映画「パパは娘」チョン・ソミンが語る#コメディ #おじさん演技 #パク・ミョンスとアドリブ対決

OSEN |

女優チョン・ソミンのコメディ演技に脂が乗った。「悪い男」(2010)モネ役でデビュー。その年、期待の新人と呼ばれ、健康的で爽やかな魅力で愛されてきた。今年の頭、好評を得たシットコム(一話完結で連続放映されるコメディドラマ) 「心の音」に続き、韓国で公開された映画「パパは娘」(監督:キム・ヒョンヒョプ) まで、コメディジャンルに活動の幅を広げた。

日本のドラマ「パパと娘の7日間」をベースにした「パパは娘」は、互いを理解できない父と娘が、ある日突然体が入れ替わって起きるエピソードを描く。ファンタジーを取り入れたが、誇張された状況よりも細かいエピソードに集中させて、生き生きとした笑いを届けている。俳優たちの繊細な演技が醍醐味である映画だが、チョン・ソミンは“おじさん”ユン・ジェムンに取り憑かれたような演技で、観客たちの笑いを誘っている。

日の目を見るまでに「パパは娘」は危機に面した。主演として出演したユン・ジェムンの飲酒運転が判明し、公開が無期限延期となったのだ。

「昔は焦りが多かったような気がします。しかし、予定されていた作品が頓挫することは日常茶飯事じゃないですか。そういう経験をすると『縁があればやるし、世の中にも出ていくだろう』と、この作品でも考えました。ダメなら自分と縁がなかったんだと考える。世の中に出るべき作品であれば出るはずであり、もっと良い時期にタイミングを合わせて出るんだろうと思いました。長い間着ていなかったコートのポケットに手を入れたら、お金が入っていたという感じです。サプライズプレゼントのように思いました」

コメディ初挑戦のチョン・ソミンの姿は「パパは娘」で公開された。「コメディには才能がないと思った」という言葉が信じられないほど、身を投げた演技への挑戦が愉快なキャラクターを作り出している。ユン・ジェムンの普段の口調を真似するために、映画「ブーメラン・ファミリー」(2013) を見ながら研究し、相手のセリフを録音して何度も聞くなど努力した。経験したことのない“おじさん”の人生を理解するために、多くの観察が必要だった。

「経験したことのない事に対する演技が、経験した時間に対する演技をするよりずっと難しかったです。同じような経験をしたキャラクターは、少なくともそれに対して理解できるじゃないですか。私の演じるドヨンの場合は女子高生だから、私と性格は違っても理解できる部分がありますが、父親の場合、私は男でもないしおじさんでもないから、その人生を生きたことがないので、やらなければならないことがたくさんありました。シナリオを読んだ時は面白そうだと思いましたが、いざ撮影が始まったら、何もかもが宿題でした」

「心の音」で爆発したコミカルな演技は、実は「パパは娘」でのこっぴどい経験のおかげだ。お笑いタレントのパク・ミョンスがMBC「無限に挑戦」のドリームプロジェクトを通して映画にカメオ出演。チョン・ソミンと共演した。状況が与えられただけで、ほとんどのセリフはアドリブだったという。

「完全に新しい言葉を作り出してやるんですよ。初めて聞く内容でやっているので、緊張しました。ジェムン先輩と私たちは、本当に大変で緊張しました。生放送のような感じでした。どこで何が出てくるか分からない。すごく集中したので、逆にシーンが良くなったように思いました。勉強になりました。本当に緊張で飛び上がりそうなシーンでした」

パク・ミョンスの特別出演は、1300万ウォン(約130万円) で落札されたもの。実際の撮影は朝方に少し行われただけだったという。その悔しさを、VIP試写会に出席することで補うことにしたというのが番組の趣旨だ。先の通り、映画でパク・ミョンスの出演はワンシーンだけだが、インパクトのある登場で現場を爆笑させたという。

「1300万ほどの価値があったかと言われると、それはもちろん『Yes』です。元々は一日終日撮影する事が条件でしたが、実際には朝少しだけ撮影して帰られたので、後で私たちの間では『スタッフとしてでも来てもらうべきじゃないか』と話しました(笑) 試写会に来てくださるそうなので、それで残りを埋めてもらうことになりました」

記者 : イ・ソダム