ジェシカ「歳を取っても誰かの憧れの人、素敵なお姉さんになりたい」

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ジェシカは7年を駆けて来た花道を放棄し、新たな道を切り開いて既に3年目となる。成功が保証された道を放棄し、自分の意志を曲げないジェシカを残念にそうに見ていた人もいた。彼らの心配の通り、ジェシカは険しい苦難の道に直面した。しかしジェシカはたくましかった。また戻ったとしても同じ選択をするという。「一つ一つ目標にした事を成して行くとき、喜びを感じる」と言うジェシカは、ファッションブランドのチーフデザイナーとして、また歌手として、次の10年に向かって歩いている。

――今年8月、デビュー10周年を迎えた。

ジェシカ:時間がもう10年も経った。“10周年”とは本当に意味のある単語だと思う。今年初めから4~5ヶ月、記念アルバムを準備した。長い間、私を支持してくれたファンが持っておきたいアルバムを作るために努力し、8月に発売した。

――10周年記念コンサートも行った。1,000人のファンと特別な時間を過ごしていたね?

ジェシカ:韓国では初めて単独コンサートを開いた。思ったより反応が熱くて嬉しかった。ファンと一緒に幸せな時間を過ごした。

――10年支えてくれたファンの特徴とは?

ジェシカ:眼差しだけで心を読むことができる。小学校の時の友達に久しぶりに会うような感じ。久しぶりに会うのに、ちょっとだけ話しても、まるで昨日会ったかのような親近感がある。

――デビュー10年になっても、未だにやってみたことのない事とは?

ジェシカ:やった事ない事はたくさんある。ラジオのDJもしてみたいし、韓国では映画の撮影をやった事がない。また、私は衣類、アクセサリーなど様々なブランドを立ち上げたものの、まだ靴はやってない。チャンスがあれば靴の方でもビジネスを進めたい。

――10周年アルバムを出したことをめぐり、偏見する人もいた。音源チャート的に成功か否かの裁断を仰ぐ人もいたし。このような否定的な意見は神経を使わない?

ジェシカ:音源の成績は気にしない訳にはいかないが、最近の音源チャートは多様なジャンルの歌が愛され、これだと思いきや違っていたり(笑) この前の10周年記念アルバムは、私のデビュー10周年を祝うアルバムで、音源成績が上位であって欲しいとは思っていなかった。良くない話をいちいち気にしたら心を痛めてしまう。否定的な言葉は見ない、言わないでいようと心がける。10年芸能活動をしながら、心もかなり強くなった。簡単に傷ついたりしない。

――自分にとって音楽とはどんな存在?

ジェシカ:少女時代を離れた後ブランドを設立し、私は音楽をしないだろうと予想した人も多かった。だけど私は歌う時が最も気が楽。満足のいく曲が出た時は喜びを感じ、ステージの上に立った時は幸せを感じる。様々な活動をやりたい気持ちが大きいので、歌手だけでなく演技もして、ビジネスもするが、わたしの中心は音楽だ。私は音楽をする時が一番幸せ。

――アルバム作業する際、最も辛い部分とは?

ジェシカ:音楽はいつも楽しいが、その中でややこしい作業は作詞だ。10周年アルバムも大変だったが、それでも満足したのは作詞だった。良い歌詞を書いたわけではなく、普段照れくさくて言えなかった言葉を、ファンに伝える歌に込められたから。

――歌詞は主にどこで書くの?

ジェシカ:飛行機の中で書くことが多い。アメリカや他の国によく行くので、時間もあまりないし、私にとって飛行機は安らぎの場所(笑) ご飯もくれるし、映画も見れるし、音楽も聞けるし、本も読める。私について悩める空間だ。

――ジェシカがファッションブランドを運営しているのは知っているが、何をしているのか知らない人が大半だ。会社ではどのような役割をしているのか説明して欲しい。

ジェシカ:なんと言っても、ブランドの中心は私(笑) 私が追求する事、私が望むスタイルが商品化され、私はブランドのイメージメイキングをしている。幸いなことに、サポートしてくれる仲間もとても多くて、入念に全部チェックしている。会議もたくさんする。それからニューヨークに支社があって、よく出張に行ってるし。

――ニューヨーク支店に行けば、ジェシカの事を知ってる人は多い?

ジェシカ:ソーホー通りに店を開いた。そこに来るお客様は私が誰だか知らない。彼らは、私よりも私たちが作った製品に集中する。私たちの店の近くにヴィンテージショップが一つあって、私はそこの製品が好きなの。よく行くので、そこの店長は私が何をやってる人なのか気になっていた。だから近くに店をオープンさせ、今度おいでって言ったら、既に私たちの店で服を二着も買ったんだって言っていた。私の好きなお店の店長が、私の店のお客様になってるから、妙な気持ちだった。ぞんざいに仕事をしてはいけないなと刺激を受けた。

――情熱的に働ける原動力はどこから?

ジェシカ:最近は一つの仕事だけをする人はいないと思う。私もやってる事が多そうに見えるが、何かをする時は一気に集中するタイプ。“集中スイッチ”がパッとついてパッと消える。スタッフとの息が良いおかげ。このように仕事をしながら、漠然と夢見ていた事を一つずつ叶える喜びを感じている。

――歌手、女優、実業家など様々な仕事をしているが“歌手ジェシカ”と呼ばれるのが一番いい?

ジェシカ:状況に応じて異なる服を着るのが楽しい。一つのイメージに固定されていない、私に与えられた全ての事を上手にこなす“万能”ジェシカになりたい。

――10年なら山河も一度は変わる歳月だ。スランプもあっただろうに。

ジェシカ:デビュー4~5年目は悩みが多かった。最初は何も分からない状態で、辛いとも分からず一生懸命走っていた。だがデビューして4年が過ぎると、考え事が多くなった。忙しいのもあって、あれこれと活動が重なり、心と体の両方が疲れてしまった。

――どうやって克服したの?

ジェシカ:スランプを克服する余裕を与えなければ、克服できるようになる。嫌でも、憂鬱でも、とにかく私は芸能人として私がやるべき事を続けなければならない。当時は大変だったけれど黙々と自分の仕事をし、そうするうちにスランプはいつの間にか過ぎていった(笑) その後もスランプが来たら仕事に集中することで克服していった。

――ジェシカと言えば最初に浮かぶニックネームは“氷姫”だ。この他のニックネームは?

ジェシカ:私は“氷姫”というニックネームも好きだった。ちゃっかり屋で優しそうに見えない人に魅力を感じている。“私何もわかんな~い”という表情を作っているより、気軽に近付けない人として見えるのも悪くない。

――今年韓国の年齢で29歳だ。女性は30を控えると考え事が多くなると言う。

ジェシカ:私もよく聞いた話だ。でも私は30代になると言ってソワソワしない。30代になったらもっと良い事が起こりそう。20代で十分忙しく、激しく過ごしたから(笑)

――今後10年はどう暮らしたい?

ジェシカ:今後10年は、笑う事が多い人生を過ごしたい。信じられないって言う人が多いけど、思ったより私は涙が多いほうで。過去10年、本当に一生懸命生きて、たくさん泣いた。余裕もなかった。これからは私が好きな事をして、自らを大事にして、今までにやった事ない事をしながら、もう少し素敵に暮らしたい。

――素敵な女性になりたい理由は?

ジェシカ:仲の良いお姉さんが周りにたくさんいて、彼女たちを見たら自分の事もしっかりやってるし、子どもの面倒もよく見て、何よりも自分自身を愛する方法を知っている。ファッションセンスなんて言うまでもない。私も彼女たちのように、年を取っても誰かの憧れの人になりたい。

――今はどれくらい素敵なお姉さんなの?

ジェシカ:年下からは、私の事を素晴らしいお姉さんだと思われているみたい(笑) 練習生時代まで含めて17年ほど芸能界にいたが、これまでよく歩いてきたなと思う。前だけを見て懸命に走って、最近になって視界が広くなったことも感じている。これからも、後輩アイドルの素敵なお姉さんになるため、成長するジェシカにならなければならないと思っている。

記者 : ユン・ジュンピル、翻訳 : 前田康代、写真 : オ・セホ作家、場所 : ダンケスタジオ