【REPORT】ファンとの距離感をギュッと狭めたB1A4「今日から僕らは“歌手とファン”じゃなくて、友達!」

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B1A4の2016年はジャパンツアーからスタート! 「The Great World of B1A4」というタイトルのもと、1月11日から31日にかけて日本を縦断し、全国7会場で9公演を行った。彼らが東京公演の会場に選んだのはNHKホール。2012年の日本デビュー時、NHK音楽番組「MUSIC JAPAN」収録のために訪れた思い出の舞台だ。ここでは14日の模様をレポートする。


僕らが等身大であるために!

導入部は彼らの練習風景を映したモノクロ動画。その後、5人は突然小さくなり、「元に戻る方法を探さなきゃ!」と慌てることに。元の大きさに戻る、つまり、“自分たちが等身大であるために必要なことは?”を追求する……それがこのコンサートの柱になった。

イエローのサインライトが揺れる中、舞台にせりあがって来た5人。バックには白い雲が流れ、ホワイトスノーに包まれたステージで「白いキセキ」を歌えば、彼らは奇跡を起こすロマンティックなマジシャンとして立ち現れた。続く「IF…君さえいれば-Japanese ver.-」もじっくりと歌い、序盤はしっかりとした歌唱力を主軸に魅せていく。そしてバロのラップから幕を開けるR&Bチューン「Love is Magic」は彼が途中「Happy New Year」と声をかけ、お年賀モード。終盤には彼の「Let's Go」という言葉を受け、ファンが手を左右に揺らし、会場中がラブリーな雰囲気に包まれた。

続く「SOLO DAY – Japanese ver.-」からはダンスも交え、ステージ上はよりアクティブに変化。スキニーなパンツが5人の華麗な脚の動きを鮮やかに映し出し、バロが「ひとりぼっちだ」と歌えば、客席は一つになって「SOLO DAY」と声を上げる。可愛いプレイボーイがテーマの「おやすみ good night-Japanese Ver.-」はさらにアッパーに転じ、ゴンチャンがサンドゥルをおんぶしたり、その二人が餅つき風の振り付けをしたり。全員が思い思いに自由にハジけ、等身大に楽しむ姿はファンに嬉しいお年玉となった。

続くトークでも彼らは飾ることなく率直に語ってくれた。

「一年の始まりをこうしてBANA(B1A4のファン) の皆さんと過ごすことができて、本当に幸せ。2016年も絶対に、間違いなく、良い年になりそうです。僕たち、一緒に幸せになろう!」(ジニョン)

「今年の活動もがんばって、休みがとれたら、旅行に、例えばワイキキに行きたいです。そして皆さんに会うため、日本にもっとたくさん来ますね! 約束!」(バロ)

「今年はもっともっと日本に来て、(サンドゥルを諭すように) おいしいものを食べたり、遊園地に行ったり。2016年もいろいろな夢を実現させながら、BANAの夢も僕たちが必ず叶えますので、お互い幸せな一年を過ごしましょう」(ゴンチャン)


格好よく、かつ、アーティスティックにアダルトに

新年の抱負を語った後は胸弾む曲を3連発。「この曲を聞くと胸がドキドキします」というバロの曲紹介からスタートした「Beautiful Target -Japanese Ver.-」は思い出の日本デビュー曲。4年前も同じステージで披露したが、当時と違いスーツ姿で演じた新芽ダンスはフレッシュに映り、フロアからは一際高い歓声が上がる。そして「イゲムスンイリヤ~なんで?どうして?」ではシヌゥが格好良さを炸裂させ、途中、脱いだ上着を肩にかけてラップを演じたかと思えば、最後はそれを舞台に脱ぎ捨て、う~~ん、ワイルド! 新芽ダンスとのギャップも相まって、格好良さが倍増だ。

さらに全員がステージいっぱいに広がり、手拍子をとって煽ったアップテンポな「O.K」ではサンドゥルとバロのサランヘ・ポーズに会場が沸く。こうしてフロアをホットにさせた後は「もっと違う世界をお見せしたい。もっと皆の心が温かくなってくれたら!」との思いから、メンバーが歌い繋いでいく「Wait」を披露。それはB1A4による朗読劇のようでもあり、歌がハートに染み入ってくる。またバックに流れるハーモニカの音色も印象的で、続く「サラングテン(恋、あの時は)」のイントロでも感傷的なハーモニカが聴く者の胸を打つ。ここではメンバーが横一列に並んでじっくり歌うが、バロはカメラ目線で指ハートをプレゼントする余裕も見せた。そして前半最後に選んだのは無数に瞬く星を背景にした「Believe in Love」。これら前半ラストの3曲がアダルトに、そしてアーティスティックに飛躍する5人の今を表現していた。
 

夢トークとドリーミンな歌に弾む2016年

スクリーン上の彼らは前半を終えてもまだ小さいまま。街に出れば、大きなサッカーボールやスケートボードに襲われ、一瞬たりとも気がぬけない。そしてライブを予定していた5人はプロペラ機に乗り込み、超特急でライブハウスにGo!
飛行機が着地すると同時に、VTRと現実が一つになり、5人がステージ奥から飛び出した。カジュアル・ファッションにチェンジした彼らが歌ったのは軽やかなエレクトロチューンの「HAPPY DAYS」。シヌゥがラッパーとしての顔を強く見せる「イェッポ」ではゴンチャンが右頬に人差し指をクリクリさせ、キュートさが爆発! そして爽やかなロック調の「You Are a Girl I Am a Boy」ではステージ横のモニター画面で男女のシルエットがジルバを踊り、後半は甘いステージから幕を開けた。
そしてジニョンの「小さくなる夢を見ました。歩いても歩いても中々、進まなくて怖かった」という告白から始まった夢トークでは、ゴンチャンが「僕は小さくなったら、メンバーたちのポケットに入りたい」とコメントし、その可愛らしさにファンは大興奮。バロが「2016年もBANAの皆さんにたくさんの夢を見せてあげます」と夢トークを凛々しく締めた。

そんなトークの後は、ファンを夢見心地にさせる曲がオンパレード。切なくも前向きな「LONELY」では華麗なネクタイダンスを披露し、ゴンチャンが跪きながら歌う「Beautiful Lie」のサビでは会場中が一つになって声を揃え、アーティストとファンの一体感が絶頂に! このタイミングでゴンチャンが「頼むこと(話したいこと) があります」と切り出し、5人がファンへの思いを伝えた。

ゴンチャン「BANAとB1A4は歌手とファン(の関係) でしょう。でも、今日からは僕たちは友達。なぜなら、歌手とファンだとちょっと遠く感じるから。友達は近くでしょ! 今日から友達しましょう!」(指ハートつき)
シヌゥ「ゴンチャンは友達になりたいって言ったけど、僕は永遠にオッパ。BANAがいるから、B1A4がいます。これが重要な部分です」(ダブルの指ハートつき)

バロ「僕もオッパです。BANAのために一生懸命準備をして、ステージに立っていることを幸せに感じています。これからもBANAという友達のために良いステージを準備していきます。(右手を突き出しながら) BANA、B1A4、クロス!」

ジニョン「去年のプレッシャーを忘れて、大切な人たちと大切な時間を楽しもう、と今年に入って心に決めました。今、BANAの皆さんと一緒にいるこの瞬間が本当に楽しいです。大切な人と大切な瞬間を過ごして、本当に幸せです」(指ハートの投げキッス付き)

サンドゥル「みんなと共感したいといつも思います。これからもコミュニケーションがとれるようもっと頑張ります」

ファンとの距離がグッと近づいたことで、メンバーは、この日のテーマの答えをこう確信する。
「(B1A4が等身大であるために必要なのは) BANAの皆さんです」(シヌゥ)

スターたらんと無理に背伸びすることなく、ファンに対し、友達のように接するB1A4。でも、本編幕締めに「Only One-Japanese Ver.-」を選び、かけがえのない友達を優しく包み込むように歌いあげた姿はスターそのものだった。

アンコールは、深い余韻を残した本編ラストから雰囲気をガラリとチェンジ。バロが「Are You Ready?」と煽ってスタートした「IN THE AIR」では空高く駈けるように歌い、シヌゥとサンドゥルがイジリ合う場面もあって微笑ましい。「ムルハンジャン」ではバロがミクスチャーロックバンドのボーカルのように腰を低く構えて鋭利にラップ。サビではサンドゥルの頭上で他のメンバーが人差し指を高く掲げた。そしてフィナーレの「WHO AM I」ではカクテル光線が舞う中、エレクトロなクラブサウンドが響き渡り、サンドゥルとゴンチャンが自分たちとファンを鼓舞するように巨大フラッグを揺らす。その男らしさにファンは惚れ惚れとなり、さらにバロの「Everybody Jump」の掛け声で会場が縦に揺れる。また、途中、メンバーがサンドゥルを天まで届けと言わんばかりに持ち上げ、ハチャメチャなお祭り状態! 多幸感に満ちたエンディングの後は全員が一礼し、サランヘ・ポーズをとって、袖に下がって行った。

2016年初のコンサートには単独コンサートにありがちなソロ・コーナーやユニットでのステージがなく、5人の一体感を強く印象づけた。そして、ド派手なセットやバックダンサーの助けを借りることなく、彼らは歌手としての底力をしかと見せることに成功。ボーカル・グループとして一層の成長を見る2時間だった。

ライター:きむ・たく

B1A4 JAPAN TOUR 2016「The Great World of B1A4」
日時:2016年1月14日(木) 開場18:00/開演19:00
会場:NHKホール

【SETLIST】
01. 白いキセキ
02. IF...君さえいれば -Japanese ver.-
03. Love is Magic
04. SOLO DAY -Japanese ver.-
05. おやすみ good night -Japanese ver.-
06. Beautiful Target -Japanese ver.-
07. イゲ ムスン イリヤ ~なんで?どうして?
08. O.K
09. Wait
10. サラングテン(恋、あの時は)
11. Believe In Love
12. HAPPY DAYS
13. イェッポ
14. You Are a Girl I Am a Boy
15. Sweet Girl
16. Lonely
17. Beautiful Lie
18. Only One-Japanese ver.-
<ENCORE>
01. IN THE AIR
02. ムルハンジャン
03. WHO AM I

B1A4オフィシャルサイト:http://b1a4.info/

記者 : Kstyle編集部