チェ・ヨンジュン振付師、神話のそばで“神話”を作る

10asia |

パフォーマンスがないアイドル音楽を想像すると、何か寂しい感じがする。アイドル音楽は歌、ビジュアル、そしてパフォーマンスという3拍子を揃えて繰り広げられるコンセプト音楽だ。そのうち、パフォーマンスは見る音楽の頂点を成す非常に重要な要素で、K-POPの韓流ブームの核心である。上手く作られた一つのポイントの振り付けが歌の人気をリードすることもある。アイドルがカムバックするたびに、YouTubeにたくさん掲載される海外ファンのダンスカバー映像もパフォーマンスの重要性を示す。そのため、パフォーマンスを作る振付師の役割もともに大きくなった。約3分間のステージのために、アイドルグループの後ろで汗を流す振付師に会ってきた。

チェ・ヨンジュン振付師の存在をはっきり認識するようになったのは、神話(SHINHWA)の「標的」の時からだ。神話が2015年に発表した12thフルアルバムのタイトル曲「標的」は、各メンバーに合わせたオーダーメイドパフォーマンスに、6人のメンバーそれぞれの異なるラップとボーカルスタイルが調和した。口笛の導入部から最後のエリックのラップまで、起承転結がはっきりしたまとまりのあるパフォーマンスは、まるで短編映画のようで目を離せなかった。各メンバーのカラーや歌の魅力まですべてを生かしたパフォーマンスだった。そんな「標的」のパフォーマンスを作ったのがLIVEWORKS COMPANYのパフォーマンス・ディレクター、チェ・ヨンジュンだった。

チェ・ヨンジュン振付師は2013年、神話と「This Love」の活動を通じて初めて会った後、ミヌのソロ10周年アルバム、チョンジンのソロアルバム「REAL」、ヘソンのアルバムまで神話との縁を続けていった。その間、SEVENTEEN、UP10TIONなど浮上する新人グループのパフォーマンスも担当した。その2つのグループはいずれも起承転結とまとまりのあるパフォーマンスで注目されたグループだ。チェ・ヨンジュン振付師の力量を垣間見ることができる。

チェ・ヨンジュン振付師の秘訣は“ストーリーテリング”と“歌手に合わせたオーダーメイドパフォーマンス”にある。彼は歌をダンスで語ろうと努力し、それよりも先に歌よりも歌手にもっと似合うパフォーマンスを探そうと努力した。チェ・ヨンジュン振付師だけの確実なカラーが神話と出会い、さらに大きな光を放ち始めた。神話のおかげで本格的に翼を広げたチェ・ヨンジュン振付師は、「少年24」プロジェクトで跳躍の準備をしている。

「少年24」プロジェクトはCJ E&M音楽事業部門とLIVEWORKS COMPANYの超大型K-POPプロジェクトだ。選抜された男子アイドル24人が常設公演会場で1年365日、ライブで公演を進行する新概念のK-POP公演プロジェクト。ブロードウェイのような常設K-POP公演を通じて外国人観光客を誘致して新しい韓流文化を主導するという計画だ。神話から「少年24」まで、チェ・ヨンジュン振付師は神話のそばで新たな神話、ストーリーを描き始めた。

チェ・ヨンジュン振付師:神話、SEVENTEEN、UP10TION、少年24

―現在、ヘソンさんが「Romantic Comedy Drama」で活動しています。ソロ歌手としてはバラード歌手のイメージを持っていたヘソンさんがダンスに挑戦したので驚きました。ダンス曲を披露するようになったきっかけは何ですか?

チェ・ヨンジュン:会食でその話が出てきました。ヘソン兄さんから「ヨンジュン、僕がダンスを踊ったらどう?」と聞かれて、その時は真剣な話だと考えず、ただ踊りたいのかなと単純に思いました。本当にダンス曲をやるようになるとは僕も知りませんでした。最初は振り付けをどんな風に作ればいいだろうと心配しました。ヘソン兄さんの場合は同じダンスを踊ってもヘソン兄さんだけが表現する繊細な感じがあるので、違うコードで作ろうと努力しました。

―「Romantic Comedy Drama」を初めて聞いた時、どうでしたか?

チェ・ヨンジュン:白黒のように二重的な感じに聞こえました。歌は暗くて落ち着いた雰囲気なのに、歌詞は甘いんです。だから振り付けもそんな感じで作ってみようとたくさん考えました。

―手を使って花を表現する振り付けが印象深かったです。

チェ・ヨンジュン:「Romantic Comedy Drama」の振り付け自体がヘソン兄さんの長所を生かした振り付けです。ヘソン兄さんはダンスの実力がすごく優れた方ではないから、長所をより浮き彫りにさせました。ヘソン兄さんは足が長くて、手がとてもきれいです。それで、手を強調しながらバラードの落ち着いた感じで表現すべきだと思いました。曲の中にちょうど「花」や「魔法使い」という歌詞があって、呪文を唱えるように表現したらぴったり合いました。

―ヘソンさんは今回のアルバムを作りながら本当に熱心に準備したように見えました。

チェ・ヨンジュン:最初は僕が上手く作れるかなという悩みや不安が大きかったです。でも、少しずつヘソン兄さんに合う振り付けに修正していたらぴったり合いました。ヘソン兄さんもたくさん練習して、集中しました。ヘソン兄さんが本当に上手くやりたがっているという印象を受けて、僕もより熱心に頑張れました。

―「Romantic Comedy Drama」には神話の「All Right」の椅子ダンス、チョンジンの「WowWowWow」のポイントダンスなど、神話との繋がりが盛り込まれたダンスもあります。その繋がりダンスを考えるようになったきっかけがありますか?

チェ・ヨンジュン:神話というグループはメンバーそれぞれがソロアルバムを出して活動を行います。最近のアイドルにもそんなグループがありますが、神話はユニットよりもソロで活動を続けています。それで、他のアイドルとは違うストーリーテリングを作りたいと思いました。神話のダンスだけのストーリーテリングを作りたかったんです。12thフルアルバムの「All Right」の椅子ダンスをファンたちがすごく気に入ってくれました。「All Right」のヘソン兄さんのパートに一人で踊るダンスパートがありますが、ファンたちがそれを特に気に入ってくれました。それで「Romantic Comedy Drama」の振り付けを作りながら「All Right」のヘソン兄さんのパートに繋がる続編を作りたいと思いました。まるで映画の続編が公開されるようにストーリーを作りたいと思いました。それに、チョンジン兄さんも指ダンスがポイントなのに、ヘソン兄さんも指がポイントになったんです。象徴的な何かが入れたくなりました。今後、各メンバーの指のポイントを作ってみようかなとも思いました。ファンの立場ではそんなパフォーマンスを見たら深い意味を感じるだろうと思いました。

―神話とはどうやって一緒に仕事するようになりましたか?

チェ・ヨンジュン:「This Love」の時からミヌ兄さんが僕を可愛がってくれた気がします。僕が好きなスタイルや振り付けがミヌ兄さんに良い作用をしたと思います。それ以来、ミヌ兄さんと「ダンシング9」で一緒に仕事をすることになって、「ダンシング9」の仕事をしながら最善を尽くしました。感謝すべきなのが、ミヌ兄さんが僕にソロアルバム「Taxi」を任せてくれて、その時から少しずつ信頼が生まれたようです。

―神話と仕事をするなんて、不思議な感じがしたと思います。

チェ・ヨンジュン:幼い頃、僕も神話のダンスを踊った1人のファンです。神話に憧れました。僕はいつもミヌかチョンジン担当でした(笑) そんな方々に僕が振り付けを教えることになって冷や汗がすごかったです。最初はただとても不思議でした。実は今も不思議です。慣れましたが、たまに「僕が神話の振り付けを作るなんてとても光栄だ」とふと思います。だから、もっと上手くやりたいです。また、以前よりも憧れる気持ちが大きくなりました。

―最初に神話から一緒にやろうと言われた時、どうでしたか?

チェ・ヨンジュン:信じられなかったです。17年目のパフォーマンスチームであれば、やっていないことがほぼないんです。その中で新鮮なものを見つけることは本当に大変です。また、ミヌ兄さんとチョンジン兄さんはダンスに関連した資料を普段からたくさん見るはずだから、僕はそれ以上の資料を見なければならず、そうしなければこの人たちを引っ張っていくことができないので負担になりました。

―神話を担当してからもっとたくさん勉強したと思います。

チェ・ヨンジュン:また、確実なコンセプトが必要だからたくさん研究しました。ダンスばかり踊って、かっこよくて華やかなことだけを見せるのは、最近他の人もたくさんやっているので、神話は何か違う、確実な存在感を出せるようにお手伝いしたいと思いました。

―神話のパフォーマンスの中で何が一番好きでしたか?

チェ・ヨンジュン:今も「ヘギョルサ(解決師)」からすべてのパフォーマンスを覚えています。本当にたくさん真似しました。その中でも「ヘギョルサ」が一番好きです。そんなダンスはその時、ほぼ初めて出ました。とても新鮮で、踊りたかったです。「T.O.P.」も本当に素敵でした。今の僕は実力もないのに知ったかぶりをする感じです(笑)

―神話と絆を感じる時はいつですか?

チェ・ヨンジュン:僕を信じてくれる時です。僕が振り付けを制作して映像で送ったらフィードバックをくれますが、良いか良くないかではなく、これをこんな感じに変えたらもっとよく似合うだろうなど、批判せずに僕を尊重してくれます。そこに中身をもう少し付けて良い作品を作るように導いてくれます。

―「標的」の振り付けも本当に素晴らしかったです。どこでインスピレーションを受けましたか?

チェ・ヨンジュン:映画「技術者たち」からインスピレーションを受けました。「技術者たち」はそれぞれ専門性を持った数人が集まって一つの事件を解決する映画です。「標的」を聞いて壮大ながらもそんな感じがして、それぞれにキャラクターを与えたいと思いました。導入部の口笛の音が出る時は、武林の達人たちが竹森で戦うように影が動きながら見えたり見えなかったりする風景を演出しようとしました。ドンワン兄さんの最初のパートでは、実はドンワン兄さんのキャラクターはサイコパスでした。それに全体的にストーリーを付けました。ミヌ兄さんは猫のように敵陣に侵入する姿、ヘソン兄さんはスナイパーで敵を狙うなどの動作をします。アンディ兄さんは捕虜でした。捕まったアンディ兄さんをミヌ兄さんが救出します。チョンジン兄さんは行動大将です。強い火力で攻撃します。エリック兄さんは最後のボスです。このストーリーを自ら演出することはできないものの、ストーリーを見たような感じで作り上げたかったです。ただかっこよくて華やかなダンスではなく、見る人が一緒に感じられるダンスです。映画を見て「もう2時間も過ぎた」と思うように、パフォーマンスもそんな感じに披露したかったんです。

―「標的」で神話のメンバーたちにそれぞれのキャラクターを与えましたが、実際のメンバーたちの魅力はそれぞれどうですか?

チェ・ヨンジュン:ドンワン兄さんはいつも明るいです。腹を立てることがなく、隣にいると気分が良くなります。最初、神話の兄さんたちとあまり親しくなかった時、いつもドンワン兄さんの方から先に話しかけてくれました。いつも笑いながら話します。物質的にもよく面倒を見てくれます(笑)

ヘソン兄さんは完璧主義者です。完璧じゃないと、見せようとしません。実は最初、「標的」の時も、ヘソン兄さんがあんなに上手く躍るとは思いませんでした。リフレインの振り付けが難しい方なのでメインボーカルのヘソン兄さんが上手くサポートできるかなと思いましたが、結局一番上手く消化してくれました。ダンスの線が本当にきれいなんです。でも、そんなに熱心に努力する姿を見せてくれないんです。自ら実力を伸ばせるタイプです。

アンディ兄さんは他の兄さんたちに見せる愛嬌が多いです。見ると、いつも兄さんたちにセミのようにくっついています(笑) 神話の中でチョンジン兄さんがムードメーカーだと言われていますが、実はアンディ兄さんが本当のムードメーカーじゃないかなと思います。

チョンジン兄さんは本当に面白いです。その他のことでは説明できません。24時間がバラエティ番組で、5分ぐらい笑わなかったらぎこちないほどです。真面目な雰囲気でも面白くて、ダンスへの意欲が強いです。

エリック兄さんはリーダーとしてのカリスマ性があります。他の兄さんたちは振り付けの練習の時、頻繁に会話して意見を交わしますが、エリック兄さんは静かにしています。練習が終わるまで静かで、本当に解決できないものを一気に解決します。きちんとまとめるんです。他の兄さんたちもエリック兄さんがそう言うと、全員がその言葉を受け入れます。

ミヌ兄さんは“1+1”が“2”ではなく、“5”になる人です。少しの形を作ってあげるだけでも、それにディテールをつけます。本当にすごいんです。生まれつきの感覚を持っています。僕は長い間ダンスを研究して分析したのにもかかわらず、ミヌ兄さんと話すといつも新しいものを感じます。天才的です。僕のようなダンサーたちは悔しいです(笑) むしろ僕の方が学ぶ時が多いです。

―神話を担当する前と後のチェ・ヨンジュン振付師も変わったと思います。

チェ・ヨンジュン:振り付けを解釈する方法が変わりました。既存の違うグループを担当した時は、彼らが無条件にかっこよく見えるように振り付けを作りました。でも、神話を担当してからは、それぞれのキャラクターを見せられる雰囲気に焦点を合わせました。また、SEVENTEENとUP10TIONの振り付けも担当していますが、僕が神話を担当したから彼らの振り付けをより上手く作ることができました。特にSEVENTEENは本当に優れた実力を持っています。振り付けを作る時、制約を置かずに作ることができます。作った振り付けをSEVENTEENに教えると、彼らはその振り付けに自分だけの魅力を盛り込みます。実力が落ちる人がいなくて気楽です。ホシと一緒に作業します。

―今年、「少年24」というプロジェクトも一緒に行う予定ですが、パフォーマンスの計画はありますか?

チェ・ヨンジュン:従来であれば“テレビ用の振り付け”を作りますが、それは“公演用の振り付け”です。テレビ用の振り付けは角度によってきれいに踊ることが重要ですが、公演用の振り付けははっきりとよく見えることが重要です。「少年24」は今まで見たテレビ用の振り付けよりも、公演を中心にした振り付けを主に披露する予定です。動線やポジションがその公演で表現されると思います。ステージのほかに違う部分もすべて使いたいです。

―振り付けを作る時、どこでインスピレーションを受けて作業を始めますか?

チェ・ヨンジュン:例えば、今僕がヘソン兄さんの振り付けを作るとしたら、自分がヘソン兄さんであるように演技をします。繊細に演技するためにヘソン兄さんの関連資料をすべて見ます。この人の個性や長所などキャラクターについて把握します。その次に振り付けを作りながら考える1つ目が、「ヘソン兄さんにはこんな振り付けが似合う」です。2つ目はヘソン兄さんに合わせた振り付けが歌とよく似合うのか、3つ目はファンや大衆が見る時の2つの視線を分けます。ファンが見る時はヘソン兄さんがセクシーだったり、甘い姿が好きで、大衆は新鮮な姿を見たがります。その2つの視線をミックスすることが本当に難しいです。一つの振り付けを作る時、約2週間は資料だけを見て音楽だけ聞く気がします。

―振り付けを作る時、必ず守る基準はありますか?

チェ・ヨンジュン:僕の振り付けにはいつも“起承転結”があります。終わった後にすっきりする感じ、「あ~」と納得できるような振り付けを作る振付師になりたいです。曲によってはミュージカルのような振り付けを作ってみたいです。退屈にならず、目を離せない構成の振り付けです。歌でストーリーを話してあげたいです。歌に振り付けを付け足すのではなく、歌と一緒に呼吸する振り付けを作りたいです。

―どうやって振付師の道を歩むようになりましたか?

チェ・ヨンジュン:わずか8年しか経っていません。20代の頃は毎晩ライブDJをやっていました。僕は全羅道(チョルラド)光州(クァンジュ)出身で、ただ地方でダンスを踊っていた学生でした。ショッピングモールの小さなステージでダンスを踊りました。でも、地方でダンスを踊っていても何か足りない感じがしました。その当時はYouTubeなどの動画サイトが多くなくて、直接ダンス教室に行ってダンスを習わなければならなかったのですが、そんな渇望を解決できる場所はソウルでした。家では反対されましたが、少しのお金を持ってソウルの考試院(コシウォン:各種国家試験を受ける全国の受験生たちが集まって勉強できるように作った長期宿泊施設)で暮らしながらプロの振り付けチームに通いました。お金がなくてダンスを踊りながらお金を稼ぐ方法はないかなと悩んでいるうちに、20歳になるタイミングで“ライブDJ”というナイトクラブでダンスを踊る仕事に就きました。1ヶ月働いてわずか75万ウォン(約7万4千円)をもらいました。でも、その時の僕にとっては本当に大きな金額でした。ライブDJは20歳に始めて29歳の時までやりました。昼は着実に放送活動をしながら、夜はライブDJをやりました。でも、ダンサー生活を昼間だけ行っていたから人より遅れて振付師になった気がします。知り合いがあまりいなくて人脈もなかったから、どんなに熱心に練習しても上手だということをわかってくれる人がいなかったんです。そんな僕をミヌ兄さんが見出してくれました。そして、ミヌ兄さんに今まで研究してきたものを見せることができました。神話を通じて、神話のソロアルバムを通じて。今は忙しくて大変ですが、お腹が空いた時期もあったのであまり眠れなくても大丈夫です。

―以前より幸せに見えます。

チェ・ヨンジュン振付師:以前よりは確実に幸せです。3年前は買いたいものも買えませんでしたが、今は買いたいものを買えて食べたいものも食べてます。以前より少し堂々として自信が湧いてきました。もっと成功したいです。

―一番やりがいを感じる時はいつですか?

チェ・ヨンジュン振付師:すべての振り付けがそうですが、1位を獲得する時です。ダンサーや振付師も1位を獲得した時は涙が出そうになります。もちろん、人々は僕に歓声を送ってくれないのですが、そのステージで僕のサポートが少しでも役に立ったと思うと胸がいっぱいになります。練習生の場合は実力が上達しているのを見ると僕の教えが無駄ではなかったと思えて嬉しいです。練習生たちがデビューして上手くいった時はもっと嬉しいです。

―ステージの前に立って自分のダンスを披露したいという欲求はありませんか?

チェ・ヨンジュン:幼い頃はそんな欲求がありましたが、今はまったくありません。僕がそばで手伝うことでヘソン兄さんがステージで輝いたらその方がもっと幸せです。僕が輝くのは逆に恥ずかしいです。ヘソン兄さんが輝くようにサポートすることが僕の仕事です。助演の幸せです。最初から歌手は考えたこともないです。ダンスが本当に大好きです。いつもテレビを見ても歌手ではなく、ダンサーを見ていました。「あのステージは誰が作ったんだろう」と思いました。そのステージを歌手ではなく、ダンサーが作ってトレーニングするということを知ってから自分の道は振付師だと思いました。

―神話以外に好きなグループはありますか?

チェ・ヨンジュン:まずはEXOです。僕はEXOのカイ、SHINeeのテミン、BIGBANGのSOLが好きです。ダンスの基準で見た時、その3人は表現できるすべての基準が最上限まで上がった状態のようです。いつも注目しています。SMのパフォーマンスが好きな方です。また、ケノエ・マドリッド(KEONE MADRID)というGOT7の「君がすれば(If You Do)」とB1A4を担当した外国人の振付師、トニー・テスタ(Tony Testa)の振り付けが好きです。他にも好きなK-POPの振付師が本当にたくさんいます。海外の振付師の華やかなスキルはいいですが、結局、大衆が好きな振り付けはK-POPの振付師が作り出します。韓国の振付師が海外の振付師の試案を修正して大衆が好きな魅力を引き出します。

―振付師以外に自分の領域を広げる計画はありますか?

チェ・ヨンジュン:振付家になってからまだそんなに経っていないので深く考えたことはないですが、将来については考えています。実はそれが公演演出の方ではあります。いつか時間があれば、きちんと勉強したいです。

―振付師を夢見る人々に一言お願いします。

チェ・ヨンジュン:一つのジャンルに偏らないでほしいです。振付師として最も重要なのは我執を捨てることです。自分の考えを捨てて、ジャンルを区分しないということはなかなか難しいです。また、生計が苦しくて辞める人が多いです。確かに、多くのダンサーの中で振付師として成功する人はごく少数ではあります。でも、僕はその振付師になるためにたくさん研究しました。

―ダンスの魅力は何ですか?

チェ・ヨンジュン:歌を聞く時、一番よく聞こえるものはメロディーライン、歌詞、そして人の声です。でも、ダンスは小さなリズムとビートを表現してその繊細な部分を聞こえるようにしてくれます。もっとディテールに音楽を楽しむようにしてくれる気がします。

―ダンサーの道を辞めず、歩み続けるようにしてくれた原動力は何ですか?

チェ・ヨンジュン:「絶対にダンスを諦めない!」と思ったことはありません。でも、ダンスは他のことよりも上手くできる僕だけの才能でした。ただ、生計が苦しくてビジョンもないから、その当時に諦めたことがあります。1年ぐらいでしたが、諦めた時、僕はダンスを踊りながら幸せだったということが初めて分かりました。諦めて数ヶ月が経ったら気づきました。諦めた時は自分らしく生きることができなかったんです。ダンスを踊ることで自分らしくなれたんです。

―2016年の目標はありますか?

チェ・ヨンジュン:とりあえず「少年24」に集中する予定です。パフォーマンスの中で本当にたくさん研究して努力するつもりです。様々な振付師との共同作業を通じて海外でも見られない本当に特別な、公演を見た観客が必ず見なければならないとお勧めするような公演を今作っています。実はアイドルの公演といえば、一般大衆は軽く見る傾向があります。ミュージカル「キャッツ」「グリース」と「少年24」を見た時、「少年24」は彼らだけの世界のような感じがして、アイドルに対する先入観もあります。でも、そんな先入観が浮かばないように、ダンスで感じさせてあげたいんです。そのためにたくさん努力するつもりです。

―チェ・ヨンジュン振付師だけが持つ武器は何ですか?

チェ・ヨンジュン:自分でダンスを踊る時はかっこよくて華やかなダンスをよく踊りますが、歌手の振り付けを作る時はそのグループのそれぞれのメンバーになろうと努力します。それで、SEVENTEEN、UP10TION、神話の振り付けを人々がもう少し認めてくれたと思います(笑) もしヘソン兄さんの曲がチョンジン兄さんのものだったとすれば、違う形で解釈できているでしょう。僕はいつも歌によく似合うことよりも、その歌手によく似合うことを最優先に考えます。

―最後に神話に一言。そして、覚悟をお願いします。

チェ・ヨンジュン:まだ未完成だった僕を見出してくれて、少しでも完成に近づける機会をくれて本当にありがとうございます。そのおかげで他の活動も上手くいっています。実は振付師として、一つの分野の専門家としてこんな話はプライドに傷つくかもしれません。でも、ライブDJをやったのも、今の僕がいることにおいて多くの影響を与えてくれました。スタートは遅かったですが、軽くない振付師になりたいです。

記者 : パク・スジョン、写真 : ク・ヘジョン、翻訳 : ナ・ウンジョン