさき”は約2000人収容の、本格的クラシックにも対応するコンサートホール。LEE HIの歌声がぴたりハマるホールだった。彼女はイ・ジュンギ主演のドラマ「月の恋人」OSTに参加したこともあり、客席は韓流ドラマファンの姿も多数。性別を問わぬ幅広い年齢のファンで満席となった。

コンサートは開演時間の18時ちょうどにスタートし、生バンド・セット。SHINeeのジョンヒョンが作詞・作曲を手がけた名曲「BREATHE」を名刺代わりに歌い、オープニングから出し惜しみなし。鍵盤のイントロだけで客席から大きな歓声が起こり、ファンがいかに彼女を、そしてこの曲を待っていたかが分かる。

エレガントに光るシャンデリアの下、スポットライトを浴びながらスッと立ち、左手を胸に当て熱唱するLEE HI。最後の「本当にお疲れ様」と言う歌詞には思わず涙しそうになった。

そんな感動のオープニング曲を終えると、今度は滑らかな日本語でファンを驚かす番だ。左手を振りながら「皆さん、こんばんは」と挨拶した後、彼女は今日への思いをこう話した。
「最近、天気が本当に寒いですね。でも私は皆さんといるので、温かいです。日本での初ライブにこんなに沢山の方に来ていただいて、本当に不思議な気持ちです。皆さんに会えて、とても嬉しいです。今日は皆さんと楽しい時間を過ごしたくて、いろんな曲を準備しました。一緒に楽しんでください!」

続いたのは2013年発表のデビュー・アルバムから「個人的に好きな曲で、ライブで是非歌いたかった」と明かす2曲。ゆったりとした演奏から始まる「FOOL FOR LOVE」では彼女のリードで客席が大きく揺れ、女性の未練心を歌う「SPECIAL」はBLACKPINKのJENNIE(ジェニー)が客演するラップパートをLEE HIが演じ、二刀流でも驚かす。

1曲を終えることに客席からは丁寧で温かい拍手が起こり、そんなファンに向け、彼女は知己と話すように語り掛ける。
「そろそろ1月も終わりますが、皆さんは新年の計画を立てましたか? この間、日本語の勉強をしていたら、テキストにダイエットの話があって、思わず共感してしまいました。(この気持ち)分かりますよね? 皆さんも新年に立てた目標があれば、全部叶えられるように、一緒に頑張りましょう!」

ファンと会話するようなトークで和ませた後は、2016年リリースのアルバム『SEOULITE』から。EPIK HIGHのメンバー、TABLOがラップで参加する「UP ALL NIGHT」は離れている男女が互いを思い、一晩中、眠れぬ様を歌った曲。彼女はダイアモンドのように輝くシャンデリアの下、TABLOのパートを活かしながら、自分もラップを重ね、男女二役の大活躍。続いた「VIDEO」もLEE HIとBOBBY(from.iKON)が語りあうように展開していくR&Bチューン。曲調がアップテンポに変化すると、フロアの照明も明るくなり、彼女は手を振って、フロアを揺らしていく。そしてここでもオリジナルのラップを活かし、彼女はサポートMCのようにBOBBYのラップに合いの手を入れ、会場の空気はよりホットになった。

「UP ALL NIGHT」はTABLOがプロデュースし、「VIDEO」はDJ TUKUTZが作編曲を手がけ、二人は共にEPIK HIGHのメンバーなのだが……。
「BOBBYさんはお兄さんでしょ。でも、EPIK HIGH先輩たちは『オッパ』と呼んでましたが、お兄さんじゃなくて、おじさんじゃないかな? お兄さんかな、おじさんかな、皆さんの意見は? でも、EPIK HIGH先輩もBOBBYさんも仲がいいし、私が好きな人たちです」とトークも絶好調だ。

EPIK HIGHプロデュースの曲を続けた後は、雰囲気をちょっと変えて「ROSE」を。原曲は疾走感のあるハウス調だが、ここではギターの伴奏でアコースティックに歌い、舞台もバラ色に。客席からは「LEE HI(イ・ハイ)」コールも起き、彼女が「run away」と歌えば、フロアも「run away」とレスポンス。次第にファンの「LEE HI(イ・ハイ)」コールも大きくなり、最後は彼女が「皆さん」と呼び、ファンは「every rose has its thorn」と声を揃えた。そして終わってしまった恋の相手を思う「MISSING U」を切なく、かつ、熱く歌い、客席をジーンとさせていた。


カッティングエッジなヒップホップチューンも!

「次の曲も違う雰囲気で行ってみたいと思います」と話して披露した「X」は先鋭的なプロデューサー、Code Kunstの曲に彼女が客演ボーカリストとして参加したもの。心地よい緊張感を放つエレクトロニカ・タッチのヒップホップチューンは激ヤバで、彼女は体全体を上下させながらラップするように歌う。客席もヒップホップ調に上下に揺れ、尖がり度マックスなこの曲をコンサートの中盤にもってくるのが格好いい!

そしてアメリカの女性シンガーソングライターKehlaniの「GANGSTA」をショートバージョンで演じた後は、流れるように、「X」と同じくCode Kunstプロデュースの「FXXK WIT US」へ。ここでの客演ラッパーは韓国でギャングスタ・ラップの第一人者と呼ばれるDOK2。Kehlaniの「GANGSTA」から、DOK2のギャングスタ・ラップへと言う展開も計算されたものか。

LEE HIはラップ&ボーカルの二刀流を全開にし、DOK2のラップにも自分のラップを重ね、会場の雰囲気はライブバンドで演じるヒップホップコンサートのよう。フロアももちろんヒップホップマナーで応え、終盤でLEE HIがフロアにマイクを向ければ、ファンも「fxxk the world, I'm your girl」とラップ! ヒップホップ色強めの中盤で彼女は前半部とは別の貌を見せたのだった。


圧倒的な歌声で日本へ、世界へ

終盤はウキウキするような曲を並べ、会場をハッピーにしていく。「最も愛された曲」と紹介されたのは「HOLD MY HAND」。「Let me hold your hand」という第一声だけで、会場は大きく沸き立ち、彼女は迫力の歌声で魅せていく。途中、ステージ上からファンと触れ合うなんてシーンもあり、「皆で!」と声をかければ、ファンは「Let me hold your hand」と大合唱。彼女が「I said 1, 2」と歌えば、ファンは「3 you」と歌い、会場の一体感がどんどん高まっていく。そしてファンキーなラブソング「MY STAR」では彼女が自ら手拍子をとって、ファンをリード。終始、ファンと一緒に盛り上がっていこう、という姿勢で会場をひっぱり、楽しさいっぱいだ。さらに「IT'S OVER」では「この一言が」と歌いながら人差し指を上げたり、手を振りながら「good-bye」と歌ったりと、体全体で詞の世界を表現。目にも耳にも嬉しいパフォーマンスで沸かせていく。

そして「OFFICIAL」では聴く者のハートを揺さぶるような歌唱を見せ、本編最後には「WORLD TOUR」をチョイス。イントロでは、LEE HIもファンも「I wanna WORLD TOUR」と声を上げ、彼女は世界に照準を合わせる。このコンサートは彼女にとっての日本進出の第一歩。つまり、幕締めはこの曲しかないのだ! WINNERのMINO(ミノ)演じるラップにも彼女がラップを重ね、沸点を超えるほどに盛り上がる客席に合わせ、ベースプレイヤーも両手を大きく叩く。そして「この飛行を止めることなんて出来ない」と歌えば、飛行機のエンジン音が流れ、彼女は両手をジェット機の翼のように広げて、フライ・アウェイ。韓国から日本へ、そして世界へ羽ばたく気持ちを込めるように歌い、鳴りやまぬ拍手に「ありがとうございました」と応えた。

アンコールは彼女の不屈のミュージシャン魂を歌いあげた「TURN IT UP」からスタートし、ファンは「HI」と彼女の名を何度もシャウト。そしてAKDONG MUSICIANのLEE SUHYUN(イ・スヒョン)とのユニット、HI SUHYUN(ハイスヒョン)名義で発表した「I AM DIFFERENT」をソロ・バージョンで演じ、凄味を秘めた豊かな声量で演じるボーカルワークで圧倒。フィナーレにはデビュー曲の「1.2.3.4」を歌い、途中、セクシーポーズもチラリ演じながら、ファンキーに魅せていく。そして終盤は下手で、上手で、全員で、と何度も「1.2.3.4」と声を合わせ、アーティストとファンとが、がっちり一つに。全てを歌い終えた彼女は客席に「ありがとう」と手を振り、ファンに心から感謝していた。
公演時間は1時間20分だが、感動と興奮はそれ以上。指ハートも愛嬌もないが、そんなのは彼女のステージには不要だ。

圧倒的な歌唱力に裏打ちされステージは迫力十二分。ファンと一つになって盛り上がりたいという彼女の願いが強く反映され、ヒップホップな舞台も会場のすべてがひとつになれた。公演中、「日本での初単独ライブでとても緊張しました。ずっと心配してたんですが、皆さんに楽しんでいただいて、私も楽しむことができました」と語っていたが、ステージに立つ彼女は緊張を微塵も感じさせることなく、貫録ある堂々のステージングでファンを楽しませたのだった。

この日のライブは、間違いなく、K-POPアーティストのライブでは2018年のベスト3にランクインすることだろう。LEE HIは日本デビューに向け、最高のスタートを切った。

ライター:きむ・たく

【公演概要】
「LEE HI 1st JAPAN TOUR 2018」
日時:2018年1月27日(土) 開場 17:00 / 開演 18:00
会場:カルッツかわさき

■リリース情報
LEE HI「Seoulite」
https://itunes.apple.com/jp/album/seoulite/1334520862 他、各音楽配信サイトより配信中。

日本デビュー・アルバム「LEE HI JAPAN DEBUT ALBUM」
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LEE HI(イ・ハイ) Official Website:http://ygex.jp/leehi/

記者 : Kstyle編集部