イ・ドンハ、ロングランが期待される努力派俳優

TVREPORT |

見れば見るほど惹かれる俳優がいる。人格まで素晴らしかったら、応援したくなる心も膨らむ。俳優イ・ドンハがそうだ。

MBC朝ドラマ「イヴの愛」(脚本:コ・ウンギョン、演出:イ・ゲジュン)の放送終了を控えて行われたTVレポートとのインタビューでイ・ドンハと出会った。イ・ドンハは劇中でク・ガンミン役で熱演を披露した。

「イヴの愛」でイ・ドンハは、様々な一面で深い印象を与えた。時には過激な性格を披露することもあり、時には初恋の相手が忘れられない純情男として劇を埋め尽くした。何より自身初の主演作であったため、「イヴの愛」に対する気持ちは特別なものであった。

「実は、まだ実感できていません。吹っ切れた感じもありますが、寂しい気持ちもあります。俳優からスタッフまで素敵な人々に出会い、本当にとても勉強になりました。すべてに感謝しています。忘れられないと思います」


「初の主演作、点数は70点」

イ・ドンハは「イヴの愛」で財閥の御曹司であるが初恋に対する辛い思い出を心に秘めて政略結婚をする純情な男を演じた。劇中で最も納得できるキャラクターでもあった。これは誰よりもキャラクターに関する研究を多く行った結果でもあろう。

「僕が演じたク・ガンミンは、感情の幅が大きいキャラクターでした。最初に予想した通りでした。激しくなったり、冷静になったり、憤ることも多かったです。常に怒るシーンがあるので、感情の消耗も大きかったです。気力が尽きる感じがしました。それでも最後にチン・ヒョナ(チン・ソヨン)とのロマンスで報われたので、嬉しかったです」

主演の役目をきちんと果たしたイ・ドンハは「イヴの愛」で得たものが多いと強調した。しかし、自らに与える点数は100点満点のうち70点を付け、物足りない気持ちを表した。そして、次回はより一層成長した一面を見せると自信を覗かせた。信頼できる自信であった。

「初主演に対する点数は、70点を付けたいです。ある程度カメラと現場に馴染むという目標は叶えましたが、完全に楽しんで溶けこみ、完璧に表現することはできなかったと思います。もちろん良いシーンもありましたが、自ら感じるには残念なシーンも多かったです。作品の中で本当に走って遊び、楽しく演じることができれば、80~90点を与えることもできるでしょう。もっと楽しみながら、リラックスして演じたいです。必ずそうなるように頑張ります」


「俳優であることに常に感謝」

イ・ドンハは誰かに近付いてアドバイスを求め、指摘されることにも抵抗がない。常に学ぼうとする姿勢であるためだ。アドバイスを聞き流すこともない。どのような指摘も前向きに受け止め、成長するために頑張って“本物の役者”になるための養分を積み重ねている。

「監督たちは細かく説明をしてくれます。そのようなものを参考にして、次に適用します。指摘は何の根拠もなく出てくるものではありません。愛情があるゆえに出てくる言葉だと思います。(言われても)気に障ることはなく、逆にそのようなことを言ってくれてありがとうございますと言います。直そうと努力もします。後で直したのを見てアドバイスした方々が『良くなった』と言ってくれると、もっと胸が一杯になります。『また一つ解決し、学んだ』という気がします。傲慢になったり、自惚れるようなことは避けようとしています」

ミュージカルと演劇で演技の底力を付けたイ・ドンハは、ドラマデビュー1年で主演に抜擢される栄光を手にした。もちろん簡単に手にしたものではない。数多くの紆余曲折があったが、イ・ドンハは賢く乗り越え、その一連のことでまた一歩成長した。その結果、「私はチャン・ボリ!」「大丈夫、愛だ」などのフィルモグラフィーが着実に積み重なっていった。

「俳優であることに常に感謝しています。撮影をしていると、面白い時があります。心より溶け込んで見せたいものを演じた後にモニタリングをして、思っていた通りに映っていると喜悦を感じます。その感じを引き続き活かせるように、細かくチェックをします。また、演劇とミュージカルに出演していた当時は廃人から物乞いまで本当に幅広い役を演じてきました。その情緒も心に残っているので、どんな役でも上手く演じられる自信があります」


「キム・ユンソク、ソン・ガンホ、チェ・ミンシクのように演じたい」

イ・ドンハは演劇とミュージカルの舞台で活躍していた俳優だ。イ・ドンハに先立ち似たような道を歩んできた俳優にはキム・ユンソク、ソン・ガンホ、チェ・ミンシク、オ・ダルス、イ・ソンギュンなどがいる。演劇はもちろん、韓国の映画シーンとドラマシーンの歴史において言葉通り1ページを飾ったスターたちである。

「僕とは到底比べることすらできない方々です。尊敬していますし、素敵だと思っています。自らを見事に克服し、媒体と舞台の種類に関係なく素晴らしい実力を披露しているところが素敵です。僕もぜひそうしてみたいです」

イ・ドンハと長時間の会話を交わしていると、ふと妙な気分になった。優しい印象の中に無限の魅力が眠っているように見えた。純情男も似合っていたが、卑劣だったり、純情とは正反対のキャラクターも完璧に演じきれそうな気がした。

「悪役を演じてみたいです。今回は純情な男でしたので、次回は僕の中の狂気などそのようなものを表出できるキャラクターを演じてみたいです。映画『オールド・ボーイ』でのユ・ジテさんの役や『ベテラン』でのユ・アインさんの役のようにです」

イ・ドンハとのインタビューが2度目であったためか、彼は自身の長所はもちろん、短所も隠さず語り、努力して成長していこうとしていた。「ロングランする本物の役者になりたい」と話すイ・ドンハ、応援せずにはいられない。

「本物の役者になることが僕の一生の目標です。そのために休むことなく悩み、また努力していきます」

記者 : パク・グィイム、写真 : イ・ソンファ