「結婚契約」プロデューサー“AFTERSCHOOL ユイ&イ・ソジン、一度ずつ大きく泣くストーリーが必要だった”

OSEN |

※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=MBC
切ない愛と温かい家族愛を描くMBC週末ドラマ「結婚契約」が韓国で人気を集めている。刺激的な展開なしても視聴率20%を突破し、一度見始めると最後まで見てしまうという好評を得ている。チョン・ユギョン脚本家の共感できるストーリー、「犬とオオカミの時間」「甘い人生」「傲慢と偏見」のキム・ジンミンプロデューサーの蛋白ながらも温かい感性のある演出、そして主演俳優たちの好演で連日話題を集めている。

MBC週末ドラマはこれまで到底理解できない、刺激的な展開で視聴率を引っ張ってきた。「結婚契約」は共感を得ながらも、いわゆる“マクチャンドラマ(非現実的で、ありえない設定のドラマ)”という汚名なしに高い視聴率と話題性の両面で好評を得ている。キム・ジンミンプロデューサーは、OSENとの取材でドラマが愛される秘訣について脚本家と俳優のおかげだと話す。

「ドラマが愛されているのは、良い台本と俳優のおかげです。演出者の僕は良い台本を持ってしっかり撮っただけです」

「結婚契約」は財閥家の御曹司で自己中心的だった男性ハン・ジフン役のイ・ソジン、脳腫瘍を患っており、娘のために臓器のドネーションまで決心した女性カン・ヘス(AFTERSCHOOL ユイ)の切ないラブストーリーだ。16話で企画されたこのドラマは、終了まであと2話だけを残している状態だ。ドラマが好評を受けているが、懸念の声も多かったのが事実だ。イ・ソジンとユイの17歳という歳の差は、ラブストーリーを描くには年が離れすぎているということだった。しかも、ユイの演技力が本格恋愛ドラマを引っ張っていくには無理があるという声もあった。

「俳優の演技は演出者が作れるものではないと思います。演出者はこの俳優が作品と合うか、新たな魅力があるかを考えてキャスティングします。今回の作品は有り難いことに上手く合ったと思います。イ・ソジンさんがオファーを快諾してくれて本当に感謝しました。イ・ソジンさんとヒロインについてたくさん話し合いましたが、若い女優が担当したほうが役に似合いそうだと話しました。子持ちの母で、若いほうがキャラクターに合うんじゃないかと思いました。ユイさんがヘス役を上手に演じてくれると思いました。感が当たったのです」

キム・ジンミンプロデューサーは俳優と演出者が共に努力してこそ、作品の中のキャラクターが輝けると思っている。そのため、いつも俳優たちと話し合いながら作品を解釈し、息を合わせて、良い作品を作っている。

「俳優に無条件に作品の中に入ってくるように求めてはならないと思います。制作陣も近づかなければなりませんし、俳優も近づかなければなりません。そういった点で今回のドラマは俳優たちと脚本家、そしてスタッフがたくさん努力した作品です。脚本家さんがイ・ソジンさんの話をたくさん聞いて反映したし、イ・ソジンさんも情熱的に作品に臨みました。ユイさんを始めとする他の俳優たちも同じです」

先月26日に韓国で放送された第7話では、ヘスが自身の境遇に対する鬱憤が爆発し、バスのガレージで泣き崩れるシーンが描かれた。ユイはそれこそほとばしる涙演技をした。ドラマによく出てくるようなキレイな涙ではなく、わんわん泣くリアルな涙であり、キム・ジンミンプロデューサーはこのシーンを長回しで撮影し、視聴者たちの涙腺を刺激した。

「ユイさんにはこのシーンについて一言だけ話しました。ヘスがドラマで限りなく泣く瞬間があればこのシーンであるはずだと。突然自身の人生を変えた病気のために嘆いて大声で泣ける場所はバスのガレージしかないと思いました。もちろん演技できなければしなくても良いと話しました。でも本人が上手にやってくれました。このシーンはワンテイクで撮りました。泣くシーンだったので、何度も撮ってしまうと偽物に映ることがあります」

イ・ソジンも同じだった。10日に放送された第12話でジフンはヘスの病気を知って嗚咽した。ヘスが第7話でそうであったように、一人でいるオフィスの浄水器の前で涙を流した。婚外子という辛い個人史もあり、やや歪んでいた性格のジフンは、ヘスに会って、隠してきた温かい人間愛が表れ始め、ヘスと別れた後、辛い時間を過ごした。そんなジフンがヘスの病気を知って涙を流すシーンは視聴者たちの心を痛ませた。このシーンも第7話のガレージシーンと同じく、長いシーンだった。キム・ジンミンプロデューサーが他のドラマと差別化しようと意図した部分だった。

「普通、ドラマではこのように長くは撮りません。我々のドラマだけの特色にしようと思いました。俳優たちの真剣な努力が視聴者たちに伝わってほしいと思って長く編集したのです。俳優たちの熱演がちゃんと伝わればと思いました。だから他のシーンを省略して無理をしてでもこのシーンを長く配置したいと思いました。ジフンとヘスが一度ずつ大きく泣くストーリーが必要でした。これからジフンはたくさん泣いてはいけません。ヘスを守らなければならない男ですから。だから浄水器の前で一人でそうやって泣いたのです」

記者 : ピョ・ジェミン