Vol.2 ― コン・ユ「ソン・ガンホ&イ・ビョンホン先輩の再会、刺激的だった」

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写真=Warner Bros. Korea
―キム・ジウン監督とソン・ガンホは既に4度目の呼吸だ。そこに入るプレッシャーも相当だったはずだ。

コン・ユ:最初作品の提案を受けた時はただ嬉しかった。「新感染 ファイナルエクスプレス」を撮り終えてこれから休もうと思ったとき、突然「密偵」のシナリオが僕に渡された。そこにキム・ジウン監督とソン・ガンホの名前が書かれてあった。思ってもいなかった。ソン・ガンホ先輩とは演技を一緒にしてみたかった。演技をしてみたら、「使徒」のように二人の俳優が大きな情緒を与えたりもらったりする関係であってほしいなと思っていた所「密偵」がそうだった。僕にもチャンスが来たと思えてよかった。シナリオもとても面白かったし。時代劇に入ってみたいロマンがあった。全部の条件が合ったのでやってみることにし、いざやってみたら死ぬかと思った。キム・ジウン監督とソン・ガンホ先輩との間で僕が持ちこたえられるかという思いもあり、初めからストレスを非常に受けた。

―どこで一番大きなプレッシャーを感じたか?

コン・ユ:キム・ウジン(コン・ユ) とイ・ジョンチュル(ソン・ガンホ) が初めて会うシーンを撮って、そのシーンを撮る前眠れず大変だった。ストレスが一番ひどかった。僕がここでイ・ジョンチュルを持ちこたえられなかったら、この二人の関係はテンションが落ちるはずだと考えた。キム・ジウン監督からも八色鳥のような演技を注文された状態だった。キム・ウジンがイ・ジョンチュルに押されてはならないということが、僕が越えなければならない大きな山場だった。足ががくがくした。一緒に撮影したキム・ジヨン監督が僕を慰めてくれた。映画「トガニ 幼き瞳の告発」を一緒にやったことがあって、僕の表情がよくないのを見て、「イ・ビョンホン先輩はもっとひどかった」と話してくれた。僕が感じていたプレッシャーを大スターの先輩たちも感じていたと慰めてくれた。

―その後キム・ウジンがイ・ジョンチュルにチョン・チェサン(イ・ビョンホン) を紹介するシーンでは、確実に余裕が見えた。

コン・ユ:僕が考えていた大きな峠を超えながら、少しずつキム・ウジンになることができた。そのシーンは僕の立場だから楽しむことができる。キム・ウジンがイ・ジョンチュルを冷やかす場面があったんだが、彼の反応を見ながらキム・ウジンも楽しみ、僕としてもソン・ガンホ先輩とイ・ビョンホン先輩に会えるということが刺激的だった。言葉で表現できないが二人のふざけ合いでアドリブをしている姿がかっこよく見えた。映画「グッド・バッド・ウィアード」を共にした二人は、当時のキャラクターの名前で呼んでいるのも面白かった。その姿を見る面白味があった。撮影しながらもたくさん笑い、キム・ウジンとしてもたくさんわだかまりが解けるシーンだった。

―先日行ったインタビューでソン・ガンホが怖いと言ったことがある。

コン・ユ:冗談半分で言った言葉だった。だが本当に怖い俳優だ。非常に尊敬もしているし大好きだが、僕に断続して緊張感を与える。時々お酒も飲んで甘えたりもしたいが、存在感だけでも緊張してしまう。だが今はソン・ガンホ先輩より「トッケビ」のほうが怖い。

写真=Warner Bros. Korea
―「密偵」を必ず見るべきだというメッセージがあるならば?

コン・ユ:(ためらった後) 絶対見るべきという映画はないと思う。観客の選択で自由だ。だが「密偵」を見ながらプライドを感じたのは、日本統治時代を背景にした映画は多かったが、同じ時代を描きながらも非常に異なる映画が出たということだ。そういう部分はキム・ジウン監督に感謝しているし、観客の一人として嬉しかった。キム・ジウン監督の感性や傾向が僕の趣向を射撃した部分がある。過度に情緒を強要していないので良かった。ドライだとしても淡白なトーンの映画が良い。そんな部分を考えながら見てくれると良いんじゃないかと思う。

―今年は仕事尽くめだった。どんな俳優だと評価されたいか?

コン・ユ:仕事をたくさんした。俳優を始めてこれほど忙しかった時期があったかと思うくらい、忙しい日々を送った。全力を尽くしてご苦労様という暖かな視線で見てくれると嬉しい。いつも評価される立場だが、上手くいっても行かなくても努力したんだなと見てくれると本当に嬉しい。

―広告界でも独走して登りつめている。

コン・ユ:ほかの俳優はどうやって広告を選んでいるか知らないが、映画やドラマを選ぶほどまでではないが、広告を選ぶ時もかなり悩む。短い時間の中でたくさん稼げると良いが、後悔する広告も存在する。金額が大きくても望まない広告はやらない。緻密に悩む。それは今の会社に感謝する気持ちだ。運も良かったと思う。ある広告主は、他の広告での僕のイメージが良くて一緒にしてほしいと言ってきた。反射作用が存在する。広告をたくさんやったり、金額が大きいのは次の問題だと思う。一緒に「Win-Win」(双方が上手くいくこと) できる広告を選ぼうとする方だ。

記者 : チョ・ヒョンジュ、翻訳 : 前田康代