放送開始「アルゴン」キム・ジュヒョク&チョン・ウヒ、スピーディーな展開と意外な相性で“関心集中”

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=tvN「アルゴン」
一言もしゃべらず流れる画面で、キム・ジュヒョクとチョン・ウヒの表情は幾度と変化した。昨日(4日) 韓国で初放送されたtvNの新月火ドラマ「アルゴン」(脚本:チョン・ヨンシン、チュ・ウォンギュ、シン・ハウン、演出:イ・ユンジョン) で、口をつむったまま微かに震える表情だけでも、2人の俳優は全てを語った。

キム・ジュヒョクが演じたキム・ベクジンは、放送局HBCの時事報道番組「アルゴン」のチーム長で、記者兼アンカーだ。正直な報道こそが一番だと思っており“ファクト第一主義”を叫ぶが、曲がらない彼の頑固さのせいで「アルゴン」は改正される屈辱を経る。

キム・ベクジンの竹を割ったような性格は、彼に向かった外圧も大きくした。キム・ベクジンは、ソン宗教の不正疑惑を暴くことに成功したが、その事件の中心にあったソン宗教の牧師は、実は会社社長の甥っ子であった。彼は仕方なく言論仲裁委員会(放送メディアの言論統制委員会) の調整に伴うという理由で、自分が報道した真実を訂正しなければならなくなった。訂正報道を終えた後、キム・ベクジンは持っていたペンを握りつぶした。カメラの電源が消された後、頭を下げ何も言わないまま自分が折ったペンを眺めるキム・ジュヒョクの暗い表情には、百の言葉より葛藤する心境がよく表現された。

キム・ジュヒョクの微細な表情の変化は、速く流れて行く事件展開の中で、緩やかな笑いを与える時も引き立った。第1話が後半部に差し掛かる頃、キム・ベクジンは生放送中に急いでイ・ヨンファ(チョン・ウヒ) を呼んだ。しかし「アルゴン」の進行を任されたばかりな上、急に生放送に連れて来られたイ・ヨンファが、まともに台本を準備できるはずがなかった。イ・ヨンファはキム・ベクジンの質問に、生半可に答えてわざと微笑んで見せた。キム・ジュヒョクはこれにイラついた様子を見せながら、何とも言えない表情でチョン・ウヒを見ていたが、これは意外な所で笑いを誘った。

チョン・ウヒが演じたイ・ヨンファは、HBCから解雇された記者の欠席を埋めるため、契約特別採用に合格した“雇い兵”の記者だ。同僚や会社の無関心の中、2年契約をほぼ満たし契約満了を控えた時点で「アルゴン」チームに配属される。しかし「アルゴン」チームのメンバーも冷たいのは同じだった。

映画「サニー 永遠の仲間たち」「ハン・ゴンジュ 17歳の涙」や「哭声/コクソン」で頭角を表わし“忠武路(チュンムロ:韓国の映画界) が愛する女優”という修飾語を得たチョン・ウヒは、「アルゴン」でも期待を裏切らなかった。戦場のような報道局でも一人でいる契約記者の孤独さや、その中で熱い情熱を繊細に立体的に表現した。

イ・ヨンファは望んでいなかった契約特別採用者だと述べ、最初に対面する「アルゴン」チームメンバーに“雇いゴミ兵”といじめられた。その上、多忙なキム・ベクジンの代わりに、彼の中学生の娘の問題を解いてあげるのに学校まで訪問したが、チェ・スミン(シン・ヒョンビン) に軽蔑の眼差しを受けるだけだった。

チョン・ウヒは、醜いアヒルの子のようなもてなしを受けるイ・ヨンファを、シーンに合わせて言葉を濁したり、瞳を動かしながら上手く演出した。その姿はイ・ヨンファそのものだった。彼女は友人と電話で話したり一人でいる時、物凄い口調で孤独さを吐き出す時は、視聴者に爽快さを与えたりもした。

このように、成熟したキム・ジュヒョクとチョン・ウヒのコンビにハマってしまいそうという事だけでも「アルゴン」を視聴したくなるという理由は十分であろう。

記者 : キム・スギョン、翻訳 : 前田康代