「猟奇的な彼女」チュウォン“僕とオ・ヨンソは体でぶつかりあう仲です(笑)”

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写真提供:KNTV

現在韓国と日本(KNTV) で絶賛放送中のドラマ「猟奇的な彼女」。同名の大ヒット映画が現代版なのに対して、ドラマ版は時代劇へと生まれ変わりお茶の間に笑いを届けている。そして事前制作で撮影された本作を最後に、チュウォンは今年の5月16日に入隊。そんな彼の主演作「猟奇的な彼女」の日本初放送を記念してインタビューが到着。本作に出演した理由、役作り、事前制作方式の撮影について、さまざまな思いを余すことなく語ってくれた。

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――ドラマ「猟奇的な彼女」がチュウォンさん入隊前の最後の作品になりますが、この作品を選んだ理由を教えてください。

チュウォン:一番の理由は、ファンの皆さんです。もちろん軍隊に入る前の最後の作品なので、より慎重に考えました。いろいろ悩んだ結果、ファンの皆さんが見たい作品を優先順位に置いて考えました。時代劇を演じる僕の姿や伝統衣装など、ファンの皆さんは僕が時代劇に出演するのを望んでらしたので。時代劇もいろいろ出演オファーがあったんですが、この作品を選んだのは何よりファンの皆さんに喜んでいただけると思ったからです。それから韓国だけでなく、日本のファンの皆さんにも愛していただける作品だと思います。

――「猟奇的な彼女」といえば映画版が大ヒットしましたが、ドラマ版ならではの見どころはどこでしょうか。

チュウォン:映画版の「猟奇的な彼女」とはかなり異なると思います。ヒロインの“猟奇的な彼女”が似ていると言えますが、今作はむしろ“ロマンティック時代劇”として再構成されました。もし現代物としてそのままリメイクされていたらかなり似ていたかもしれませんが、時代劇版なので異なる部分がたくさん出てきますからご期待ください! それに映画ではなくドラマですからね。映画は長くて二時間ほどですが、ドラマは16話構成なので、より詳しく物語が描けるし、登場人物の感情もたくさんお見せできる内容となっています。コミカルな要素から緊張感溢れるシーンやアクションもあって、より豊かな世界観を描いていると思います。

――同名のドラマに出演することにプレッシャーはありませんでしたか?

チュウォン:撮影前はドラマ化されることが大きな話題になったので、少し緊張したり負担に思ったりもしました。ただ、今は完全にドラマとしてこの作品のことを考えています。「猟奇的な彼女」という映画をリメイクしたドラマではなく、ドラマ「猟奇的な彼女」なんです。全ての撮影を終えてみると、それほど負担には感じていません。

「キョヌはクールな男だけど、ある部分は間抜けなキャラクター(笑)」

写真提供:KNTV
――映画版から参考にした部分はありますか?

チュウォン:全くありません。もし参考にしていたらおかしくなっていたのではないかと思います。なぜならばキョヌのキャラクターは映画とドラマでは全く違うからです。「猟奇的な彼女」の“彼女”のキャラクターだけが少し似ていて、僕が演じるキョヌは映画版ではコミカルでしたが、ドラマではクールです。ただクールで洗練された男に見えるけど、ある部分は間抜けなキャラクターで(笑) そこも見どころですね。それに映画と違って王女を守る役なので、ドラマの中のキャラクターとして頑張りました。

――ドラマ版のキョヌはどんな人物でしょうか。

チュウォン:とてもスマートな人物で、頭の回転が早くて状況判断もすぐできるキャラクターです。そして勉強だけ優れているわけではなく、いろいろと経験値が高くて政治的な面から日常生活までとても状況判断が素早い人です。また男性主人公ということで、さまざまな分野で優れてますね(笑) 喧嘩も上手だし、誰と戦っても負けない性格。男性主人公は皆そうですが、女性主人公を愛し、守る……。ここまで誰かを守らなければならないのかと思うほど(笑) とても男前なキャラクターです。

――初めての時代劇はいかがでしたか?

チュウォン:面白かったんですが、大変な部分もありました。なぜなら微妙に言葉遣いが現代の言葉ではないので……。正統な時代劇ではありませんが、時代劇であることに変わりはないので、その言葉遣いが難しかったですね。現代言葉に偏っても時代劇の言葉に偏ってもよくないので、ちょうど良い何かが必要だったんです。そして僕の役は軸となる位置にいます。劇中、ヘミョン姫(オ・ヨンソ) とのやりとりは明るくてハツラツとしていますが、政治の部分になると重くて暗い内容も出てきます。その真ん中で僕がバランスを取るのが一番大変でした。その他はとても新鮮で面白くて、伝統衣装の美しさを改めて感じました。

――伝統衣装がよく似合ってらっしゃいました。

チュウォン:僕自身も思った以上に似合うと思いました(笑) 韓服を着た時、「なかなか似合うんじゃない?」と思いましたね(笑) デザイナーさんが韓服をとても美しく作ってくださいましたし。色もとても鮮やかで、色々な小物、アクセサリーなどにもとてもこだわって準備してくださったので、よりスタリッシュに見えたと思います。

「オ・ヨンソと僕が“かわいい2人”と思われるように工夫しました」

(C)2017 RaemongRaein Co., Ltd. All Rights Reserved Based on the Original movie (C)Sincine
――キョヌを表現するために特に気を使った部分はどこですか?

チュウォン:まずはオ・ヨンソさんとの演技の呼吸を合わせることでしたね。台本に書かれているのと生身の俳優が演じるのが類似する時もあれば、そうではない時もあるので、むしろそれを「どうすれば僕たちがよりキュートでお茶目に見えるのか」について話したり、ドラマの序盤に視聴者へ「かわいい2人だな」と感じていただけるように工夫しました。アクションも同様です。ロマンチックコメディなので、より面白くて元気な雰囲気を生かすためにたくさん話し合いました。2人のシーンがとても多かったので、その分ヨンソと仲良くなってそれがドラマにそのまま反映されていると思います。

――ヨンソさんとの相性はいかがでしたか?

チュウォン:同い年の相手役の女優さんは今回が初めてでしたが、その分早く仲良くなった気がします。同年代を生きた仲なので(笑) 例えば僕が「朝~」と歌い始めたら、ヨンソが「太陽が輝く~」と続いて歌えるくらい、同じ時代を生きた仲なんです(笑) (注:アニメ「炎の闘球児 ドッジ弾平」の韓国語バージョンの主題曲) 通じるものが多いので、クランクインから何日も経たないのに、周りからは「相性抜群だね」と言われてました。演技における2人のケミストリーはとても良かった気がします。

――ヨンソさんとのエピソードを教えてください。

チュウォン:ドラマの序盤に僕がヨンソをよくおんぶするんです。王女様がお酒をたくさんお飲みになるので(笑) 酔いつぶれて僕がおんぶするのですが、ヨンソは重いんじゃないかとずっと心配してましたね。実は韓服を着た状態でおんぶすると、滑り落ちやすいんです。それでも何とかおんぶしなければならないので、ヨンソの脚を強くつかみました(笑) おんぶした状態である程度の距離を歩かなければならないのに、ずっと滑り落ちるんですよ。だから僕は気付かないうちにヨンソの太ももをつかみすぎていたようで、家に戻って確認したらアザができたていたらしく……ヨンソには謝りました(笑) それから、ヨンソが僕を殴るシーンがあって、僕はそれを腕でとめるんですが、それで僕の腕にも大きなアザができていました(笑) 僕たちって本当に“猟奇的なカップル”だなって思いましたね(笑) 体でぶつかりあう仲です(笑)

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――ではクールなキョヌがヘミョン姫に惹かれた理由はどこにあると思いますか?

チュウォン:「いったいどこからこんな女性が」というのが第一印象だったと思います。キョヌは本当にモテモテなキャラクターなんですが、そんな彼にとって、へミョン姫はとてもユニークな女性でした。キョヌは「こんな人初めて!」と感じたんだと思います。“彼女”が持つ風変わりで新鮮な魅力と、またどこか痛みや苦しみも見えました。その痛みはヘミョン姫の過去と関係があるので、そのあたりもドラマをご覧いただければと思います。2人の出会いでも彼女の痛みが見えるシーンですし、それが無意識的にキョヌにも伝わったと思います。とても明るくてハツラツとしてる女性だけど、どこか守ってあげたくなる女性でもあるのが惹かれた理由だと思います。それに何より王女様でもありますしね(笑)

――チュウォンさんとキョヌに共通点はありますか?

チュウォン:僕は演じる時に自分の中にあるものを出して役作りをするタイプです。僕が演じるキョヌなので、たぶん僕自身と似ている部分がたくさんあると思います。僕の中にある尖った性格と、また僕の中にあるだろう天然さも取り出して演じました。

――本作で「ヨンパリ~君に愛を届けたい~」オ・ジンソク監督と2度目のタッグを組むことになりましたが、それが出演を決めるきっかけにもなったのでしょうか?

チュウォン:もちろんです。「ヨンパリ~君に愛を届けたい~」で一緒に作品を作りあげた人としての信頼がありました。これまで色々な監督と作品を作ってきましたが、オ・ジンソク監督は何があっても諦めない人だという信頼がありましたね。撮影現場を愉快な雰囲気にしてくれるし、カリスマも兼ね備えていて、現場でうまく陣頭指揮できる監督だと思います。とても明るい方なので、今回の作品とぴったりだと思いました。

――撮影現場のムードメーカーはどなたですか?

チュウォン:楽しい方々がたくさん出演されています! ヨンソもとてもさばさばしていますし、リュ・ダムさんをはじめ、愉快が方々が多いので皆がムードメーカーでした。そして監督がとても明るい方なので、大変な時にも笑って乗り越えられた気がします。監督は船長のような役割だと思いますが、スタッフも船長である監督に似ているので、とても楽しく撮影できました。

「事前制作の環境が整えば、完成度の高い作品が作られると思う」

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――今回は事前制作式で撮影をすべて終えられた状態ですがいかがですか。

チュウォン:撮影が終わって気持ちが楽になりましたが、実は事前制作が少し負担になったり、怖かったりした部分もあります。通常の撮影方法と違い、放送されるのをチェックして直したり、調整できない状況ですから。視聴者からの反応を知る術がない状態で最初から最後まで撮影しなければならないのは怖くもありましたが、途中で編集された映像を見る機会がありました。そこで監督から「大丈夫だ」「思った通りに仕上がっている」と聞き、安心して撮影に臨んだ気がします。良い結果を出せると信じて撮影しました。

――視聴者からの反応が分からないわけですが、その時はどのように力を出しましたか?

チュウォン:それは自分自身との信頼関係のようなものだと思います。通常の撮影方法でも、撮影を終えてから名残惜しいと思う事がありますが、放送されてしまえばもう取り戻せないし、その瞬間は最善を尽くしたわけですから。今回の事前制作も僕たちはその瞬間瞬間最善を尽くして撮影をしたので、自分自身への信頼で撮影することができたと思います。

――時間的に余裕が生まれることが事前制作のメリットだと思いますが、その点についてはいかがですか?

チュウォン:事前制作は、韓国ドラマ界にも早く導入される事が望ましいと思う一人です。なぜかというと、人間らしく生きられますから(笑) 毎日徹夜すると、もちろん長所も短所もありますが、スタッフを含め俳優たちも本当に大変です。ですから、なるべく早く韓国も事前制作でたくさんの作品を撮影して、そしてその制作環境が定着するといいですね。そういった意味でも「猟奇的な彼女」がうまくいけばいいですね。もしもうまくいかなくても、このドラマシステムがより活性化されることによって俳優たちにも少し余裕のある状態で、より役に集中できる環境で撮影できる気がします。大事なシーンも時間がないことを理由に諦めるのではなく、本当に重要なシーンは工夫して、俳優とスタッフとの話し合いもできて、問題点も改善して、ある程度事前制作の環境が整えば完成度の高い作品が作られると思います。

――最後に、日本の視聴者へメッセージをお願いします。

チュウォン:ドラマ版「猟奇的な彼女」は、まるでギフトセットのような作品です。ロマンチックコメディなのでかわいい部分もありますが、豪快なアクションもありますし、緊張感漂う政治争いもあり、見ごたえのある作品になっています。楽しんでご覧いただき、たくさん愛していただければと思います。ありがとうございます!

写真提供:KNTV

■放送情報
「猟奇的な彼女」(原題)
毎週(土) (日) 午後11:15~深夜0:35 ほか
※日本初放送
出演:チュウォン、オ・ヨンソ、イ・ジョンシン(CNBLUE)、キム・ユネ

■関連サイト
KNTV ドラマ情報:https://knda.tv/kntv/program/kn000714/

記者 : Kstyle編集部