ユン・ヒョンミンが語る #魔女の法廷 #チョン・リョウォン #記憶に残るエピソード #視聴者

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写真=JSピクチャーズ

被害者の苦痛に共感し熱い涙を流しながらも、加害者には厳正な定規を突き付けた。正義のためなら自分の母までも法廷に立たせる勇気を持った。先月28日、韓国で放送終了したKBS 2TV「魔女の法廷」でヨ・ジヌクは、正しいことに身を投げ出す熱血検事だった。俳優ユン・ヒョンミンはヨ・ジヌクを演技するために奮闘した。配役に深く没入したために感情をコントロールできず、涙を流したりもした。相手役のチョン・リョウォン(マ・イドゥム)の華やかな熱演に痛快したりもした。ドラマを終え「人間的に少しは成長したと思う」と笑うユン・ヒョンミンに出会った。

――前作のOCN 「愛の迷宮‐トンネル‐」に続き、KBS 2TV「魔女の法廷」まで連打席ホームランですね。興行を予想していましたか?

野球選手をしていた時も、打つことができなかった連打席ホームランですね。他社のドラマが期待作として上がって来たので、僕と(チョン)リョウォンさんは視聴率を期待しないでおこうと決めたんです。ベストセラーよりロングセラーにしたいと思いました。一生懸命頑張ろうと決意したら、段々視聴率が上がって来たんです。毎朝視聴率を確認して、リョウォンさんとメールのやり取りをしながら、よく叫んだりもしましたね(笑)。実力より運がよかった気がします。

――実力が土台となったので運もついてきたのでは?

最近、青龍映画祭で助演男優賞を受賞したチン・ソンギュ先輩の感想を聞き、自分を責めるようになりました。自分がどれくらい切実に作品に取り組んでいたか、考えさせられました。2~3年ほど、休まずに演技をしてきたので慣れが生まれてしまって。チン・ソンギュ先輩の純粋な気持ちを見て、その後長く残像が残りました。なので、過去に読んだ演技理論の本をもう一度読みました。次も自分に運が来たら、その時はその運に見合う実力を備えていなければならないと思います。

――「魔女の法廷」への出演を決心したきっかけはありましたか?

「愛の迷宮‐トンネル‐」を終えてから、次期作としてラブコメディーを演技しようと思いました。そんな中「魔女の法廷」の台本を読みました。ラブコメディーへの願望を抑える台本でした。

――法廷のシーンが多かったですね。難しくなかったですか?

一度も口に出したことのない単語を、慣れた感じで発音するのが難しかったです。だけど、台詞をスラスラ暗記すれば解決することができる部分でした。それよりも台本に「準強要罪」と書いてあったら、その意味を理解して口に出したかったんです。法廷用語の意味を把握するのに時間がかかった方ですね。また、法廷のシーンでは諮問弁護士がいつも同席してくれました。演技をしながらも弁護士さんに「感情が高ぶるので、被疑者にこの位近づいて話したいのですが、大丈夫ですか?」と尋ねながら演技をしました。

――演技したヨ・ジヌクに対する愛情も深かったと思います。実際の自分とどのくらい似ていましたか?

今まで演じてきたキャラクターに比べて、自分と似た部分が多い人物でした。これまではキャラクターの性質によって、わざと声のトーンを高くしたり低くしたりしました。でも「魔女の法廷」では、自分が実際の友達と会話する時のように、丁寧に話したりもしました。普通のドラマでは男性が女性を立てたり、壁に押し倒してキスするシーンなどがありますが、個人的には嫌いな行動ですね。ジヌクはそういうことをしなくてもいい人物だったのでよかったです。

――ヨ・ジヌクは、正義の実現のために母親を法廷に立たせましたね。実際だったら可能ですか?

自分だったら辛いと思います。なので、ジヌクの感情を理解するのが辛かったです。「一生申し訳なさで苦しむより、早く罪を認めて罰を受けよう」という思いで母親を説得しました。母親に話してから、背を向けて階段で泣くシーンがありました。ジヌクの辛い心情を表したくて一生懸命泣いたのに、放送では背中だけ映されてて残念でした(笑)。

多くのエピソードを中心にストーリーが展開しました。記憶に残るエピソードはありますか?

アルムの事件です。作家さんが「医者だったジヌクが、なぜ検事になったのか」を描き出す回だというので、期待して台本を見ました。しかし、児童を対象にした性犯罪を扱っていたので、とても胸が痛みました。監督に「演技をするのに不安です。視聴者も辛いと思います」と話し、悩みを吐露したりもしました。監督と話す中で涙を流しました。その時、ドラマの方向性がはっきりと見えました。被害者の辛さを共に感じ、それを改善しようとする検事にならなければならないと決意したエピソードなので記憶に残っています。

――マ・イドゥム役のチョン・リョウォンさんと共演しましたね。現場ではどんな雰囲気でしたか?

普段からリョウォンさんが好きでした。綺麗だけど綺麗な素振りをせずに、生き生きした演技をするのを見ながら、とてもカッコいいと思っていました。実際に会ったリョウォンさんは、イドゥムと正反対でした。すごく恥ずかしがり屋ですし、口数も少なかったです。ドラマの撮影前に監督やリョウォンさんと数回会って、話をしたけれどリョウォンさんが「ヒョンミン、実は私は…」と自分の性格を告白してきたんです。それで「私はイドゥムのような女性になってみたかった」と話していました。現場で明るく演技しようと努力するリョウォンさんを見ながら、たくさん応援しました。

――年末の演技大賞での受賞に対する期待はありますか?

昔、KBS演技大賞で新人賞にノミネートされたことがあります。なので新人賞はもらえないと思います。だからと言って優秀賞をもらうには不足過ぎますね。僕は欲がありません。リョウォンさんが受賞したら痛快だと思います。放送が終了した時、プロデューサーに「授賞式には、女性児童犯罪専担部のメンバーが皆参加できたらいいですね」とも話しました。リョウォンさんが受賞する姿を見て、熱い拍手を送ってあげたいです(笑)。

記者 : ヒョン・ジミン、翻訳 : 浅野わかな