「青い海の伝説」CROSS GENE シン、近道を拒み険しい道を行く

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近道があるのに、あえて険しい道を行く人たちがいる。ボーイズグループCROSS GENEのシン(SHIN/シン・ウォンホ)と会話しながら、ふと思った。ドラマ「ビッグ ~愛は奇跡<ミラクル>~」でmiss A スジの心を揺さぶり、バラエティ「私一人で恋愛中」では女心を掴むことに成功した。しかし彼は暫しの“停止”を選んだ。準備期間を経て、SBS「青い海の伝説」でしっかりと自分の魅力を見せている。過渡期、思春期、成長期を経たシンは、一段と成長し、強くなっていた。

―SBS「青い海の伝説」に合流し、良い演技を見せている。

シン:オーディションを受けて、幸いなことに上手くいった。大きなドラマをすることになり、すごく緊張した。たくさん悩んで不安も大きかったけれど、最近になって結構それもなくなった。楽に臨もうという気持ちが大きくなった。楽しく撮影している。これからが始まりだから。デビューして数年経ったが、やっと初めの一歩を踏み出す感じだ。

―心配がなくなるというのは、そう容易いことではないが。

シン:特にきっかけがあったわけではない。メンバーと朝まで酒を飲みながら話を交わしたら、ただ気が楽になって良くなった。対話の終着点は、結局一緒に過ごして行こうということだった。そう気持ちを持ったからか、不安がなくなった。

―劇中、天才ハッカーのテホ役を演じ、イ・ミンホ、イ・ヒジュンとタッグを組む。

シン:僕は足りない部分がかなり多い。僕の前にあることだけ集中するしかない新人の立場なので、逃してしまうことが多い。2人の先輩が一緒のチームだから僕を上手く引っ張ってくれる。僕は人見知りをする方で、先輩のほうから「僕らこれからチームだぞ」と言ってくれた。心強かった。

―大作ではないか。自分でも努力する部分が多いようだが?

シン:自分の撮影がない時も現場に行くほうだ。先輩の演技を見て、学ぼうとしている。ただセリフを言うのは簡単かもしれないが、相手との呼吸によって、セリフが自分の思いとは違う表現になる。先輩は経験が豊富だから、演技する時に色んな感覚を観察している。

―シンは「ビッグ」でスジから愛されていた姿が記憶に新しい。

シン:そうだ。僕は「ビッグ」の寝坊助と記憶されている。今後テホという役で呼んでくださるとこの上なくうれしい。

―「ビッグ」の後、俳優業をするのだと思っていた。当然多くのオファーもあったと思うが。

シン:「ビッグ」に出演してから、大きな注目を浴びた。キャスティングオファーもたくさんいただいて、自分のアイデンティティを失った感じとでも言おうか。正直言って、その次に何かをするのが怖くなっていた。有り難くも、たくさん愛された。デビューしてすぐに関心を浴びたので、怖気づいたのも事実だ。あの時、もっと何かをお見せできなかったことに後悔はない。あの時の状況は、僕にとって薬になった。今、何かをもっと一生懸命やれる原動力となった時間だ。

―「ビッグ」以降の時期を何と表現したいか?

シン:成長期、過渡期、思春期? 多くのことが僕の中で行ったり来たり。その過程で人として成長した感じもする。

―「青い海の伝説」に臨む覚悟は格別だっただろう。

シン:演技の先生から、人生においてチャンスが来たとき掴める人になれと言われた。チャンスがこうしてまたやって来たこと自体に感謝している。この良いチャンスを掴めるよう、最善を尽くしている。自分自身にも恥ずかしい人になりたくない。

―アイドルであるだけに、もっと良く見せなきゃという負担はあるか?

シン:いつもそうだが、作品に参加する時にアイドルとして演技に挑戦するという考えはない。デビューもドラマ「僕らのイケメン青果店」だった。作品に精一杯集中して、楽しもうと思っている。最後には笑える人になっていると嬉しい。

―とても強い人という感じがする。

シン:メンバーがそばで落ち着かせてくれるから、気をしっかり持ってできる。

―実はストレートな物言いをするカリスマ性溢れるリーダーとして知られている。

シン:仕事のときだけそうだ。舞台の上で調整することが多いので、メンバーを一つにまとめなければならない。そうじゃない時はおしゃべりもして遊ぶ仲だ。口先だけじゃなくて、メンバー同士、本当に仲がいい。何でも一緒にやるのが好きだ。よく漢江(ハンガン)に行ってラーメンを食べて、運動もする。部屋も各自あるのに、寝る時は一緒に寝る(笑)

―CROSS GENEの音楽活動の計画はどうなっているのか。

シン:ドラマが無事に終わったら次の仕事に行けると思う。今はメンバーが各自で活動をしている。ヨンソクはミュージカル「僕らのイケメン青果店」をしているし、タクヤも日本で大きなミュージカルを準備している。キャスパーの映画(中国)も公開されたし。そうやって各自の活動を終え、6人の相乗効果がまとまって発揮されればいいなという思いで準備をしている。曲もそうで、グレードアップした姿を見せようと努めている。舞台の大きさは関係なく、5年後も同じ舞台で歌い踊っているのが僕たちの目標だ。

―韓国での活動の他にも、日本ではレギュラーラジオ番組も進行中だ。どのようにして実現できたのか?

シン:取材で韓国に来た日本のラジオディレクターの方に出演したいと言った。それから2年後、準レギュラーの形で6ヶ月ほどやった。その番組が終わって、僕の番組が始まった。

―ラジオで扱われるテーマは何か?

シン:韓国に関することをたくさん扱っている。韓国の文化を教えてあげたりもする。「韓国語カルチョジュセヨ」というコーナーがあって、韓国旅行で使えるフレーズを教えている。新曲もたくさん流している。韓国を愛してもらい、関心を持ってもらえるよう頑張っている。

―日本語がネイティブじゃないといけないと思う。デビュー前から勉強していたのか?

シン:デビューしてから日本語に接した。タクヤとライバルだった。タクヤは横で韓国語を勉強し、僕は日本語を勉強した。分からないところはお互いに教え合った。そうして語学力をつけて行った。

―記憶に残る日本のリスナーの反応はあるか?

シン:心が癒やされたという方が記憶に残っている。韓国がもっと好きになったというメッセージをもらったこともある。僕が紹介した音楽やK-POP、韓国の番組に関心を持ってくれたことも記憶に残っている。

―日本と同じくらい韓国でも精力的に活動することを期待している。

シン:呼んでさえくれれば全部やりたい。ドラマだけでなく演劇、ミュージカル、ラジオなど色んな分野に挑戦してみたい。そのために努力し続けてきたから!

記者 : チョ・ヒョンジュ、写真 : イ・スンヒョン、翻訳 : 前田康代