映画「世界から猫が消えたなら」川村元気×永井聡、原作者と監督がお互いの作品を評価

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写真=富川国際ファンタスティック映画祭
原作者の川村元気氏(写真左)と永井聡監督(写真右)が「世界から猫が消えたなら」という作品について評価した。二人はそれぞれ、小説と映画を披露した。

川村元気氏と永井聡監督は7月29日、京畿道(キョンギド)富川(プチョン)市の高麗ホテルで行われたマイデイリーのインタビューで、お互いが手掛けた「世界から猫が消えたなら」の鑑賞評を明らかにした。

まず「世界から猫が消えたなら」の原作者であり、映画プロデューサーである川村元気は「永井監督が幻想と現実を行き来しながら、なめらかに表現してくれた」と話した。

彼は「死という題材を通じて、人が生きていくテーマを上手く表現してくださり、非常に満足している」と絶賛した。

写真=富川国際ファンタスティック映画祭
演出を担当した永井聡監督は、日本映画界においては新鋭監督だ。しかしCM監督としては名の知られた人物で、以前から注目していた川村元気が自らオファーした。

川村元気氏は「永井監督はCM界の天才だ。小説『世界から猫が消えたなら』はファンタジー要素が多く、映画化は大変だと思ったが、彼ならばこの難しい世界観を成立させてくれるだろうと判断した」と話した。

永井聡監督は「初めて小説を読んだ時、神秘的な話だと思った。一般的な小説と比較して、構成などがとても独特な表現だと感じた」と評した。

しかし彼はこのために演出を担当することを迷ったという。「かなり表現しづらいと思い、小説を読んだ時、映画の演出を引き受けようという気持ちにならなかった。実写化する過程については本当にすごく悩んだ」と打ち明けた。

写真=富川国際ファンタスティック映画祭
永井聡監督は悩みに悩み、完成度の高い映画を作り出した。「小説の中の文章で表現しづらい部分を映像でお見せしたかった。だから部分的に集中して変化を与えた。川村さんは快く変化を受け入れてくれた」と話した。

彼が特に精魂を込めたのは、ブラジル・イグアスの滝のシーンだ。佐藤健と宮崎あおいが旅の途中で偶然いくつかの事件に遭遇し、衝撃を苦悩するシーンだ。

永井聡監督は「原作ではこの部分は二ページ程度だ。僕は特にこの部分が印象深かった。だからこのシーンなどは、絶対に現地に行って撮影しようとこだわった。撮影当日、空中からも撮影して、すごく手をかけた。実はすごく苦労したから、ちょっと後悔したりもした」と明かし、笑いを誘った。

続いて彼は「壮大な自然の中で、人間がどれだけ小さな存在なのかを考える時間にもなった」と付け加えた。

写真=「世界から猫が消えたなら」スチールカット
また永井聡監督は、川村元気氏の原作を映画化したことについて「むしろ川村さんの方が僕より映画については経験豊富だ。存在だけで心強かった」と話した。

彼は「監督の立場をすごく尊重してくれた。どうやらこれまでプロデューサーとして、原作者などの要求をたくさん受け入れてこられたので、飽き飽きされていたようだ。この部分は変えなくてくれなどとという要求は全くなかった。むしろ、良い作品を作るためにたくさん変えて欲しいとおっしゃられた」と伝えた。

「世界から猫が消えたなら」は「第20回富川国際ファンタスティック映画祭」の「富川Choice」長編部門に出品された作品だ。脳腫瘍を告知された郵便配達員(佐藤健)が、自分そっくりの容姿の“悪魔”と取り引きをすることから繰り広げられるストーリーを描く。

写真=「世界から猫が消えたなら」スチールカット

記者 : キム・ナラ