キム・ジウォン「『太陽の末裔』が人生の一番の作品…演じた役のようにいつか全力で恋してみたい」

OSEN |

写真=キングコングエンターテインメント
キム・ウンスクのペルソナ。俳優なら誰もがうらやましがる呼び名を得た幸運の主人公、キム・ジウォンが、ドラマ「太陽の末裔」で女性兵士ユン・ミョンジュに完璧に変身した。「全く思いませんでした」という謙遜の言葉とは異なり、彼女の“ダナカ言葉(「ダ」「ナ」「カ」で終わる韓国軍でよく使われる言葉)”は自然で、軍服はよく似合っていた。

あるCMの中でいわゆる“Oran Cガール”として顔を知らせたキム・ジウォンは今年25歳(数え年)。まだ若いが様々な作品に出演してきた。MBCシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「ハイキック3~短足の逆襲」、SBS「花ざかりの君たちへ」「相続者たち」「太陽の末裔」まで、まさに充実したフィルモグラフィーだ。

中でも特に反響を呼んだのはKBS 2TVの水木ドラマ「太陽の末裔」。ついに視聴率が30%を突破し、もはや予測できないほどのブームを巻き起こしている作品であるだけに、キム・ジウォンへの関心も非常に高い。

「実は最初はすごく心配していました。台本がとても良かったので、どうやって活かすべきかと。これほどラブストーリーが際立ったドラマは初めてだったので。ほとんど片思いでしたが、お互いに好きという設定は初めてで、そういう部分について悩みました。でも、チン・グ兄さんはベテランで、色々助けていただきました。また、ユン・ミョンジュは女性らしくて、守られるよりも自主的に自分の愛を探していく人物で、そういう部分を際立たせたいと思いました」

キム・ウンスク脚本家の作品に出演すればヘアスタイルが変わるという彼女の言葉通り、澄まし顔で堂々としたユ・ラヘル(「相続者たち」)を演じたときは、ぱっつん前髪でイメチェンを試み、今回はデビュー後ずっと伸ばしていたロングヘアを切ってミドルヘアになった。そのおかげだろうか。可愛いが肝の据わった、爽やかなユン・ミョンジュの魅力は、男心はもちろん女心まで惹きつけるほどだ。

「ユン・ミョンジュは主体的なキャラクターじゃないですか。カッコいいと思います。いつか、ああいう心構えで誰かを愛したいと思いました。シンクロ率は50%ほどだと思います。気さくなところが私と似ていると思います。『相続者たち』のイメージが強くて、ツンとしてると思われがちですが、普段の私は全体的に気さくな方です」

写真=キングコングエンターテインメント
何より“クウォンカップル”であるキム・ジウォンとチン・グの恋愛は、メインカップルである“ソンソンカップル”のソン・ジュンギとソン・ヘギョに負けないほど愛されている。ソンソンカップルがラブコメディに近いとすれば、クウォンカップルは正統派恋愛ドラマに近い。越えることのできない身分の違いと絶えない危機という設定は、逆に二人の恋愛模様をより一層魅力的なものにした。

「クウォンカップルは第1話から詳しい説明もなく切ない恋をしたし、もう会えない関係という設定だったため、深さを見せなければならないと思いました。付き合いたてのカップルとは違うというか? どうすればうまく表現できるかたくさん悩みました。 (撮影中のエピソード?) 序盤にあまりにも切ないシーンが多かったので、私とチン・グ兄さんはラブシーンを撮る時に本当の恋人のようにしようと言いました。カフェでラブラブなシーンを撮ると解放感があるというか、本当にそうだったと思います」

劇中キム・ジウォンとチン・グが演じるユン・ミョンジュとソ・デヨンは、それぞれ司令官の娘であるエリート軍医官、高卒認定試験出身の上士という身分の違いで親に反対されている状況だ。撮影が終わった今でも、役に入り込んでいるようなキム・ジウォンは「実際にこういう状況になったら?」と思って父に聞いてみたという。

「悩んでみました。父にも聞いてみましたが、親は当然反対する立場でした。ところで、そういう状況になってみなければ分からないと思います。今はできると言ったのに、いざそういう状況になるとできないかもしれませんし、また本当に愛する男性に出会えばできそうな気もしますし(笑)」

あまりにも人気の高い「太陽の末裔」であるだけに、時期的にはまだ早いが、年末の授賞式での成績も考えずにはいられない。その中でも視聴者の胸をときめかせたり、悲しませたりするクウォンカップルのベストカップル賞受賞の可能性についても考えざるを得ない。

「賞をいただければありがたいですが(笑) ところで、うちの『太陽の末裔』の中にはカップルがすごくたくさんいるんです。ソンソンカップルもいるし、クウォンカップルもいるし、ハガンソンダク(ハ看護婦&ソンドクター)カップルなど、とても美しいカップルがたくさんいるので、今いただいている愛だけで十分だと思うし、感謝しております」

誰もが知っている通り「太陽の末裔」は事前制作ドラマだ。昨年6月に撮影を開始し、まともな飲食店やホテルもない江陵(カンヌン)太白(テベク)の山中とギリシャ、イタリアを行き来する海外ロケまで行ったおかげで「太陽の末裔」に出演する俳優たちは仲良くなったという。

「俳優たちで作ったグループチャットがあります。それがなくなったりまたできたりしています。発言が多すぎて出て行く人もいますが、誰かがまた呼び出します。主にソン・ジュンギ先輩か、チョ・ジェユン先輩が招集する方だと思います」

写真=キングコングエンターテインメント
俳優が人気を最も実感する瞬間は、撮影現場を訪ねてきたファンたちが歓声を上げる瞬間だという。しかし、先ほど言及したように、「太陽の末裔」は事前制作ドラマであるため、思ったよりも俳優が人気を実感できるルートが少なかったという。

「『太陽の末裔』に出演してから変わった点ですか? まだあまりないと思います。スケジュールが少し忙しくなっていること? 撮影していたときは軍服だけを着て撮影していたから、いつもそんな格好でした。太白(テベク)に行ったり、一竹(イルジュク)に行ったり、忙しく過ごしましたが、今はテレビに出るから綺麗な服も着るし、インタビューもしているから『ドラマがうまくいってるんだ』と実感しています」

もちろん俳優にとって代表作を一つだけ挙げるのは難しいことだ。自身が出演した作品一つ一つが全て大切で、忘れられない子供のような存在であるためだ。だが、その中にも確かに辛い思い出もあり、逆に一生に一度の機会だと言えるほどの作品もあるはずだ。おそらくキム・ジウォンにとって「太陽の末裔」という作品は後者に当たるだろう。

「私の俳優人生の中で一番の作品だと言えます。たったひとつというより、私の演技人生の中でターニングポイントになった作品だと思います。これまでの作品も全部ありがたいし、今の私を作ってくれた作品ですが、『太陽の末裔』が人生で一番の作品になるような気がしますし、なったような気がします。(ユン・ミョンジュに最後の挨拶を残すなら?)『愛することに苦労した』と言いたいです。私にはまだそういう経験がありませんので。それは年を取ってもできないのかもしれない愛だと思います。こういう恋愛ができるのって運でしょう。いつかは私も全力を尽くして恋をしてみたいと思いました」

記者 : チョン・ソヨン