屋上月光(OKDAL)、2/14来日公演で全12曲を披露…“自由に音を操るサウンドとこぼれ落ちる歌詞”

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韓国の20代から30代の女性に圧倒的な人気を誇る女性デュオ、OKDAL(屋上月光) の来日公演が2/14(日) に青山のライブハウス、月見ル君想フで行われた。

韓国の音楽シーンにOKDALが登場したのは、2010年。ドラマ「パスタ」の挿入歌「オクサンタルピッ(屋上月光)」だ。デビュー曲にもかかわらず、二人の名前はあっという間に広く知れ渡った。1984年生まれの同級生 キム・ユンジュ、パク・セジン。ギター、ピアノ、木琴、鉄琴、ピアニカなど、編成を変えながら2人が楽器を奏で歌う。そんなスタイルから織りなされる音楽は、多彩で繊細な魅力を持つ。時代や日常を切り抜く歌詞がリスナーの共感を呼び、日本でも活動が期待されていた。本公演は、OKDALが日本の事務所に所属し、本格活動を宣言した後の初来日であり大きく注目された。

当日は2階に続く階段までも人が埋め尽くす、大変な賑わいだった。月見ル君想フのステージには、大きな満月が浮かび上がるように映されている。OKDALの二人は、自分たちの名前との縁を感じこのステージを非常に気に入ったという。
その大きな月夜の前で、キム・ユンジュ、パク・セジンそしてバイオリンとコーラス担当のサポートメンバーがステージに登場すると、会場が大きく沸いた。

1曲目は1stアルバムのタイトル曲でもある「無いのがメリット」。不安を抱えながら前に進もうとする20代の心境を綴ったOKDALの代表曲の一つだ。今のこの時代の雰囲気を描きながら、そこで生きる“今”を歌詞にのせた最新CDからの楽曲、「不思議な時代」、やさしくリスナーに話しかけるように歌う「お疲れ様、今日も」などをキム・ユンジュはピアノ、パク・セジンは鉄琴とピアニカ、そしてタンバリンを弾きながら音を紡いでいく。
OKDALの透明な歌声が多彩な音を奏でながら、バイオリンの旋律と共に言葉の壁も乗り越え、聞いている者の心に入り込むような歌を生み出していく。時間が経つにつれ韓国語ではないように聞こえてくる、どこか懐かしい言葉のように聞こえてくる、そんな錯覚をおぼえさえする。ぴったりと肩を寄せ合うようにOKDALの音楽がそこにあった。

日本語で用意したというMC台本を前にトークする姿を見守る観客からは、笑いが起こり、MCを同時通訳し字幕を出すという所属事務所の定番の演出が始まると、OKDAL本来の軽快なトークが爆笑の渦を作る。ラジオスターとしても有名なOKDALの掛け合いに、トークライブを企画してほしいというファンの声が上がったほどの盛り上がりをみせた。

本編最後となる曲は、映画「崖の上のポニョ」の主題歌。この日のために用意した日本語歌唱だ。そしてアンコール。「本当にありがたくて作った歌」「会えてうれしいです」そして「オクサンタルピ(屋上月光)」の3曲を含む全12曲で来日公演は終了した。

観客のほとんどは女性。国境を乗り越え、言葉の壁も乗り越え、「私の横にいてくれる曲」それがOKDALの音楽だ。安定感がありながら、自由に音を操るOKDALサウンドの中でこぼれ落ちるOKDALの歌詞。そんな歌詞の一つ一つを大事に観客は帰って行った。終演後、すべての観客と握手し会話をし送り出そうとするOKDALを前に、夜深くなっても待つ人々の顔は笑顔で溢れていた。

韓国インディーズという括りでは語りきれない、音楽が誕生したライブとなった。

寄稿:内田嘉

屋上月光(OKDAL)『OKDAL JAPAN TOUR2015』
日時:2015/2/14(日) 18:30 開場 / 19:00 開演
会場:月見ル君想フ

【セットリスト】
01. 無いのがメリット
02. 不思議な時代
03. ヒーロー
04. 君と私
05. 私の愛の歌
06. 二人
07. ランニング
08. お疲れ様、今日も。
09. 崖の上のポニョ
<ENCORE>
10. 本当にありがたくて作った歌
11. 会えて嬉しいです
12. オクサンタルピッ(屋上月光)

OKDALホームページ:http://www.super-kiwi.com/

記者 : Kstyle編集部