「インサイダーズ/内部者たち」チョ・スンウ、監督が彼に積極的にラブコールを送った理由とは

OSEN |

写真=SHOWBOX
俳優チョ・スンウが映画「インサイダーズ/内部者たち」で3年ぶりに映画に復帰した。特別出演した「暗殺」を除き、これまで主にミュージカルに出演してきた彼の映画へのカムバックニュースに、ファンたちはもちろん観客たちも待っていたという反応を示した。

チョ・スンウは最近「インサイダーズ/内部者たち」に関するOSENとの取材に対して、「偶然にも10周年になるミュージカルが3本、15周年になる作品1本が重なって、時間的な余裕がなかった。初演から共にしてきた作品だったのでぜひ参加したかった。そのためだった」とし、待ってくれた映画ファンに対して申し訳ない気持ちを表した。

久しぶりの映画だったためだろうか。チョ・スンウは「インサイダーズ/内部者たち」のキャスティングでいつにも増して慎重な姿勢だった。何度も断った末、ついに出演を決心した理由にはウ・ミンホ監督の積極的なラブコールがあった。彼は「僕という俳優が一体何者でここまでされるのだろうと思った。イ・ビョンホンさんも、ペク・ユンシク先生もすでにキャスティングが終わっている状況だった。実は誰かに求められることは運が良いことで、感謝すべきことだ」と謙虚な姿を見せた。

インタビューが進むに連れ、ウ・ミンホ監督がなぜそこまで積極的にラブコールを送ったかその気持ちが分かるように気がした。彼は「人々の僕に対する印象の中で『あの人は何か平凡でカリスマ性も無さそうだったけれど、いざ会ってみたら思ったより悪い人みたいだ』とよく言われる。『マラソン』と『タチャ イカサマ師』の時もミスキャスティングとたくさん言われた。ミュージカル『ジキル&ハイド』に最初キャスティングされた時は、狂ったとまで言われた。『タチャ イカサマ師』も原作では図体の大きいクマのようなキャラクターだったが、僕はか弱いじゃないか。そのように、見た時の印象と直接会った時の乖離が監督たちには期待として作用したみたいだ。ウ・ミンホ監督は僕の荒っぽい姿を見てみたいと思ったそうだ」と説明した。

チョ・スンウが担当するウ・ジャンフン役はお金もなくコネもない検察官で、成功のために“政治ヤクザ”アン・サング(イ・ビョンホン)と絡むことになる。チョ・スンウは「元検察官だったおじさんを思い出した。優しかったけれど、カリスマ性があった。僕がその愚直さを表現できるか、強い俳優たちと共演してバランスが合わないのではないか、そんな理由のため似合わないと思った。監督に最後まで説得された。それで体重を増やした。鋭く見えれば若く見えるし、もっと小さく見えるので、逆に大きくしてみようという戦略だった。映画を観ていただくと、今より太っているのが分かると思う」と述べた。そうやって「インサイダーズ/内部者たち」の列車に乗った今を彼はよくやった決定だと表現して笑顔を見せた。

チョ・スンウは強い俳優たちとのバランスを心配していたが、結果は相性抜群だった。特に、ウ・ジャンフンとアン・サングが対決するシーンは予期しない“ブロマンス(BrotherとRomanceを合わせた言葉、男性同士の近しい関係のこと)”もあった。検察官のウ・ジャンフンが政治ヤクザのアン・サングを「ヤクザや~ヤクザや」と呼びながら嫌がらせするシーンの連続だった。

これを演じる俳優の関係は正反対だ。チョ・スンウはイ・ビョンホンより遥かに後輩だ。これに関連してチョ・スンウは「からかっているうちに楽しくなってきた。僕がいじけてしまえば演技する時も問題があるので、僕も大胆に出た。最初は正直少しいじけて、ビョンホン兄さんも人見知りで挨拶をするだけだった。親しくなるチャンスがあまりなかったが、今回の映画で親しくなった。ビョンホン兄さんはコーヒーを煎れるのが上手だけれど、『コーヒー煎れてきな』というふうに僕のほうから強気で出た。面倒くさく思いながらも、ビョンホン兄さんがコーヒーを煎れていた。そうやって急速に仲良くなった。おそらくビョンホン兄さんは自分にそんな態度を取った人はこれまでにいなかったと思ったはずだ」とし、イ・ビョンホンとのエピソードを語った。

配役に自身を合わせて、他人に自身をあわせる努力が集まって、今のように全国民から愛される俳優になった。しかし、チョ・スンウは「どうやってこれだけ身に余るような関心と愛を受ける俳優になれたんだろうと思う。だから僕は幼い時からすごく運が良いと思った。今まで99%が運だと思う」と謙虚な姿勢を見せた。

記者 : イ・ソダム