【REPORT】VIXX、初のジャパンオリジナルツアーを開催!劇場型コンセプチュアルアイドルの更なる前進

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今年1月に、初の日本盤オリジナル・アルバム『Depend on me』をリリースした6人組アイドルVIXXが初の日本オリジナル・ツアー「2016 VIXX JAPAN LIVE TOUR “Depend on”」を開催。3月24日から5月1日にかけ、全国4会場で6公演を行った。ここでは、5月1日、パシフィコ横浜、国立大ホールでの最終公演をレポート!

日本でのツアーは約1年ぶり。前回はワールドツアーの一環として行われたが、今回は日本盤オリジナル・アルバムを中心とした日本独自セットリストとあって、開始と同時に、ファンの反応も熱かった。そしてツアー中の4月19日、本国では「Dynamite」を発表し、音楽チャート番組で軒並み1位をゲット。ダイナマイト級のパワーを身につけて日本に戻ってきた最終公演には彼らの勢いがほとばしっていた。


コンセプチュアルからナチュラルまで変化自在な6人

開演前、初期のヒット曲「Rock Ur Body」が大音量で流れ、会場の雰囲気は早くも激アツに。そして開演と同時に館内は緊急事態に襲われ、ステージはサスペンスタッチの危険なモードになる。スクリーンにはこの日のキーワードと思しき「CODE BLUE」の文字、「我々が真実と信じるべきものとは?」との謎のメッセージが浮かび、スリリングなダブステップ・サウンドが不穏な空気感を生んでいく。

金網の奥から登場した6人は赤い照明に染まり、フロアを埋め尽くした青のペンライトとのコントラストが鮮やか。『Depend on me』のキモ曲のひとつ、「Chained up」のオリジナルバージョンからライブの幕は開けた。マゾヒスティックな愛を歌うこの曲は彼らをアダルトにさせる官能チューン。ホンビンを残る5人が囲む“カゴメ、カゴメ”なパフォーマンス、後ろ手に縛られて跪く“愛の奴隷”ポーズなどフェティッシュにショーアップされたステージングに、この1年での成長ぶりが見てとれる。舞台では早くもスモークが全開で立ち上がり、絶好調の滑り出しだ!
続く「呪いの人形」は墓場やスカルを背景に不気味さと格好良さが共存し、とびっきりの美女が主人公のハートを射止める「Beautiful Killer」は、バックダンサーが襲撃犯に扮し、メンバーにホールドアップを要求するデインジャレス・ストーリー。共にミュージカル仕立てで魅せ、まずは序盤3曲で、コンセプチュアル・アイドルと呼ばれる彼らの本領、VIXXらしさを見せつけた。

客席の熱気にケンは「(フロアの) エネルギーがスゲエから僕たちは気分がいい」とコメント。ラビは腕を回しながらタメを作って「雰囲気がいい」とファンを喜ばせ、「ジャケットがすごく重くて甲冑みたい」(ホンビン) と全員が上着を抜けば、会場は大興奮!! そんなMCの後は、等身大の彼らを見せる「Can't say」でナチュラルなVIXXにチェンジ。もどかしくも前向きな恋心をテーマに、麗しいスタンドマイクさばきを見せれば、ファンのハートはキュンとなり、エンはホンビンのオデコを軽くツン! ケンとレオがマイクスタンドを交差させ見つめ合いながらサビを歌う姿にはとりわけ大きな歓声が沸き起こる。

ケンのサランヘ・ポーズからスタートした「Say U Say Me」はハッピームードなリズミカル・チューンで、レオと女性ダンサーの絡みには、フロアから嫉妬の悲鳴が。そして円陣を組んで「ホ~~」という雄叫びから幕を開けるファンキーソング「B.O.D.Y」では彼女のボディに興奮し弾けるという歌詞に合わせて、ゴールドなテープが発射され、華やぎを添える。続いて「Can't say」のカップリング曲「迎えに行こう」では6人が白馬に乗った王子様に大変身。ラビは「守ってあげる、僕のプリンセス」というラップでナイトぶりを発揮し、その横で他の5人が右手一指し指を高々と掲げた。

前半の途中、彼らは今日への想いをこう述べた。
ラビ「ケンさんが可愛らしい姿、セクシーな姿をたくさん見せてくれます」
ケン「僕は微笑と歌唱力を準備してきました」
レオ「僕も声を準備しました」
ビジュアル担当のホンビンは「僕はえくぼを準備してきました」と語り、ケンはそのチャーミングさに「なんか、吸い込まれそう」とうっとり。そんなケンは「赤ちゃんたち(ファンのこと) も今日はホット。幸せになるステージをお見せしたい」と意欲を見せた。またヒョギは「僕は末っ子パワーをお見せしたい」と話し、末っ子パワーの何たるかをアピールすべく、レオにヒップアタックを決めていた。


きゃりーぱみゅぱみゅも飛び出たユニットステージ

爽やか&快活なステージの後はセクシー・チューンを連発し、会場は妖艶な雰囲気に包まれる。赤のロングコートをまとい、赤と黒のラウンジバーを舞台に歌う「With Me」は艶めかしい腰の動きと、自分のボディに右手を滑らす仕草が超セクシー。高層ビルの最上階にあるカクテルラウンジで、アーバンな夜景をバックにした「Hot Enough」は日本盤アルバム中、甘いエロス度がナンバー・ワン。クライマックスというべきケンとレオのフェイク合戦は都会の夜空に美しくこだましていた。

セクシーに勝負した6人は高層ビルの屋上に場所を移す。そこでもの憂げに一点を見つめ、何かを考えるメンバーたち。再びステージに戻れば、ユニット・タイムのスタートだ!
トップバッターはホンビン & ヒョギ! 二人は赤毛のウィッグの上に巨大なピンクリボンをトッピングし、セーラームーンチックなスティックを手に、きゃりーぱみゅぱみゅの「CANDY CANDY」をカバー。「『日本のファンと心を通わせるために、何がいいだろう?』と悩んだ末に、この曲を選びました。が、多くのものを捨てることになりました」と代償も大きかった様子だが、客席にキャンディをプレゼントしながらのパフォーマンスにファンはみな笑顔。途中、ウィッグとそれまで漂わせたキュートさを投げ捨て、後半はダイナミックなポッピン・ダンス・バージョンできゃりーぱみゅぱみゅとの違いを見せつけた。

レオ & ケンのメイン・ボーカル・チームは東方神起の「時ヲ止メテ」をカバー。ケンの「僕たちの声はセクシーで格好いいでしょ!」というコメントは説得力ありだが、「CANDY CANDY」の後はやりづらかったようで、レオは「ホットなステージの後にバラードを歌うのはとってもつらい。しかも、ケンに『歌に集中しようね』と言うと、彼も『CANDY CANDY』を踊ってて集中できなかった」と明かした。
そしてエン & ラビはダンサーを従え、アーミーファッションで客席からステージに。「Slave To The Rhythm」(Michael Jackson) のトラックでダンスパフォーマンスを披露し、それはエンがコンセプトから振り付けまで考えた渾身の演目だった。


VIXXにDEPEND ONせよ!

ユニットパフォーマンスを終えたメンバーは日常生活に戻るが、突然、韓国中のテレビが警告を発し、再び非常事態に。ブラウン管には「DEPEND ON」という文字が浮かび……。
黒のインナーに白のスーツを重ねたメンバーらが登場し、後半はアルバムの表題にもなった「Depend on me」からスタート! イントロの優雅なバイオリンの音色に合わせアテブリを演じる6人だったが、ライブは緊迫感を放ちながら展開。誰もがVIXXにDEPEND ONしたくなる格好良さを持っていた。
そして「Spider」を挟んで歌った「Dynamite」はこの日の大注目曲にして日本初披露。J-POP界でも活躍するスウェーデン人プロデューサー作のファンキーチューンにはファンもマックスの声援をおくる。レオはただ一人、右手に黒革の手袋を装着して歌い上げ、歌への想いは人一倍! ステージもフロアもホットになるパフォーマンスの運動量は半端なく、歌い終えたエンは「息切れ~~」とコメント。ケンも「大丈夫じゃない」とつぶやく。
なぜ、そこまで?......そんな問いに答えるように、ホンビンがチームを代表し、こう語った。

「今までは『Depend on me』『Spider』を歌った後にコメントしていましたよね。でも、『Dynamite』を見たいというメッセージをたくさんいただきました。それで皆さんをとっても愛しているVIXXとしては『Dynamite』を外すことができませんでした。『Spider』だけでも辛いんですが、今日は死ぬつもりで歌いました」
そして彼は観客からの大きな歓声に満足気な表情を見せた。

その後、桜咲く日本の古都を背景に横一列に並んで歌った「Stop it girl」に続き、満天の星空の下、ストゥールに腰をかけ誠実に歌い繋ぐ「Love Letter(Japanese ver.)」を披露し、その歌声に”VIXX=実力派ボーカリスト揃い”と再認識。そして、彼らは再び、コンセプチュアル・アイドルとしての貌を露わにする。スクリーンにはまたも「CODE BLUE」の文字が表れ、メンバーは何かに向かって駆け抜けていくのだが……。向かう先が分からぬまま画像は乱れ、「Error」の文字に続くのは、もちろんサイボーグ・アイドルに扮して歌う「Error(Japanese ver.)」。「傷つく準備ができている」では両手をクロスさせてバンパイアに変身し、客席のコールも大きく一つになった。

終盤、6人はこうメッセージをおくった。
レオ「今日の公演が皆さんへの良いプレゼントになったら、うれしいです。いつも皆さんと一緒に過ごしたいです」

ケン「今日も赤ちゃんと一緒に過ごせて、気分がいいです。また、思い出が一つ増えてうれしいです」(そしてポケットから指ハートを取り出し「愛してる」とメッセージ)
ホンビン「大きな愛を送ってくれて、本当にありがとうございます。これからもずっと一緒に歩いていきましょう」

ラビ「いつもVIXXの側で輝いてください。Starlight→STARLIGHT(ファンクラブ名) のために、いい音楽とステージを作り続けます」

ヒョギ「今日は楽しくて素敵な思い出がまた一つできました。最後ということもあり、余計に心残りを感じますし、幸せです」

エン「韓国では5月は家族の月です。皆さんは僕たちの家族だから、5月の最初の日に皆さんにあえてうれしいです。皆さんのおかげでいつも幸せです」

本編最後は「奇跡 (Eternity)」を歌い、アンコールではメンバーが客席からステージへ。途中、握手やハイタッチなどファンサービスに務めながら舞台に登り、そこでは心の底から楽しむようなステージングを見せてくれた。


6月の3rdシングルはバラードを歌い、次のステージへ

ライブのコンセプトは難解だったが、“日本盤アルバムを引っ提げて”というテーマは明快にしてストレートに伝わった。またヒョギが“末っ子パワー”を駆使し、終始、ムードメイカーとして活躍していたのも印象的だった。
彼らのキャッチフレーズにもなっているコンセプト・アイドルは、彼らの貌のひとつでしかない。ライブ中、6月29日に日本3rdシングルがリリースされることが発表され、これは彼らにとって初のバラードシングルになるという。コンセプトに縛られることなく、思う存分、その歌唱力を披露することで、VIXXはJ-POPシーンで一層のステップアップを見せてくれるに違いない。

ライター:きむ・たく

2016 VIXX JAPAN LIVE TOUR “Depend On”
日時:2016年5月1日(日) 17:00開場/18:00開演
会場:パシフィコ横浜 国立大ホール

【セットリスト】
1. Chained up
2. 呪いの人形
3. Beautiful Killer
4. Can't say
5. Say U Say Me
6. B.O.D.Y
7. 迎えに行こう
8. With Me
9. Hot Enough
10. ホンビン&ヒョギ CANDY CANDY
11. レオ&ケン 時ヲ止メテ
12. エン&ラビ Slave To The Rhythm
13. Depend on me
14. Spider
15. Dynamite
16. Stop it girl
17. Love Letter (Japanese ver.)
18. Error (Japanese ver.)
19. Secret Night
20. 傷つく準備ができてる
21. 奇跡
22. Heaven
23. 別れの公式

■関連サイト
VIXX日本公式サイト:http://vixx.cjve.jp/

記者 : Kstyle編集部