「華麗なる誘惑」チョン・ジニョン“チェ・ガンヒとの夫婦演技、とても満足した”

OSEN |

チョン・ジニョンは隣の家のおじさんのような親しみやすいイメージではない。表情や声からエネルギーが溢れて、画面から飛び出してきそうなオーラを放っているためだ。しかし、タフな演技に限らない。数いる俳優の中で演技のスペクトラムが広い俳優として評価される理由である。

1988年、演劇「対決」でデビューし、映画「平壌(ピョンヤン)城」「あなたは遠いところに」「楽しき人生」「王の男」「達磨よ、遊ぼう!」「江南1970」、ドラマ「エンジェルアイズ」「ラブレイン」「ブレイン」「トンイ」「影島(ヨンド)橋を渡る」などで様々なキャラクターを演じ、人間の感情を表現してきた。

昨年放送がスタートしたMBC月火ドラマ「華麗なる誘惑」では、元国務総理のカン・ソクヒョン役として、実存する人物であるかのような錯覚を呼び起こすほどキャラクターを完璧に演じこなした。ソクヒョンはシングルマザーでメイドのシン・ウンス(チェ・ガンヒ) と再婚したが、すべてを捧げるような愛情を注ぎ、中年女性たちを羨ましがらせた。

チョン・ジニョンは最近、ソウル八判洞(パルパンドン) で行われたOSENとの取材で、チェ・ガンヒとの共演について「とても良かったし、満足した。(ドラマが) ソクヒョンとウンスのラブストーリーではなく、ソクヒョンの片思いだったじゃないか。しかし、ウンスが持っている二重の感情がすべて表現された。彼女がソクヒョンに頼りながらも利用しようとする部分が面白く表現された」と話した。

チョン・ジニョンはソクヒョンが金と名誉、権力を追いながらも初恋に似たウンスに心を捧げる人間的な姿を見せた。

チェ・ガンヒの長所について「全てキレイだけれど、その中でも目がとてもキレイな女優だ。恋愛演技は相手の俳優の目を深く見ながらやらなければならないが、ガンヒさんの目は恋愛演技をする上で役に立った」と称賛した。

チョン・ジニョンはこのドラマで「2015 MBC演技大賞」の男性最優秀演技賞を受賞し、演技力や視聴率パワーを持つ俳優として存在感を見せつけた。

チョン・ジニョンは「第10話以来、好きになってくださるのを少しずつ感じた。人々が私を“総理”と呼んでくれた(笑) 私が演じたキャラクターを本当に愛していただいて感謝している。相対的にソクヒョンの登場が真面目なものになり、チェ・ガンヒやチュ・サンウクに申し訳なく思う部分もある」とし、後輩たちへの愛情を表した。

多くの後輩俳優たちがチョン・ジニョンをなりたい先輩として挙げているが、一気にスターになったわけではない。デビュー以来、他の人々に知ってもらえなくても自身だけの世界観を表現するために努力してきた。もちろん大ヒット作の「7番房の奇跡」「国際市場で逢いましょう」「王の男」、そしてドラマ「エンジェルアイズ」「ブレイン」「トンイ」まで主演・助演に関わらず休まず着実に作品活動を続け、フィルモグラフィーを作ってきた。

今後どんな俳優として残りたいかという質問には「そんなものはない。俳優として一番の褒め言葉は『あの人物はその俳優がやって正解だった』という言葉だと思う。作品に出演するたびに反響の有り無しに関係なく、あの役は他の人がやるべきだったと言われなければ有り難い」と答えた。

記者 : キム・ボラ