「ウチに住むオトコ」キム・ヨングァン“先輩スエさんとのキスシーン、難しかったです”

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写真=俳優キム・ヨングァンは、ソウル市江南(カンナム) 区論硯洞(ノンヒョンドン) にあるカフェで行ったインタビューに先立ちポーズを取っている。

絶え間なく苦難の道を歩いた。KBS 2TV「ウチに住むオトコ」でコ・ナンギルは、愛する人を守るために彼女の新しいパパにならなければならず、不法なサラ金業者と対立した。体より痛いのは心だった。愛する人に愛していると話せなかった。そんな彼は紆余曲折の末、愛を得て幸福を求めた。

コ・ナンギルを演じた俳優のキム・ヨングァンは、感情の幅が大きいキャラクターを説得力があるように描いた。不自然に後ろに手を組んで父親ぶるかと思えば、愛する人の前では表情が緩み大型犬みたいにかわいい魅力を見せたりもした。そうしながらも危機的状況では、背筋が凍るほどの眼差しを光らせたりもした。

おかげで作品は、低調な視聴率でもキム・ヨングァンという存在を再発見した。キム・ヨングァンはこれまでの作品をもう一度見て、前よりもより良い姿を見せるために努力した。

――「ウチに住むオトコ」が放映を終えましたね、地上波初の主演作でした。

キム・ヨングァン:最終回の放送だった日の午後も撮影をしていました。撮影当初は負担が大きかったけれど、最初の撮影を気持ち良く終えられたおかげで気が楽になりました。スエ先輩がたくさんリードして助けてくれました。おそらく先輩の方が、本当に大変だったと思います。

――スエさんは演技面で助言されましたか?

キム・ヨングァン:演技というか、僕が気楽に演じられるようにと、心をほぐしてくれました。僕は先輩を見てたくさん学びました。撮影をする時は物静かなのに、現場ではとても明るいんです。台本も本当に早く覚えて、キャラクターの感情もすぐに把握する。完璧な人です。

――スエさんと何回もキスシーンがありました。

キム・ヨングァン:難しかったです。僕と同じ年頃や、僕よりも若い女優さんとキスシーンを撮るなら、僕がまず雰囲気を作って「このような形で演技をしよう」と話をしますが、スエ先輩にこちらから「僕はこのようにスキンシップをするつもりだ」とは話せませんでした(笑)。初めてのキスシーンはぎこちなくて曖昧にしました。その後は予告なしで演じました。

――愛について最高の純真な純情を見せてくれました。理解しにくい大変な部分はありましたか?

キム・ヨングァン:1人で考えていたら負担になっていたと思いますが、台本が出てくると、スエ先輩を始め多くの俳優陣と読み合わせながら話をしました。僕はキャラクターに最大限没頭して理解をしようと努めました。

写真=10asia
――今回の作品を通じて演技でもたくさん好評を受けたと思います。

キム・ヨングァン:「ウチに住むオトコ」の序盤スケジュールが映画撮影と重なっていたので、考える余裕もなかったです。ですが、上手いと言われてとても嬉しかったです。多くの方々が、懸命にしようと努めている部分をしっかり見てくれたんだなと。もっと熱心にしなければと思います。

――キム・ヨングァンさんが演じたコ・ナンギルは、感情の起伏が大きな人物でした。難しい点はありましたか?

キム・ヨングァン:コミカルな演技はかえって気が楽でした。わざわざ笑わせようと努力すれば、オーバーしてるように映るのではと思って。だけど後半部には、愛しているのに愛せない状況に置かれた人物の姿を見せなければならなかったんです。細かく感情を設定するのが難しかった。それでも、ずっとコ・ナンギルを演じ、彼に慣れてきたら、少しは自然にできたのではないでしょうか。

――キャラクターのために気を遣ったり準備した部分はありますか?

キム・ヨングァン:過去の演技のモニタリングをたくさんする方です。ある作品に入る前には、前作を必ず見ます。それが同じ失敗を繰り返さないようにする一つの方法なんです。以前の演技を見れば「僕は集中できずにいるな、あんなクセがあるんだな」と見えて来る。直そうと努める。今回の「ウチに住むオトコ」の撮影をしながらも、視線を一ヶ所に当てず、目をパチパチさせる習慣を直そうとたくさん神経を使いました。

――強烈なアクション演技も敢行しましたね。

キム・ヨングァン:アクションは面白かったです。もっとたくさんやりたかったんですが、出来なくて残念なほどでした。このように激しいアクションをしたのは初めてです。学んだ期間が短かったのですが、マ・ドンソク先輩と映画を撮影して息を合わせながら、先輩のアクションを2ヶ月程観察して準備しました。現場では監督も助けてくださいました。

――視聴率の部分は残念な結果になりました。序盤に比べて結構に落ちてしまいましたよね。その原因にロマンスが失われた点が挙がっています。

キム・ヨングァン:演じる立場としては考えが多少違いますね。現場では、人物のロマンスが早く進行しているのではないかと懸念していました。他の人物との三角、四角関係や、対立状況を十分に描かれなければならないと考えていて。視聴率に関しては非常に残念です。

――ドラマの中で頼もしいお父さん、かわいい年下男、カッコいい男の姿など、多様な魅力を見せてくれました。実際のキム・ヨングァンさんは、劇中どんな姿と最も似ていたと思いますか?

キム・ヨングァン:そうだなあ…実際でも口をとがらす方で、それが劇でも結構いい感じに出てたように感じます。僕はそう思わないのですが、現場では“愛嬌がある”と言ってくれました。

記者 : ヒョン・ジミン、翻訳 : 前田康代、写真 : イ・スンヨン