元4Minute クォン・ソヒョン「12年間ムチを打って生きてきた…これからは本当の自分を探したい」

10asia |

こみ上げる感情を我慢できずに、ずっと涙を流した。12年間のアイドル生活を終え、女優に転向した元4Minute クォン・ソヒョンは、しばし言葉に詰まった。今までの時間が走馬燈のように流れていくようだった。「思ったより早く演技することが出来て、本当に嬉しかった」と、彼女は女優として少しずつ外に出て行きたいとした。今やメンバーと一緒ではなく、一人なので責任感がより大きくなった。24歳のクォン・ソヒョンは独り立ち中だ。

――4Minute解散後はどのように過ごしていましたか?

クォン・ソヒョン:初めて一人で海外旅行にも行ってきて、レザー・クラフトという趣味もしたり、多様なことをしました。映画「私に残った愛を」の撮影もしました。

――女優転向後、初の映画ですが「私に残った愛を」はどうでしたか?

クォン・ソヒョン:「私に残った愛を」出演確定の知らせを聞いた時、本当に嬉しかったです。グループ解散後「いつ、どんな作品が出来るかな?」という漠然な思いを持っていたけれど、ラッキーな機会が早くやって来ました。この機会を借りて、頑張らないとという思いになりました。映画では、多くのことが不足していますが、未熟な部分を補完して、日々成長する女優になりたいです。

――「私に残った愛を」が必ずやりたかった理由はありますか?

クォン・ソヒョン:グループ活動の時は可愛い末っ子のイメージでした。沢山の方々が、私は明るくて愛嬌がたくさんあると思っていらっしゃるけれど、実は思慮深くて静かなタイプなんです。作品の時に主人公が明るい性格だったり末っ子役を演じれば、視聴者や観客に楽に近づけるけれど、本来の私の姿をお見せすることのできるキャラクターを演じてみたかったんです。そう悩んでいた時に「私に残った愛を」の中のタルニムに出会い、私と共通する部分が多くて欲を出しました。チン・クァンギョ監督と会議をする時にも、私とどんな部分が似ているのか、一つ一つ整理して見せました。

――思春期の高校生のキャラクターだったけれど、4Minute時代には思春期を経験しましたか?

クォン・ソヒョン:考えてみれば、中高生だった4Minuteの当時は思春期がありませんでした。“失敗しちゃいけない”“上手くやらないと”という事ばかり考えていました。むしろ20代前半の今、少し遅めな思春期が来てるみたいです。昔は与えられた通りに生きていたけど、今は自分の自我を形成していく過程と言いますか。一人で決定し、葛藤し、独り立ちするので沢山の部分でぶつかっています。最近はむしろ、母親や周りの人々に頼りたい思いが大きいです。

――上手くやらなけばいけないというプレッシャーが大きかったのではないですか?

クォン・ソヒョン:小学生の時から芸能界のお仕事を初めて「大人っぽい子だ」とよく言われていました。失敗なく上手くやらなければいけないという考えにだけ囚われていました。時が過ぎてみると、「当時何で子供らしく行動できなかったのかな?」と沢山思いました。失敗もあってこそなのに。今は視野が少し広がって、心も楽になりました。周りの人たちも、私に「表情が良くなった」ってよく言ってくれます。

――独り立ちする上で、大変なことはありませんでしたか?

クォン・ソヒョン:4Minuteの活動時に、マネージャーの皆さんからアドバイスを沢山して頂きました。マネージャーの管理の中でメンバーと一緒にいると、一人で出来ることが無くなってしまうからです。幼い頃から両親と離れて暮らしていた上に、そのようなアドバイスもしてもらっていたのもあってか、独り立ちすることは大変ではありませんでした。実はグループ活動をしていた時は、自尊心が低い方だったんです。グループとして活動していると、自分が自分らしく生きていくのではなく、他人の視線で自分を見るようになりました。自分を低く見てばかりいたけど、今は一人で活動しているからか気持ちも楽に活動できるようになりました。

――メンバーとはよく連絡を取っているんですか?

クォン・ソヒョン:仲良くやってますし、連絡もよくします。長い時間一緒に過ごしてきたので、辛いことも似ているんです。みんな独り立ち中なので、その部分について沢山話したり、何より会ったら力が湧きます。メンバー全員が一緒に、たくさん集まることは出来ないけれど、時間の合うメンバー同士で集まってお喋りしたり、旅行計画も立てています。

――どんな色の女優になりたいですか?

クォン・ソヒョン:ベージュのような女優になりたいです。目立たないけれど温かさを持っています。素朴に自分の責任をやりこなす女優になりたいです。今は、欲はあまりありません。月並みな言葉だけれど、役割には大小はないと思います。「この子があの子?」って言われるように、4Minuteの時とは確実に変わった姿をお見せしたいと思います。

――4Minuteというタグ、どのように考えていますか?

クォン・ソヒョン:4Minuteがあったから今の私があります。そのような修飾語をなくしたい訳ではありません。4Minuteだから愛されたのではないかとも思います。だけど、私の個人的な力量を見せることが出来なかったので、これから私個人の姿をお見せしたいです。4Minuteから女優クォン・ソヒョンに少しずつ近づいていきたいです。

――12年の芸能界活動、振り返ってみるとどうでしたか?

クォン・ソヒョン:生きてきた人生の半分を芸能界生活をしながら過ごしました。今考えてみると、むちを打ちながら一生懸命生きて来たなと思います(涙)。むしろ、だから今をより感謝しながら生きていけるキッカケになったとも思います。休みながら一人で旅行をしたんですが、ずっと忙しく歩き回りました。「私はどうして休みに来てまで、忙しく歩き回っているのかな?」と思ったりもして。考えてみると、今まで私がそんな生き方をして来たのだと気付きました。これからは、本当のクォン・ソヒョンを探して生きていきたいと思います。

記者 : パク・スルギ、翻訳 : 浅野わかな、写真 : チョ・ジュンウォン