【REPORT】“入隊中”JYJ ジェジュン、ホログラムコンサート…この日たしかにジェジュンはステージにいた

Kstyle |

(c)2016 C-JeS Entertainment Co.,Ltd. All Rights Reserved
兵役中のキム・ジェジュンが2月9日と10日の両日、「2016 Kim Jae Joong 2nd Album Hologram real live Concert in Japan」を開催した。現在は厳寒のなか特別訓練に励んでいるというキム・ジェジュン。今回のコンサートはホログラム・コンサートと銘打ち、最新技術の力を借りて、ここにいないはずのジェジュンが歌い、踊るという趣向。会場となった東京の代々木体育館は、ジェジュンに一目会いたいファンで埋め尽くされた。10日の公演をレポートする。

今回の公演ほど、始まる前にいろんな想いが飛び交った公演も珍しいだろう。ジェジュンが作った未発売のアルバム「NO.X」を世界で一番先に聴ける喜びと、そもそも本人不在のホログラム・コンサートってどんな感じなの? というドキドキ。たとえリアルでなくてもジェジュンに会いたい!3Dのジェジュンが飛び出してきちゃうかも!?(笑) とにかく未体験ゾーンへのワクワクが半端なかった。


リアルであり幻想的であり…不思議な雰囲気の中のジェジュン

定刻の19時を過ぎてまず巨大なスクリーンに映し出されたのは、美しく力強いジェジュンの目のアップ。宇宙を思わせる映像を背景に「目に見えなくても願いは反映される。僕の歌が聴きたければ、僕の姿が見たいなら、いま僕はこの空間に存在して、僕はここで歌を歌う」というカッコいいナレーションがあって……ついに姿を現わしたヴァーチャル・ジェジュン! 黒のラメシャツをまとってロックバラード「Just Another Girl」を歌い始める。周りを囲むバンドは生演奏の本物。白い肌に前髪をあげたヘアスタイル、華やかにデザインされた照明の下、ジェジュン自身もまたぼうっと発光しているような不思議な雰囲気が漂い、リアルといえばリアル、幻想的といえば幻想的。開演前に「演出の都合上、着席のままご観覧ください」とアナウンスされたこともあって、宇宙から降臨した王子ジェジュンに客席もどう反応していいか戸惑っている様子がうかがえた。

だが、歌い終わって笑顔のジェジュンが照れくさそうに「ありがとございました」と言ったとたん、不安も戸惑いも吹き飛んだ。日本語のMC。このステージを日本のファンのために用意してくれたのが分かる。「お久しぶりですね。ここに立っている僕、これが現実か夢なのか、もうわからないんですけど(笑) この同じ空間に一緒にいられて嬉しい気持ちはどうしようもないですね(笑)」 まるでファンが目の前にいるようにいつものように楽しいトークを進めるジェジュン。「新しいアルバムが発売されたじゃないですか。みなさんに早く新しい曲を聴かせたいです。次は爽やかな明るい曲。恋愛するときの男の気持ちを歌います」と言って歌い始めたのは、誕生日の1月26日に配信された「それ知ってる?(In Case Your Heart Forgets)」。続いてアコースティックな雰囲気のバラード「Breathing」を語りかけるように歌い、ビートのきいた「All That Glitters」へと続く。


歌唱力と表現力…アーティストとして魅せる

「みなさん、いかがでしたか? ニューアルバムからの新曲3つ。僕がやったことのない、今までとは違う感じだったでしょ? アルバムを作ったときからみなさんの反応がずっと知りたかったんですけど……(といって待っても答えが返ってくるわけではないので思わず苦笑)」「だたジェジュンが好きだから、ジェジュンがヘンな歌を歌っても好きだよ~! ってそういう事じゃないでしょ?(笑) みんなちゃんと音楽聴いてるしね? たまには冷静に音楽的にちゃんとした判断をしてくれることもあるしね? ね? ま、分からないけど(笑)」と笑わせる。「次はじっくり聴かせるバラードと、これは愛だ、と感じられる詩がポイントの曲です」と紹介したのは切なさが胸にしみるような「Closer」と「End of The Road」。衣装はロングのTシャツにチェンジされ、青い照明に照らされて岩の上に座りながら歌う姿は、どこかの惑星に取り残されたちょっぴり寂しげな星の王子様のよう。「Closer」はファンのことを想って書いた曲だ。

ここからはモニターに若い男女の悲恋を描いたショートムービーが映し出され、その後、舞台中央にピアノの弾き語りをするジェジュンの姿が忽然と現れた。曲は「Life Support」。失恋の痛みを熱唱するジェジュン。うまい。歌唱力も表現力も格段にアップしている! ペンライトを握りしめて聴き入るファン。会場全体がジェジュンの歌声に吸い込まれていく。その後はセクシーな黒のシャツに着替え、大人っぽいクールなイメージの「Blues」に続いて「Love You Death」を披露する。ジェジュン得意の高音と、ギターのコラボがまた素晴らしい。


ジェジュンの顔を憶えていますか?

ここで一旦、歌はお休み。「あなたはジェジュンの顔を憶えていますか?」という名のジェジュンの似顔絵コーナーが始まって、まずはパク・ユファンが登場。「漫画のキャラみたいなイケメンですよね」とジェジュンの魅力を笑顔で語り、絵を披露。次はGUMMYが出てきて「私たち似ているといわれたこともあるのよ。ジェジュンは輪郭は細いけど男らしい顔よね?」と自信作を公開。ラストを飾ったのはジュンス。「ジェジュンは彫刻みたいな顔ですよね。目が印象的。熱くてカリスマがある」と言って描いたのは、1個の大きな目と唇だけ! ピカソもびっくりのジュンス画伯に場内爆笑。このあと、ファンから寄せられた似顔絵が披露された。スケッチ風、イラスト風、カワイイのからセクシーなものまで。さまざまなジェジュンの顔にファンの愛が感じられた。


(c)2016 C-JeS Entertainment Co.,Ltd. All Rights Reserved
ここからまたライブが復活。細身の赤い皮ジャン姿のジェジュンが登場すると会場は一気にノリノリに。立ち上がれないのが歯がゆい~。歌ったのは映画「NANA」の主題歌として大ヒットした「Glamorous Sky」。この日唯一の日本語曲。ステージ上を右へ左へと動きまわるカッコいいジェジュン。思わずジェジューンと声がかかる。続いての「Good Morning Night」には、ファンもばんばんかけ声を入れてさらにヒートアップ。興奮が最高潮に達した瞬間、金のテープがバーンと弾けて客席に降り注いだ。


軽快なトークでファンとの呼吸も

ここでジェジュンのMC。息をはずませながら「みんな、疲れてない? ウソ~疲れてるでしょ?」と語りかけてくる。まるでその場にいるみたいにファンと呼吸があう。さすがトーク上手。「一応ね、ここにいるジェジュンは本物じゃないからね、どんなに歌って踊っても疲れないね(笑)」と言って爆笑を誘う。「みんな、まだ力残ってる?」「イェ~イ!」「じぁ、もっと楽しい曲を歌うよ!」と「Welcome To My Wild World」を熱唱。大きく手を振ってファンをあおる。ここでバンドメンバーの紹介があり、ジェジュンを盛りあげ最高の演奏を聴かせてくれたミュージシャンに熱い拍手が贈られる。そこにジェジュンが再登場。リズムに乗って自由にスイング。革ジャンの前を全部はだけ、細マッチョな腹筋全開の姿がセクシーすぎる! 歌うは「Good Luck」。白地に赤の模様が入ったジャケットに着替えて「東京のみんな~!楽しんでますか?ここまでたくさん歌ってきたけど残念ながら最後の曲です」ファンが「え~」「やだ~」と返す間をきっちりとってから、「でも、まだ新しいアルバムのなかから聴かせてない曲が残ってますよね。アルバムのタイトル曲です」そして歌ったのは「Love You More」。弾けるロックサウンドに気持ちよさそうなジェジュン、カッコいいさびの部分が耳に残って離れない。その盛り上がりのまま、おなじみの「Mine」に突入。ステージも客席もテンション・アップ、ついでに炎もバーンと上がった。

アンコールにはゴージャスなシルバーのジャケットを着て出てきたジェジュン。これまたおなじみの「One Kiss」を熱唱。そして最後の曲は最新アルバムのなかから洋楽風の重厚なバラード「Run Away」。これまでのジェジュンのイメージとはまったく違う歌い方、声の質。新たな可能性と才能を感じさせる曲だ。歌い終わった瞬間、煙となってふっと消えたジェジュンに客席から思わず驚きの声があがった。さよならも言わずに去るなんて、ちょっぴり寂しいけど、役目を終えたジェジュンは仮想空間に戻っていったということか。最後にまた「みんなが信じるなら彼はつねに私たちと一緒にいるだろう」という宇宙からのメッセージ(?) が聞こえてきた……。


この日たしかにジェジュンはステージにいた

エンディングを飾る映像には、レコーディング風景とコンサートのメイキングが映し出される。すっぴんで録音スタジオに入るジェジュン。打ち合わせする真剣な表情。そして、グリーンバックの前で、たったひとりで熱唱するジェジュン。でもこのとき彼の頭の中には、たくさんのファンが見えていたに違いない。ひとりで一生懸命トークする姿を想像すると愛しい。おまけは会場のファン全員参加によるジェジュンへのサプライズ企画。「それ知ってる?(In Case Your Heart Forgets)」を合唱し、いっせいにカードを掲げるとピンクのハートマークンの中に「J」の人文字メッセージが浮かび上がった。ちなみに前日の9日には、同じような企画でジェジュンの誕生日がお祝いされた。

本人不在という初のケースで、行く前、見る前は戸惑いもあった今回のコンサート。だが見終わったあとはみな「行ってよかった!!」の一言だったのではないだろうか。なによりもジェジュンのアーティストとしての魅力が圧倒的な印象を残した。実は今回のニューアルバムはジェジュン自身が2曲を作詞作曲したほか(「Blues」と「Good Luck」)、7曲の作詞を手掛けている。これこそがジェジュンが今やりたい自分の音楽。しかも去年の春、入隊直前の恐ろしく多忙な時期に、ファンのためにこれだけのものを準備してくれていたという事実にも驚かされた。この日、たしかにジェジュンは代々木にいた。たとえ肉体は現実でなくても、その魂はファンとともあった。12月の除隊まであと10ヶ月。ジェジュンの生声を聴ける日が本当に待ち遠しい。

ライター:望月美寿

2016 KIM JAE JOONG 2nd Album Hologram real live Concert in Japan
日時: 2016年2月10日(水) 開演19:00
会場: 代々木第一体育館

【SETLIST】
01. Just another girl
02. それ知ってる?(In Case Your Heart Forgets)
03. Breathing
04. All That Glitters
05. Closer
06. End of The Road
07. Life Support
08. Blues
09. Love You Death
10. Glamorous Sky
11. Good Morning Night
12. Welcome To My Wild World
13. Good Luck
14. Love You More
15. Mine
16. One Kiss
17. Run Away

記者 : Kstyle編集部