コン・ユ「恋愛映画に出るなら、パートナーはチョン・ドヨンさんをと願っていた」

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先日、大団円で幕を下ろしたドラマ「トッケビ」で主演を務めたコン・ユは、他のドラマで見ることができない立体的なキャラクターを、磨かれた演技力でその世界観を生き抜いた。そんな彼が映画「男と女」ではチョン・ドヨンと“大人のラブロマンス”を繰り広げる。そして韓国で上映されるやいなや、本物のカップル以上に息ピッタリの演技で多くの女性ファンの胸をときめかせた。日本ではいよいよ2月4日に封切り。本格的な恋愛映画初挑戦のコン・ユに本作について語ってもらった。

―演じられたギホン役について教えてください。

コン・ユ:私は「男と女」でキム・ギホンという役を演じました。職業は建築家で、躁うつ病を患っている妻と選択性緘黙症(せんたくせいかもくしょう/ある特定の場面や状況で話すことができなくなってしまう疾患) のために会話ができない娘を持つ父親です。家長としての責任を果たそうと努めていますが、フィンランドという遠い国でサンミンという韓国人女性に出会い、自分と同じ人間かもしれないという気持ちを抱くようになります。抜け出せないほどに苦しい愛情を感じながら、家長としての責任と逃したくない愛の間で葛藤する役です。

―この映画に出演しようと思ったきっかけは?

コン・ユ:自分でもビックリするくらい短い時間で、この作品に出演すると決めました。最近の映画界には、今回のような本格的なラブストーリーがないため、俳優としても、個人的にも、すごく残念に思っていたんです。恋愛映画に出演したいという気持ちと、もし恋愛映画に出演できるなら、先輩のチョン・ドヨンさんと共演したいと思っていました。その2つの希望を一気に叶えられるので、作品選びは難しくなかったです。シナリオもとても良かったですしね。

―恋愛映画は初めてだと思いますが、いかがでしたか。

コン・ユ:本格的な恋愛映画は初めてですが、ラブストーリーというジャンルでチョン・ドヨンさんと一緒に演技をしながら、期待していたよりもはるかに大きなエネルギーを受け取ることができました。スクリーンでしか見られなかったドヨンさんを近くで見ていると、チョン・ドヨンという女優が持つ力を改めて実感できました。演技の繊細な部分にまでこだわるドヨンさんの姿勢をたくさん見ることができたと思います。今後、また共演できる機会があるかどうかは分からないので、この貴重な機会を逃さなくてよかったですし、とても素晴らしい経験でした。

―大変だったことはありませんでしたか?

コン・ユ:チョン・ドヨンさんはずっと前から見てきた方です。そんな方と愛し合う男女を演じることになったんですが、観客の皆さんが見た時に、2人の感情に溶け込んでもらえるかが心配でした。大人の愛を描いた映画なのに、私はラブストーリーのジャンルでは経験不足です。なので、相手役の女優が誰になるかという部分では、少し心配をしていたと思います。

―俳優としてのチョン・ドヨンについて、どのように思っていますか?

コン・ユ:どのジャンルの映画でも、自分に与えられた役割以上をこなす方だと思います。特に、ラブストーリーというジャンルは共演者との呼吸がとても重要ですが、それを通り越して相手に大きなエネルギーを与えることができる方だと感じました。なので、出演を決めるのに大きな迷いがなかったんだと思います。私が経験不足だとしても、ドヨンさんを信じて頼ることができると思ったから。もしも、相手役がドヨンさんでなかったら、映画に出演するかどうかも悩んだでしょうね。

―エストニアで海外ロケをされがなら、印象に残っている場所やシーンなどはありましたか?

コン・ユ:どれか1つだけを挙げるというよりも、フィンランドとエストニアで撮影したすべてのシーンがお気に入りです。ストーリーが序盤から中盤へと進んでいくなかで、映画全体の雰囲気を表す象徴的な部分だと思います。ただ、海外ロケの前に韓国での撮影があったので、海外ロケのことを意識すると少し難しく、不安に感じることもありました。ところが、実際にフィンランドやエストニアで1シーンずつ撮ってみると、映画のトーンによく合う気候、空気感、景色だったので、撮影したカットを見て、とても満足しています。あとは、ギホンのオフィスが印象的でしたね。学生時代は、オフィスで自由にアイデアを出しながら働く自分の姿を漠然と想像をしていたりもしたので、撮影しながら新鮮な気持ちになりました。

1つの作品が終わるたび、感情がないまぜになる

―いちばん印象的なシーンやエピソードを挙げるとすると?

コン・ユ:フィンランドの撮影では、約1ヶ月の間、スタッフたちと苦楽を共にしました。やはり、慣れない土地で一緒に苦労をしたからか、全員がより団結できるきっかけになったという点で、とても良い思い出になりました。また、恋愛映画に出演しようと決めた瞬間から今まで、まったく変わらない思いがあります。「男と女」という映画が、観客の皆さんにとって、見終わったあとに締め付けられるような思いになり、客席から立ち上がるのが難しいほどの余韻が残る映画になってほしいんです。観客の皆さんだけでなく、私にとっても、そのような作品として記憶に残せたらと思っています。なので、皆さんが「男と女」という映画を思い出した時、思わず胸の片隅が苦しくなるような、そんな映画になることを願っています。

―イ・ユンギ監督と撮影してみて、いかがでしたか?

コン・ユ:監督によって、好みやカラーはさまざまですよね。これまでイ・ユンギ監督の作品を見てきて感じたことを、今回は直接体験することができて光栄でした。イ・ユンギ監督は、俳優たちを信じ、俳優たちが自由に演技できるような空間を作ってくれる方です。もちろん、悩んだり苦労したりした瞬間もありましたが、その中で俳優自らが答えを探し出せるよう、そばで見守ってくださるので、とても心強かったです。

―「男と女」の撮影を終えた感想は?

コン・ユ:いつも同じですが、1つの作品が終わると、達成感もあるような、名残惜しさもあるような気持ちになります。悔やまれる点もありますし、満足している点もあるんですが、ずっと尊敬していたチョン・ドヨンさんとの共演、挑戦したかったラブストーリーというジャンルだったので、忘れられない1本になりました。大切なことをたくさん抱かせてくれた作品だと思っています。

―日本のファンへメッセージをお願いします。

コン・ユ:日本のファンの皆さん、こんにちは。お久しぶりです。「男と女」が2月4日に日本で公開されると聞いて嬉しく思います。韓国の公開からちょうど1年ですね。この映画で、私は尊敬しているチョン・ドヨンさんと共演しました。たくさんの方に劇場でご覧頂けることを祈っています。ありがとうございます。

■作品情報
「男と女」
2017年2月4日(土) シネマート新宿ほか全国ロードショー

出演:チョン・ドヨン(「シークレット・サンシャイン」「メモリーズ 追憶の剣」)、コン・ユ(「トガニ 幼き瞳の告発」「コーヒープリンス1号店」)、パク・ビョンウン(「恋愛の温度」)、イ・ミソ(「セシボン」)
監督:イ・ユンギ(「愛してる、愛してない」)
配給:クロックワークス

<ストーリー>
フィンランドのヘルシンキ、子供たちの国際学校で出会ったサンミン(チョン・ドヨン) とギホン(コン・ユ) は、遠く離れた北のキャンプ場に2人で向かうことになる。大雪で通行止めとなり、誰もいない真っ白な森の小屋で2人は体を重ね合わせ、互いの名前も知らないまま別れる。8ヶ月後のソウル。フィンランドでのひとときを雪原が見せた夢だと思い、日常に戻ったサンミンの前に、突然ギホンが現れ、2人はどうしようもないほど熱く惹かれ恋に落ちる。

■関連サイト
公式サイト:http://www.mw-movie.com/

記者 : Kstyle編集部