防弾少年団、ぐんと成長した7人が歌う“青春の物語”

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人生の中で最も美しく幸せな時期である“花様年華”を情熱の汗で満たしている防弾少年団。2013年にデビューし、10代の夢や幸せ、愛を揃えた「学校3部作」を歌っていた少年たちが、いつの間にか青年にぐんと成長し、20代の若者たちの話をしている。これから防弾少年団が聴かせてくれる青春の物語とは何だろうか。「花様年華pt.1」を終え、pt.2を準備している彼らに聞いてみた。


RAP MONSTER

―あるインタビューで防弾少年団が追求する音楽は青春だと言った。現在RAP MONSTERの青春はどうか?曇りか晴れか?

RAP MONSTER:晴れたり曇ったりする。砂漠、あるいは海の真ん中に立っている感じ? ある日は砂漠にいる感じだが、ある日は青い海にいる感じだ。ときによってよく変わる。

―デビューして間もない頃は学校について歌ったし、今年は青春について歌った。これから防弾少年団の音楽にはどのような変化があると思うか?

RAP MONSTER:時間が経つにつれ、僕たちの音楽も変わるだろう。確実なことは、僕たちと同じ年頃の人々のために音楽を作るということだ。2年前は学校の話をしたし、今年は青春を歌った。決まったことはないが、僕たちの歌を聴く人々の想いを代弁したい。

―tvN「脳セク時代」で脳セク男(脳がセクシーな男)として活躍し、注目を浴びた。RAP MONSTERが考えている脳セク男の基準は何か?

RAP MONSTER:その人がどういうふうに考えるか、会話したときに学ぶところがあればそれ自体でセクシーに感じられると思う。より詳しく言えば、主観や自身だけの信念があるべきだ。それを人々に伝えることのできる人が本当に素敵だと思う。

―その基準を満たしている芸能人は誰だと思うか?

RAP MONSTER:「脳セク時代」に一緒に出演したハ・ソクジン兄さん。どういう部分がセクシーかは一言で説明できないが、兄さんには学ぶべきところが多い。兄さんは人を気楽にしてくれる。そういう能力が好きだ。また、いつも雰囲気を盛り上げる。主観が強いわけでもないのに、兄さんの言う通りに従ってしまう。妙な魅力がある。柔らかいながらも強い。

―一部のラッパーらは人をディス(侮辱、蔑みを意味するdisrespectの略語で、他の人を見下したり、攻撃するヒップホップ文化の一つ)したりひどい悪口でヒップホップを表現したりする。その文化に慣れていない人々はそれに抵抗感を感じることもある。どうしてそこまでするか理解できないし。

RAP MONSTER:ヒップホップ文化は開放的だと言えるが、見方によっては彼らにしか理解できない閉鎖的な性格も持っている。そこから出てくる荒い言葉はかなり前から維持されてきたヒップホップだけの特性だ。一般の人々が彼らの文化を尊重しなければならない部分もあるが、そういうひどい言葉を乱用することはよくないと思う。


V

―Vは芸名がユニークだ。どんな意味があるか?

V:もともと候補が3つあった。シス、レックス、V(ヴイ)の中から一つを選ばなきゃならなかったが、Vが一番いいと思ってVを選んだ。でも、会社では一文字の方がいいじゃないかと言ったので「ヴイ」になった。今も僕の名前に慣れてない。ハハ。

―他のアイドルと比べ、防弾少年団だけが持つ強みは何だと思うか?

V:トルキ(とっぴな性格)に満ちていること。宿舎の中だけだが。宿舎での自由な姿がとても面白い。特にジョングク。彼の右に出る者はいない。ノムサビョク(越えられない4次元の壁)だ。存在そのものも面白いが、いつも用意されたギャグで僕たちを笑わせる。

―防弾少年団のブログに掲載されるミックステープの日付を見ると、メンバーらはみんな活動するか否かとは関係なく、着実に音楽を作っているようだ。

V:もともと僕を含めた4人のボーカルは音楽を作るメンバーではなかった。ラップをする兄さんたちを見ながら興味が沸いてきて僕も曲を作ることになった。実は、音楽を作ることにおいては誰にでも実力っていうものがあるじゃないか。しかし、会社ではそんなこととは関係なく、誰でもいいから作ってみろといった。それで、自由に歌詞も書いてメロディも作ったが、プロデューサーの方が僕の楽曲がいいとおっしゃり「花様年華 pt.1」アルバムに入れてくださった。その後、もっと専門的にやるために装備も買った。これからもっと一生懸命頑張る考えだ。

―7人のメンバーが共に生活し、活動し、毎日音楽まで作っているが、トラブルはないのか?

V:本当に24時間、1分も欠かさず一日中一緒に過ごしている。お互いによく分かっているからもう喧嘩はしない。ただ、ずっと同じ人の顔だけ見ていると、見知らぬ人の顔が見たい。ハハ。ただでさえ世界は“井戸の中”なのに、毎日同じ人の顔ばかり見ていると、もっと深い井戸の中にいる感じだ(笑)

―メンバーごとに個性が強いだけに、宿舎でもそれぞれ役割があると思う。

V:まず、ジン兄さんは母親みたい。料理もうまいし、きれいだし、整理整頓もうまい。メンバーたちの面倒もよく見てくれるし。SUGA兄さんは父親のように宿舎の中の壊れたものをよく直してくれる。電灯、トイレの便器のようなもの?RAP MONSTER兄さんは本当に兄のようだ。毎日何をそんなに壊すのか、本当に面白い兄さんだ。J-HOPE兄さんはおしゃべりが好きで姉さんみたいだ。ジョングクとジミンはいたずらっこな末っ子みたいだ。


SUGA

―2010年、インディーズシーンで活動していた当時に作った楽曲「Gloss」をあるポータルサイトで見たことがある。後で見たらそれがSUGAの楽曲だった。5・18民主化運動の写真を集めて自作曲の映像を作ったことが印象深かった。

SUGA:高校生の頃だったかな。光州(クァンジュ)で音楽祭があった。5・18歌謡祭だったかな。正確に覚えてはいないが、その音楽祭に合わせて曲を作ってポータルサイトに公開した。良い趣旨で作った楽曲だった。時期もちょうど5月だったし。本選までには行けなかったが、忘れないでほしかった。ところで、後で防弾少年団としてデビューした後、ファンの方々が見つけた。僕もそれが公開されるとは思わなかった。今聴いてみたらとてもアマチュアみたいで恥ずかしい(笑)

―デビューした頃から自我省察や社会問題に関する歌詞を特に多く書いていた。特別な理由でもあるのか?

SUGA:曲を作りながらいつもメッセージを入れたいと思っていた。一回性で終わるよりは中身があるべきだと思った。人々も僕の歌詞を聴きながら色々考えられればいいだろうと思った。歌手として活動していると、社会を経験するのが難しいので、時間がある度にニュースや時事番組を一生懸命見る方だ。歌詞を書くときもうちの歌を一番よく聴く年頃の人々の目線に合わせ、社会問題を易しく説明しようとしている。また、20代の人々には彼らが経験する3ポ(サンポ:恋愛、結婚、出産を諦めること)、5ポ(オポ:恋愛、結婚、出産、人間関係、マイホームを諦めること)の問題を話したいと思い、わざわざ一般人の友達に電話してたくさん聞いてみて調査した。

―防弾少年団で“無気力”を担当していると聞いたが、なぜわざわざ無気力なのか?

SUGA:ステージの上、そして曲を作っているときに一番元気が出る。一番うまくできることはこの仕事しかないから。仕事をするときはエネルギーを全て注ぐ。ファンに会って番組に出て音楽をしているときが一番楽しいし、自信がある。

―恋愛という感情にも無気力か?

SUGA:恋愛しなきゃという気持ちはない。今は働くことがもっと好きだ。正直、ソウルに知り合いもあまりいない。人に会うのもあまり好きじゃないし。僕には個人的に達成したいことが沢山あるので、それを達成するために恋愛しないつもりだ。それで、恋愛についての歌詞も恋愛中の友人の悩みを相談しながらアイデアを得る方だ。まだそれで十分だ。

―防弾少年団の歌詞を聴いてみると、その年に合う若者の話がそのまま伝わってくるので共感できる。本人が書いた歌詞の中で一番記憶に残る歌詞は何か?

SUGA:「Tomorrow」という楽曲に「日が昇る前の明け方が一番暗いから」という歌詞がある。個人的にこういう類の歌詞が好きだ。否定的な内容より、夢と希望を与える歌詞。今苦労して生きている人々に力と勇気を与えたい。これから日が昇ればうまくいくからちゃんと耐えなさいと。


J-HOPE

―11ヶ月ほど海外のいたる所でコンサートやファンミーティングをした。記憶に残るエピソードはあるか?

J-HOPE:言葉が通じなくて問題になったエピソードが多い。ハハ。英語が喋れないから。ホテルでルームサービスを利用するときも、自分でも知らずと韓国語が出てきた。その度に冷や汗をかく。しかし、従業員の方々がなんとか理解して持ってくださり驚いた。一度は、ストロベリアイスクリームを持ってきてくださいと言うべきだったのに、思わずタルギ(イチゴ)アイスクリームと言ってしまった。だが、本当にイチゴアイスクリームが来た。いつも、注文しても僕たちが何を注文したか分からない。なので、ベルが鳴ると緊張する。プハハハハ。この前はソーセージを注文したが、ステーキが来た(笑)

―リリースしたアルバム「花様年華 pt.1」はメンバー全員が作詞や作曲に参加した。これからはプロデュースもするのではないか?

J-HOPE:プロデュースはまだまだだ。僕とRAP MONSTER、SUGAがプロデューサとよく作業するほうだが、最近プロデューサーからプロデュースを考えているのかと言われた。しかし、僕はまだ自分の音楽をうまく作ることも、管理することもできないので自信がないと伝えた。もっと勉強した後、機会があれば僕のスタイル通り一度やってみたいとは思っている。

―曲を作るとき、インスピレーションはいつ、どういうふうに受けるのか?

J-HOPE:僕が経験したことを基に作ろうとする。しかし、僕たちの置かれた環境では世界を経験することがあまりない。それで映画を見たり、本を読もうとしているが、本はあまり読まない。父親が文学の先生で、本を読まないと言ったら、他のことはせず集中して読んでみろとアドバイスしてくれた。

―J-HOPEが思う、防弾少年団の位置はどこまで来ていると思うか?

J-HOPE:まだまだ道のりは遠い。人々から愛されるためにはもっと良いヒット曲もあるべきだと思う。ファンの愛にはとても感謝しているが、まだ大衆的な面においては程遠いかと思う。

―海外でも人気がすごい。

J-HOPE:僕が思うに、海外のファンの方々はK-POPのパフォーマンスがとても好きなようだ。特にカル群舞(体を曲げる角度から指先まで完璧な刃物のように合わせるダンス)!歌を聴くだけでなく、見どころも多いからそういう部分が好きなようだ。

―ニックネームが希望だと聞いた。希望とは映画「インサイド・ヘッド」のキャラクターである喜び、悲しみのような概念なのか?

J-HOPE:前から希望というニックネームを自らアピールしていた。実際に性格も明るいし。僕の名前もホープ、英語でHOPEであるため、そのイメージを固めたいと思った。デビュー前はストリートダンサーだったが、そのときのあだ名もスマイルホヤだった。ハハハ。


ジョングク

―メンバーのうち、一番末っ子で現在高校2年生だ。学校生活はちゃんと送っているか?

ジョングク:学校に友達があまりいない。顔見知りでうまく話ができないため、先に近づけない。誰かが声をかけてくれたら面白く言えそうだけど(笑) 同じ年頃の友達にはどう接すれば良いか分からない。また、友達が僕のことをどう思っているかも分からないし。

―活動しているうちに背も伸びたと聞いたが、どれほど伸びたのか?

ジョングク:背が伸びたわけではなく、少し大柄になって顔も少し老けた。ハハハ。あごも少し大きくなったようだし。それで、ファンの方々が前の姿に戻ってほしいという。僕があまりにも早く変わってしまったようだ。はぁ……。

―9月1日が誕生日だった。兄さんたちに祝ってもらったのか?

ジョングク:今回の誕生日がソウルに来て4度目の誕生日だが、毎回新鮮な気持ちになるし、嬉しい。また、時間が経つにつれ、もっとたくさんのことが分かるような気がして不思議だ。兄さんたちが鴨肉を買ってくれた。僕が肉の中で鴨肉が一番好きなので(笑)

―数ヶ月後には成人になる。2016年1月1日に一番やりたいことは何か?

ジョングク:運転免許を取りたい。僕はおしゃれには興味がなかったが、この頃車に興味ができた。運動しているとき、路上でカッコいい車を見たら僕も運転したくなる。特に大きい車で、事故に遭っても安全そうに見えるそういう車を運転したい。

―ダンスを習うため、メンバーのうち唯一アメリカに行ってきたと聞いた。

ジョングク:15歳のときだったかな?練習生時代に振付師の先生とアメリカに行ってきた。1ヶ月ほど学んだが、本当にたくさんのことが変わった。何だかその感じが分かると言えるだろうか。とにかく目に見えて変わったので皆が満足した。


ジン

―スーパーマリオのキャラクターが好きだと聞いた。いつから好きになったのか?

ジン:幼い頃からスーパーマリオゲームをよくやっていて、趣味で少しずつフィギュアを集めていた。後にファンの方々からプレゼントを頂いて、その数が増えた。

―防弾少年団の公式ブログに行ったら「JIN」という掲示板に料理と関連した文章を掲載していた。

ジン:ハハ。実は防弾少年団のブログは僕のものだ。この頃時間がなくてあまりやっていないが、ファンの方々ともう少し近づくために作った掲示板だ。食べるのがとても好きで、簡単に作ってモッパン(食べる番組)を撮って見せている。最近料理番組が多いが、必ず出演したい。本気だ。うまくできる。

―さっき見たら折りたたみ式の携帯を使っていた。それもピンク色だったが、特別な理由でもあるのか?

ジン:ただ綺麗だから使ってるだけだ。しかし、最近になって不便を感じている。画面が小さくて顔を近づけて見たら視力が悪くなるようだ。

―防弾少年団の一番の年長者として最近一番大きい悩みは?

ジン:前は「兄ちゃん、兄ちゃん」と呼びながら慕っていたが、最近ではメンバーたちが僕をどうやってからかうのか悩むのが目に見えてくる。ハハ。特にジョングク。以前は僕を慕う目だったが、今は僕をどうからかうのか工夫する目があまりにもよく見える。

―実際に初めて会った女性とはあまり目を合わせないと聞いた。本当か?

ジン:僕は男子中、男子高を卒業して女性と会話する機会があまりなかった。デビューしてからも毎日会う女性の方だけを見ているので、初めて会う女性と目を合わせることができなくて目を逸らす。それで、ファンの方々にもとても申し訳ない。先日は「お兄さん、ステージ上で目が合ったのになぜ目を逸らしたんですか?私が嫌いなんですか?」という手紙をもらって少し驚いた。絶対!絶対!そんな訳ではない!


―今年は「I NEED U」「DOPE」で活動して人気を得たし、海外でも一生懸命活動した。防弾少年団に2015年は意義深い年として記憶に残ると思う。

ジン:そうだ。本当に花様年華という言葉通り今年は人生の中で一番美しく幸せな瞬間だったと思う。これからまたどんな活動をすることになるか分からないが、もっと頑張る姿をお見せする。

―休みにメンバーたちとどこかに行けるならどこに行きたいか?

ジン:プール(遊園地)。水が怖くて一回も行ったことないが、メンバーたちと海やプールに一度行ってみたい。


ジミン

―メンバーのうち、特にアイラインが濃い。

ジミン:目に少し脂肪が多いが、ステージでは強烈に映らなければならないので、他のメンバーより濃くするほうだ。

―ジミンは防弾少年団に一番遅く加入した。どのようにして加入することになったのか?

ジミン:中学時代からダンスを踊っていた。小さいステージでバトルして公演するのもこれだけ楽しいのに、大きいステージだとどれほど幸せで嬉しいだろうか気になった。そのとき、ちょうど釜山(プサン)で公開オーディションがあって応募することになった。練習生期間を経て、防弾少年団のメンバーになった。

―最初に防弾少年団に加入したときと現在を比べて、一番カッコよくなったメンバーは誰か?

ジミン:皆カッコよくなったが……僕が一番カッコよくなったと思う。ソウルに来たのも一番遅かったし。当時ダサかった。周りの人たちも一番人間らしくなったというし。ハハハ。

―防弾少年団ももうデビュー3年目だ。これまで苦労してきたメンバーたちに一言。

V:ご苦労様、みんな!ハハハハハ。

SUGA:僕は苦労が終わったと思わない。僕たち、これから10年、15年もっと苦労しよう。
J-HOPE:僕はメンバーの中で年齢的に中間だが、兄さんたちは僕の意見をよく聞いてくれてありがたいし、弟たちはよく従ってくれてありがたい。メンバーたちに見習うべきことがとても多いし。これからももっと頑張ろう。

RAP MONSTER:皆分かってるだろう。もっと苦労しよう。

ジミン:ひたすら前だけを見て走ってきたようだ。もう少し余裕を持って皆と一緒にもっと笑いたい。

ジョングク:末っ子の僕を引っ張ってくれて皆ありがとう!

ジン:僕はあなたたちを誇りに思っている。

―防弾少年団の最終的な夢は?

SUGA:ラップがとてもうまい、メロディがすごい、こういうことよりは僕たちのアルバムを聴いたとき、止めないで全体をプレイするような音楽を作る防弾少年団になりたい。

RAP MONSTER:僕たちの歌詞に感銘を受けた、人生に影響を及ぼしたと言ってくれるファンがたまにいるが、それを見ながらたくさんの人々が夢を叶えるのに僕たちの歌が役に立てばいいなと思う。できるだけたくさんの方々を引っ張っていきたい。

ジミン:大きなステージで公演することが夢だ。ドームにも行きたいし、アリーナにも行きたい。

進行:キム・ドゥリ、インタビュー:キム・ソジョン、スタイル:ハン・ジヘ、フォトグラファー:シン・チェヨン(シン・チェヨンスタジオ)、ビハインドフォトグラファー:アン・ソンフ、ヘア:ナビン(カンホ・ザ・レッドカーペット)、メイクアップ:ユミ(BRAND M)



記者 : キム・ソジョン