【REPORT】CNBLUEが日本メジャーデビュー5周年を記念するアリーナツアーを開催!この想い、熊本に届け「I pray for Kumamoto!」

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祝、日本メジャーデビュー5周年! “アニバーサリー・イヤー”を迎えたロック・バンド、CNBLUEが今年初のアリーナ―ツアーを開催。「SPRING LIVE 2016 ~We're like a puzzle~」と題し、名古屋、東京、大阪の3都市で計4公演で4万人を動員した。ここでは5月27日(金) 日本武道館で行われた東京公演の模様をレポート!

開演前にはCNBLUEの所属事務所、FNCエンターテインメントの練習生NEOZからバンドチームとダンスチームがフロントアクトとして登場。フレッシュで涼しげな風を吹かせるが、二組のパフォーマンスが終われば、開演を促すアツイ拍手が武道館の空気をホットにしていく。CNBLUEの武道館公演といえば、360度が定番。これまではステージが回転する全方位対応型のパフォーマンスで沸かせたが、この日は固定されたステージを花道がぐるりと囲み、メンバーとの密な距離感がたまらないバックステージ席も設置。舞台ではなく本人たちが360度回転しながらパフォーマンスし、すべてのファンに正面から対する、という夢のようなセットで臨んだ。


「Puzzle」から幕を開けたエネルギッシュなジグソーパズル

ライブは5月11日に発売されたばかりの10thシングル「Puzzle」からスタートし、客席は青のLEDブレスットとペンライトで、鮮やかなブルーに染まる。ヨンファ(Vo, Gtr) はジャンプしながらハンドマイクを手にし、開始早々からハイテンション。ジョンヒョン(Gtr, Vo) のパートでカメラが彼を捉えると、客席の歓声も大きくなる。この日のライブは、CNBLUEとファンがひとつになって組み立てる巨大なジグソーパズル。彼らにとって初というこのウェディングソングが最初のピースだ。そして赤い照明の下、ヨンファが「Put your hands up」と煽って歌い始めた「Have a good night」は「明日は休日」という歌詞が金曜日のこの日にドンピシャだったパーティー・ロック。彼が両手を上げて軽くダンスすれば客席は大きく沸き、ジョンヒョンもモニターの上に立ち、体を揺らしながら、時おり、煽るかのように右手を掲げる。パッション溢れるこの曲の終盤ではヨンファが「I'll show you my everything」と歌いながら胸元をチラ見せし、そんなセクシーな仕草に早くもファンはメロメロ。「Everybody, Scream」とのシャウトを挟んだ「Catch Me」では、ヨンファがスクリームするかのように「Cath Me Now」と歌い、メタル・ロッカーばりの高音ボイスで館内を震わせる。序盤からロックスピリッツを全開にしていく4人、彼らの勢いは誰もがキャッチできないほどの激流だった。

3曲を歌い終えたヨンファは左手を掲げて「こんにちは」と全方位に挨拶。ミンヒョク(Dr) も後ろを振り向いてバックステージのファンに挨拶し、「今日は(僕を除く) 3人がグルグル回ることを楽しみにしてください」と期待を高める。そんな彼の言葉を受け、ジョンヒョンは「元々、ツアーのためにジムに行ったりするんですけど、今回は回ってるからジムに行かなくてもいいくらい」と笑わせ、ヨンファは「僕たちから、いい気合をもらってください」と嬉しいメッセージ。ジョンヒョンが「大きい声で一緒に歌って、一体感を作ってください」と発すれば、ステージには青の照明が灯って会場は青一色となり、バンドとファンがひとつになる準備は万端。ヨンファの「ブドーカン」とシャウトが次のセットの始まりの合図だ。まずは切なさいっぱいの「Blind Love」を披露し、続く3曲ではヨンファがキーボードを弾きながら魅せていく。

ジョンヒョンの切ない歌声が光る「Lie」は日韓ミックスのスペシャル・バージョンで。ヨンファの「I can't stop loving you, baby」という囁きから始まる「Can't Stop」は、彼の「Say!」「Hey!」というリードで客席もまた「Can't stop me now~」と声を揃え、中盤ではヨンファが立ち上がりバックステージに向けタクトを振るような仕草を演じて見せ場を作る。ジョンシン(Bass) は舞台下手まで繰り出し、会場を小さく感じるほどの一体感に包まれた武道館はまるで、約1万人のコーラス隊を従えたゴージャスな編成のバンド(バンドマスターはもちろんヨンファ!) ライブのよう。さらにスローなスウィング・ジャズ・タッチの「hold my hands」でこの一体感がますますアップ。ヨンファの楽しく跳ねるような鍵盤がリードするこの曲では彼がセクシーな表情を浮かべ、ジョンシンとジョンヒョンが立ち位置を変えるなど、見どころ満点。客席から起きる「ラ、ラ、ラ~」という歌声に、ヨンファがスキャットを重ねれば、えもいえぬ一体感に襲われる。そして彼がフロアに「One More Time」「ハンボンド(もう一度)」と声をかけると、「ラ、ラ、ラ~」はエンドレスに続く幸せなコーラスとなった。

ヨンファが「今日はもっと僕の全てを捧げます」と力強いメッセージを放った後は、ソリッドなチューンが続く。重いギターリフから幕を開ける「Where you are」はジョンヒョンがソロパートでギターテクをたっぷりと見せ、近未来感のある「Take me higher」ではダイナミズムが爆発。「ソリジロ~(騒げ~)」というメタリックな叫びからスタートした「Ryu Can Do It」はLAドジャースに在籍するリュ・ヒョンジン選手への応援歌。ヨンファは両腕を曲げて力こぶを作ってパワーを誇示し、英語のラップでミックスチャー・ロック風に攻めていく。そして最後は体を反らしながらシャウトし、その姿は若きロックのカリスマ! 疾走感のある「I'm sorry」では客席もジャンプし、またも「ソリジロ~」のシャウトに押されて、館内中がひと暴れ! ステージもフロアも汗びっしょりとなり、ヨンファは「アツい。(流れる汗で) シャワー(を浴びている) みたい。サマーソニック(のステージ) よりアツい。ヤバいですね」と話した。


ブリットロックからファンキーに展開

後半は雰囲気を変えバラードからスタート。バラードとはいえ、着席するファンなどおらず、スタンディングしながら体で聴くのがCN流の楽しみ方だ。ジョンヒョンの弾き語りからスタートする「eclipse」は彼のロマンティックな歌声が全面に出、同じく彼がメインで歌う「IRONY」はヨンファが抒情的なギタープレイで魅せる。そしてスモーク立ち込めるステージで演じた「realize」はブリット・ロックなスタイルでフロアを静かに、かつ力強く揺らす。前半のステージと打って変わったこのコーナーは心にずっしりと響くものだった。

「今日(という日) は二度と来ない。今の時間を楽しんでください」。そんなヨンファのメッセージに続いたのはバンドもメンバーもファンキーに弾けるお祭りタイムだ。6人のブラス部隊が参加し、ファンキーに繰り広げた「Wake Up」は祝祭ムードで、メンバーも全員大はしゃぎ。ミンヒョクを除く3人が互いに寄りかかるように演奏していると、態勢が崩れて、ヨンファが一番下になって寝ころびながらプレイなんて一幕も。テンションがレッドゾーンに突入した彼は「アゲポヨ」を連呼し、他のメンバーにダンスレッスン。ミンヒョクもドラムをジョンヒョンにバトンタッチし、レッスンに参加。ヨンファは盆踊り風ダンスをレクチャーしたのだが、教えた本人も恥ずかしい様子で「僕も恥ずかしいから、みんなで一緒にやってください」とお願いした。

そしてヨンファがファンキーチューン「Lady」の最後で「俺のモノ」とクールにキメた後は、ギターをスタッフに預けて、踊る準備はOK。館内もミラーボールに照らされたかのような演出で、ダンスホールな趣きに。ヨンファはマイクをクルリと一回転させ、軽めのブレイクダンスを演じてからリミッターを外してダンシング! 汗だくの爽やかな笑顔がさらにフロアをハッピーにさせ、本編最後のシティ・ポップ・チューン「YOU'RE SO FINE」もファンキーに演じ、ニッコリなピースサイン付きで幕を閉じた。

アンコールはメジャーシーンでの第一歩「In My Head」から。「Wow Fire」という雄叫びと共にステージには炎が立ち上がり、その熱さがスタンド席最後列にもダイレクトに伝わる。メンバーも「バーベキュー」(ヨンファ)、「焼き鳥になった」(ジョンヒョン) と笑うほどの熱さだったが、ヨンファは「ファイヤーより皆さんが熱い。お世辞じゃない。本気です」とファンを喜ばす。そしてアンコール2曲目はジョンシンとヨンファが「ヤバい」と太鼓判を押した「Radio」。エレクトロなパーティー・チューンをバンドスタイルで演じたかのようなこの曲は確かにヤバい。ヨンファは跳ねる鍵盤と弾けまくるダンス、そして舞台を走り回るハイテンションぶりで会場を沸かせ、フロアは両手を上げての手拍子で応える。そしてヨンファの「ブドーカン、ソリジロ~」で館内はクライマックスに! 熱量の高いバンド・パフォーマンスが客席の興奮を絶頂に導いた。

2曲を歌い終えたヨンファは「楽しいですね。暑いですね。今日はUnbelievable。U know what I'm saying?」とB-boy風に挨拶し、会場がひとつになれるWAVEを提案。が、アリーナ席、バックステージ席をすべて含むWAVEのディレクションは大変だったようで、見事終えた後のヨンファはジョンシンが「お兄さん、大丈夫?」と気遣うほどにバテバテ。でも、達成感は半端なかったようで、「今までやったWAVEの中で最高」と嬉しさを露わにした。


ファンと共に組み立てたパズルのラスト・ピースとは?

(C)Seitaro Tanaka
最後のアンコール曲を歌う前、ヨンファはこう挨拶した。
「武道館はいつも感無量です。これからもずっと、いい曲を作って、皆さんと一緒にライブを作りましょう。これからも幸せにライブでずっと歌いたいです。20年、30年、40年、50年、60年、70年先もずっと走りたいです。その時も(ライブに) 来てください。I pray for you everyone, I pray for Kumamoto。僕たちの曲を聞いて、これからもがんばってください。また、ライブで会いましょう」

そんな言葉に続いた「YOUNG FOREVER」はいつまでも若々しくあり続ける彼らのスピリットを歌ったもの。フロアの手と体は大きく左右に揺れ、最後まで4人の演奏に聞き入る。終盤、ジョンヒョンはギターを下に置き、目を閉じながら熱唱。彼もまた、熊本に想いを寄せてくれたことだろう。ヨンファも最後に「ありがとう」のメッセージを添え、フィナーレでは全員が360度に挨拶し、「We love you forever」との言葉を贈っていた。

ジグソーパズルは、ファンク、ブリット、メタル、バラード、メジャーデビュー後のヒット曲、インディ時代の名曲など多彩な音楽的ピース、そして、ファンとの絆が作り上げたピースからなっていた。アンコールを2曲終えたCNBLUEは最後、“熊本への祈り”とファンへの感謝という二つのピースでパズルを完成させたのだが、これも、韓国デビュー前から日本で音楽武者修行を積み重ね、日本への想いが人一倍強いためだろう。ロックでファンを勇気づけるほどに成長した彼らのピュアなハートにヤラレっぱなしの一夜だった

ライター:きむ・たく

CNBLUE SPRING LIVE 2016 ~We're like a puzzle~
日時:2016年5月27日(金) 17:00開場/18:30開演
会場:日本武道館

【セットリスト】
01. Puzzle
02. Have a good night
03. Catch Me
04. Blind Love
05. Lie
06. Can't Stop
07. hold my hands
08. Where you are
09. Take me higher
10. Ryu Can Do It
11. I'm sorry
12. eclipse
13. IRONY
14. realize
15. Hide and Seek
16. Wake Up
17. Lady
18. Cinderella
19. YOU'RE SO FINE
<ENCORE>
20. In My Head
21. Radio
22. YOUNG FOREVER

・WARNER MUSIC JAPANサイト:http://wmg.jp/artist/cnblue/
・CNBLUE日本オフィシャルサイト:http://cnblue-official.jp/

記者 : Kstyle編集部