【REPORT】“SS501のスペシャルユニット”Double S 301が日本初ライブ!キャリアに裏打ちされた公演は301&501、そしてソロと見せ場たっぷり

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2005年にデビューし、当時、東方神起と人気を二分していたSS501。そのメンバー、ホ・ヨンセン、キム・キュジョン、キム・ヒョンジュン(マンネ:末っ子) がDouble S 301として活動を開始し、4月25日に東京で、27日に大阪で初の日本単独公演「U R MAN IS BACK in JAPAN」を開催した。ここでは東京公演(会場:TOKYO DOME CITY HALL) の模様をレポート!


301の原点と現在とを行き来する時間旅行

Double S 301(以下301) が初めてお目見えしたのは2008年11月のこと。リード曲「U R MAN」を含むデビュー・アルバム「スペシャル・アルバム」はSS501というチームへのこだわりから“SS501”名義で発表されたが、3人はいつしかSS301と呼ばれるようになった。翌年にはSS501 キム・ヒョンジュン(リーダー) 主演のドラマ「花より男子」のエンディングテーマ「僕のあたまが悪くて」も担当し、歌でドラマ人気を支えた。

あれから7年。その間、SS501は活動を休止(2010年) し、現在、ヒョンジュン(リーダー) は入隊中。パク・ジョンミンは社会服務要員として勤務中で、残るメンバーはソロ活動をメインにしていた。が、3人は再度結集し、今年2月にDouble S 301名義でミニ・アルバム「ETERNAL 5」をリリース。4月20日には日本盤ミニ・アルバム「ETERNAL S」を発表し、会場には、7年ぶりとなる3人の姿を見ようと、多くのファンが詰めかけた。

初日となった東京公演。オープニングには逆回転するモノクロ映像が映し出され、ファンをDouble S 301が生まれた8年前にプレイバックさせていく。そして黒のスーツ&細身のタイをシックに着こなした3人がポップアップから颯爽とステージイン。ノスタルジックなサウンドが病みつきになるオープニングトラック「U R MAN」で、ファンは「クリウォ(恋しいよ)」と声を揃え、その姿は“301にずっと会いたかった、恋しかった”という気持ちを込めるかのよう。

フロアはSS501のテーマカラー、パールライトグリーンのライトに揺れ、上着をはだけるセクシーな振り付けには黄色い歓声が! 続けて「ETERNAL 5」から2曲を選び、現在進行形の姿を披露。「DIRTY LOVE」ではヨンセンが美声フェイクを響かせ、赤いハンカチを小粋に使い、トロンボーン・チックな振り付けが楽しい「SAXOPHONE」でフロアは巨大ダンスホールに。SS501の代表曲「Love Like This」のイントロが流れれば、それだけで会場は興奮に沸き、3人はスピーディーに軽やかなステップをキメていく。さらに麗しき声をたっぷり聞かせる「Again」を挟んで、名曲「僕のあたまが悪くて」へ。ファンは熱唱する3人に歓喜し、一緒に声を合わせながら、「花より男子」の名シーンの数々を思い浮かべていたのかも。ヨンセンは間奏部のピアノの音色に合わせてアテブリを演じる余裕も見せた。

301のステージの後は、ソロコーナーがスタート! トップはヒョウ柄のハーフ丈ジャケットに黒のレザー・パンツを重ねたヒョンジュン。ヒップホップスタイルの「他の女の子じゃなくて、君」では「Put your hands up」と煽りながら、客演ラッパーDOK2のラップパートに自分のラップを重ねてフル回転。日本オリジナル・ソロ楽曲第一弾となったポップ・チューン「眠れない夜 -Long Night-」で、彼が優しく「皆、マダマダだよ! 一緒にジャンプしようよ」と声をかけると、フロアは柔らかく縦に揺れた。

ヒップホップ~ポップを軸にしたヒョンジュンに対し、キュジョンはバラード~エレクトロで勝負。昨年7月に発表した「君へ…~僕らのストーリー~」ではちょっと触れただけでも壊れそうなほどに繊細な歌声を聞かせ、エレクトロな「Wuss Up」はクールなサウンドに赤のタータンチェックなジャケットがパッショナブルに映え、格好良さ爆発! ここ一番でのジャンプも鮮やかにキメた。

ソロコーナーのトリを務めたヨンセンはロックスターの風格と凄みのある歌声で圧倒する。ソロデビュー曲「Let It Go」のイントロにファンが「ホ・ヨンセン」コールを重ねると、彼はゴールドのジャケットに穴あきパンツというスタイルで登場し、客席に向け「盛り上がれっ!」と熱くシャウト。右こぶしを高々と掲げた姿からは気品あるオーラが漂う。壮大で迫力あるバラード「Maria」でもソロシンガーとしての底力を見せ、客席はその歌声に惚れ惚れとなった。


懐かしのSS501メドレーで絶頂に

音楽的な個性の違いで楽しませた後は再び3人がひとつになる。オールブラックで統一したメンバーは「ETERNAL S」からタイトル曲「Fraction」他2曲を初お披露目し、歌い終えたヨンセンは「この曲は楽しいというより、大人っぽい雰囲気。緊張でドキドキして恥ずかしかった」とコメント。「最初、みんな盛り上がらなかったみたい」と不安気だったが、それほど、客席は3人の歌に聞き惚れていた。

そして「ETERNAL 5」からR&Bな「忙しくてごめんね」と、ネクタイダンスで話題のタイトル曲「PAIN」を歌い、現在形の301をギュっと詰め込んで、ファンに今の彼らをお届け。ファンも「Double S 301」と掛け声を揃え、熱い声援を送っていた。高まった熱気を鎮めるかのように流れたのは今と過去が交差する人気ドラマ「応答せよ」のパロディ映像「応答せよ、ダブルエス」。“大学生と思しき3人が下宿先の居間でテレビを目の前にショートコント”な作りだが、実はコレ、終盤に向けての前フリだ。

時は2010年6月、ブラウン管には音楽番組「MUSIC BANK」の映像が映し出され、そこではSS501が「LOVE YA」で初の1位をゲット。そしてドラマから現実ヘスライドし、黒の穴あきパンツでコーディネートした3人が「LOVE YA」を歌えば、ここから怒涛のSS501タイムがスタートする!

2005年発表の「Fighter」はヨンセンが「久しぶりの曲ですよね」と振り返るほど懐かしさでいっぱい。そして、SS501の日本デビュー曲「Kokoro」から「Distance~君とのキョリ」「LUCKY DAYS」と続くメドレーでは本人たちも超ノリノリに。キュジョンとヒョンジュンは互いの人さし指を突き合わせてETタッチをし、みんながジャンプ、ジャンプ。キュジョンは「ジャンプしすぎ」とへたれこむほどの弾けっぷりだ。そして、その熱さが会場中に伝播し、客席からは「懐かしい~~」という声が数多く、聞こえてきた。

多少、バテ気味のキュジョン&ヒョンジュンは疲れ知らず&ここまで引っ張ってきたヨンセンに対し、敬意をこめて「ホ・ヨンセン」コールをプレゼント。そして盛り上がる館内からヨンセンに対し「踊って」というリクエストが飛び出す。“ここまで目いっぱい踊ってきたのに”と困惑気味の彼だったが、ヒョンジュンがビートボックスを始めれば、ストリート感溢れるブレイクダンスを生披露。最後はフリーズもキッチリとキめ、あまりの格好良さにキュジョンは「ビヨンセン」(ビヨンセ+ヨンセン) と絶賛していた。

終盤、彼らはファンにこう感謝した。
ヒョンジュン「たくさんの方に来てくれて本当にありがとうございます。本当にうれしかったです。3人をずっと応援してください」

キュジョン「チケットがソールドアウトと聞いて、本当にびっくりし、この日のために準備してきました。日本で活動することが心配でしたが、ファンの皆さんが僕たちを守ってくれて、ここまで来れたと思います。これからもSS501と301とメンバー全員の活動を応援してください」

ヨンセン「日本で活動が出来るかなと思いましたが、僕たちのことを忘れなかった皆を見て、『頑張らなきゃ』と思いました。そして今日は感動しました」

その後、本編ラスト「All My Love」で、3人はファンへ恩返しするように丁寧に歌い上げ、ファンも大合唱。最後はヨンセンが「ずっと離れない」と熱唱し、その澄んだ歌声にファンの心が洗われていく。ラストのラストはキュジョンとヒョンジュンがヨンセンに寄り添い、3人の「All my love for you」というハーモニーが美しく感動的な余韻を残し、キュジョンの頬には涙が伝っていた。アンコールでは再度SS501メドレーを歌い、フィナーレにはペンライトに埋まる客席が星空のように見えると「ホシゾラ」をチョイス。メンバーも(バックダンサーも) ペンライトを手にし、会場は無数の星が輝いていた。

ステージ上の3人は変わらぬ、あの時の3人だった。301でリーダーを担当するヨンセンは「ETERNAL S」の曲紹介タイムで、全く無関係の「Let it go」が好き、と相変わらずのマイペースぶりを発揮。アンコール時、携帯電話でのセルカ&撮影に一所懸命だった姿も微笑ましかった。チームの中心でキラキラ光るキュジョンは、ヨンセンをサポートし、終盤のMC時、言葉足らずに思えた彼に助っ人としてカットイン。「ライブを準備しているときに、日本で地震が発生したことを聞き、本当に心配しました。『どうしたら僕たちが力になれるかな?』と悩みました。僕たちは良い歌で皆さんの力になりたいと思っていますので、皆さんもどうか力を出してください。もうこんな悲しいことが起こらないように、世界中の皆と祈りたいと思います」とコメントし、チームに安定感をプラスしていた。そしてヒョジュンは(韓国の歳で) 30歳だからもう末っ子じゃない、と言いたげだったが、2人は末っ子と認定。“マンネ”らしい明るさで盛り上げた。


SS501内スペシャル・ユニットとして未来を志向する3人

過去と現在を自在に行き来しながら、301として、SS501として、そしてソロ歌手として、重層的なパフォーマンスでファンを魅了した3人。その公演は彼らの長いキャリアを改めて実感させるものだった。

SS501の歌に客席からは「懐かしい~!!」との声が飛んだが、彼らが5人時代の曲を歌ったのはファンが望むから、というだけではない。それぞれのソロ公演でもほとんどのメンバーがSS501のナンバーを歌うほどに、みなチームを大切にしている。また、「ETERNAL 5」というアルバムタイトルが示唆するように、5人の絆は永遠だ。ファンの想いに応えつつ、3人は歌いながら5人の絆を確かめ合っていたのだと思う。

SS501の日本でのラストライブから約7年が経過したが、ファンの記憶の中で、当時の思い出は鮮やかに輝いている。この日のステージでSS501復活への期待を一層強くしたファンも多いだろう。また、SS501と301の違いを肌で体感して、5人でのパフォーマンスにはない魅力を今まで以上に感じたファンも多いはず。場内には“お久しぶり”な同窓会的ムードも色濃かったが、それに終始しなかったのは3人が501とは違う、301としての音楽を発信し続け、未来志向を持っているから。

「日本の活動はたくさんあるし、夏も活動があるから、皆、期待して楽しみにしてください。皆さんが待ってくださった分だけ、情熱的に歌いたいと思います。待っててね!!」ヒョンジュンのこの言葉が301のさらなる活躍を期待させるのだった。

ライター:きむ・たく

Double S 301 「U R MAN IS BACK in JAPAN」
日時:2016年4月25日(月) 17:30開場 / 18:30開演
会場:TOKYO DOME CITY HALL

【セットリスト】
01. U R MAN
02. DIRTY LOVE
03. SAXOPHONE
04. Love Like This
05. Again
06. 僕のあたまが悪くて
07. 他の女の子じゃなくて、君 (キム・ヒョンジュン ソロ)
08. 眠れない夜-Long Night (キム・ヒョンジュン ソロ)
09. 君へ...~僕らのストーリー (キュジョン ソロ)
10. Wuss Up (キム・キュジョン ソロ)
11. Let It Go (ホ・ヨンセン ソロ)
12. Maria (ホ・ヨンセン ソロ)
13. Fraction
14. Let me know
15. Never Ending Dream
16. 忙しくてごめんね
17. PAIN
18. LOVE YA
19. Fighter
20. LIVE!
21. SS501メドレー1 (Kokoro/Distance~君とのキョリ/LUCKY DAYS")
22. All My Love
<ENCORE>
23. SS501メドレー2 (君を歌う歌/弱虫/Snow Prince)
24. ホシゾラ

■リリース情報
Double S 301 日本ミニアルバム「ETERNAL S」
2016年4月20日発売

■関連サイト
・Double S 301 ポニーキャニオン・オフィシャルサイト:http://doubles301.ponycanyon.co.jp
・Double S 301 JAPAN OFFICIAL FANCLUB:http://www.doubles301.jp/

記者 : Kstyle編集部