ソン・ジェヒ「理想のタイプは作品によって変わる…今はオム・ヒョンギョン」

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先日最終回を迎えたKBS 2TVの毎日ドラマ(月~金まで放送されるドラマ)「きっと☆うまくいくよ!」のユ・ヒョンジュンは周りの善良な人々の間でとりわけ複雑そうに見えた。時には出処のない愛が執着のように表現されたり、真実を知らないまま残忍だという悪評を聞かなければならなかった。

最後まで複雑な心境の変化を経験したユ・ヒョンジュン。俳優ソン・ジェヒは複雑なユ・ヒョンジュンを視聴者に理解させるように努力した。“教会のお兄さん”のような魅力を持っているソン・ジェヒにTVレポートが会った。ソン・ジェヒは“エネルギーを入れなければならないところ”を正確に知る賢い俳優だった。


「きっと☆うまくいくよ!」ユ・ヒョンジュン、そして俳優ソン・ジェヒ

ソン・ジェヒはユ・ヒョンジュンを「難しかった」という言葉で要約した。目的が明確ではなかったからだ。クム・カウン(チェ・ユニョン)の前では頼りがいのある男になったが、カン・ヒジョン(オム・ヒョンギョン)の前では悪い男に変わった。恋人や子供に対する絶対的な愛もなかったため、視聴者の理解を得ることが難しかった。

「脚本家さんがとりわけユ・ヒョンジュンに状況説明をあまりくれなかったので102話の間、ずっと俳優として悩みました。今考えてみると脚本家さんが僕に直接行動の理由を見つけてほしいと求めていたのかもしれないので、感謝の気持ちもあります。実は最後までユ・ヒョンジュンがどんな人なのか混乱しました。だからなのか、食堂のおばさんたちも僕のことをただ悪いやつではなく、気の毒に思ってくれました(笑)」

最終的にソン・ジェヒが解釈したユ・ヒョンジュンは“まさに私たちの姿”だった。目的を忘れた時は悪い一面が出たり、綺麗な女性には単純な好感を持つユ・ヒョンジェが、現実の私たちの人生とあまり変わらないというのだ。Jブランドの代表としてのユ・ヒョンジュンは、中立的に中心を取ろうとする姿も見せた。ソン・ジェヒは「仕事をする時には毒気を含む」というところをユ・ヒョンジュンとの共通点に挙げた。

クム・カウンとカン・ギチャン(クァク・シヤン)の甘いラブストーリーを羨ましがるのも“普通の人”ユ・ヒョンジュンの大きな特徴だ。実際ソン・ジェヒは紳士的なルックスとは異なり、一方的に愛をささげるキャラクターをたくさん演じてきた。2013年のMBC「ホジュン~伝説の心医~」から、2014年のSBS「私だけのあなた」、KBS「家族なのにどうして ~ボクらの恋日記~」まで、すべてそうだ。

「作品の中で恋をしながら毒薬を飲んだり、失明をしたりしながら、様々な苦労を経験しました。その上、現実でも恋愛をしていません。ドラマの影響ではないかと思います。このような役はもうやめたほうがいいかなと思います(笑) 理想のタイプも作品によります。『家族同士で何するの』の時はキム・ヒョンジュ姉さんが、『全部うまくいくよ』の序盤はチェ・ユニョンが、後半はオム・ヒョンギョンが本当に可愛かったからです。SNS上でも女優とのツーショットにとりわけコメントの反応が熱かったです」

遅れて愛を取り戻したユ・ヒョンジュンと違って、ソン・ジェヒが感じた「きっと☆うまくいくよ!」の現場の雰囲気は本当に最高だった。彼は「角々しい性格の人がまったくいないから撮影現場に遊びにいく気分だった」と話した。メッセンジャーアプリのグループチャットのメンバーであるチェ・ユニョン、オム・ヒョンギョン、クァク・シヤン、ホ・ジョンミン、ハン・ボルム、イ・ジュウ、チェ・ジェファンとは撮影が終わった後もみんなでカン・シニルの演劇を観覧した。

ソン・ジェヒが自ら“人生の作品”と挙げた「私だけのあなた」の時から撮影現場で余裕を持つことができたという。キム・スヒョンと共演した2012年のMBC「太陽を抱く月」、パク・ヘジンと共演した映画「雪海」はソン・ジェヒがデビュー作だと考える作品だが、その分残念なことも多い。

「『雪海』は『太陽を抱く月』の打ち上げの翌日から釜山(プサン)で撮影に入りました。演技を始めた頃だったので当時は現場が怖かったし、セリフを覚えることも大変でした。余裕のあったキム・スヒョンさん、パク・ヘジンさんにリードされました。気がついた今は現場が楽ですし、仕事をするのが楽しいです。演技をすればするほど僕の仕事(天職)だと思えます」

撮影現場で楽しいソン・ジェヒと違い、「私だけのあなた」「きっと☆うまくいくよ!」のカン・ソンジェとユ・ヒョンジュンは悪いことをたくさんした。ソン・ジェヒは「精神的に疲弊し、悪い印象に変わった」と悪役の苦悩を打ち明けた。毎日台本の悪いセリフを読んで、口から出すことに対する副作用なのだ。彼は良い役をはじめ、様々な役割のオファーが来ることを待っていた。

「悪い行動ばかり演じると疲れる時があります。もともと僕は少し気の抜けた性格です。他人に頼ろうとする役もやってみたいです。時代劇ではもう一度真剣な人物を演じたいです。俳優たちは衣装の影響をたくさん受けますが、韓服(ハンボク)を着るとその時代に戻ったような気がしますから」


幸せな暮らし、38歳のソン・ジェヒ

ソン・ジェヒはKOICAの広報大使として活動している。2013年、TV朝鮮の「KOICA ROAD」と2015年のMBC「人が好き」を通じてアフリカ・コンゴのキンシャシャとミボティ村を訪れる様子を公開した。コンゴを再び訪れるという意思を示した彼は、ルワンダ境界地域の反軍によって拉致された子供たちを救出し、保護する活動にも興味を見せ、参加を望んだ。

「助けられたコンゴの子供たちの表情が韓国人よりはるかに明るいので衝撃を受けました。誤った文化を伝えて彼らの幸せを奪うことになるのではないかと思いました。ボランティアという大げさな表現より、分かち合い、助けるという言葉を使いたいです。2度目に訪れた時はコンゴの住民たちが僕を覚えていてくれました。たくさん歓迎されて、僕にとっては故郷のようなところです」

ソン・ジェヒは海兵隊の儀仗隊出身だ。2013年にはミュージカル「僕らのイケメン青果店」にも出演した。旅行も好きだ。カン・シニルの演劇観覧中に「舞台に飛び込みたい」と思うほど溢れる才能を持っていた。

「僕は面白い人です。演技で見せることができなかったバラエティセンスを見せるためにMBC『本物の男』『覆面歌王』、SBS『ジャングルの法則』に出演したいです。生き残ることや適応することには自信がありますから。でも僕のバラエティセンスと歌唱力を信じない事務所の方々が僕を引き止めるから引き続きアピールしています(笑)」

最後にソン・ジェヒは人生と結婚に対する価値観を明かした。18年間一人暮らしをしたが、「より多く一緒にご飯を食べて、顔をよく見るために」1年3ヶ月前から親と一緒に暮らし始めたという彼は「『家族同士で何するの』の撮影に参加しながら家族の大切さを再び感じた」と説明した。

「親とは今も二人で映画を見に行くほど仲がいいです。結婚したら僕も“家男”になりたいです。外で友達としょっちゅう会うより、本当に大切な対象によくしなければならないと思います。それが本当の“男の中の男”だと思います」

「僕のモットーは“幸せな暮らし”です。そうなるために人の顔色をうかがわないように努力します。今は人生のちょうど半分を生きたと思います。目標のせいで現在の幸せを失いたくありません。幸せな、熱心にする、よい影響力を及ぼす俳優になりたいです」

記者 : イ・ホヨン、写真 : キム・ジェチャン