放送終了「ラスト・チャンス!~愛と勝利のアッセンブリー~」ドラマの真心が通じた国民ドラマ…俳優たちの名演技光る

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=KBS「ラスト・チャンス!~愛と勝利のアッセンブリー~」放送画面キャプチャー
視聴率が高いことだけが“国民ドラマ”の条件ではない。国民の心を掴んでこそ本当の“国民ドラマ”だ。「ラスト・チャンス!~愛と勝利のアッセンブリー~」が教えてくれた“真心だ”。

韓国で7月15日から放送がスタートしたKBS 2TV「ラスト・チャンス!~愛と勝利のアッセンブリー~」(脚本:チョン・ヒョンミン、演出:ファン・インヒョク、チェ・ユンソク)が今月17日、ハッピーエンドで放送終了した。「ラスト・チャンス!~愛と勝利のアッセンブリー~」は溶接工のチン・サンピル(チョン・ジェヨン)が国会議員として成功する姿を描いたドラマ。ドラマのタイトルと背景は華麗な国会だったが、ドラマが与えるメッセージはとても庶民的だった。

最終回ではチン・サンピルが心を込めて訴えかけ、ペ・ダルス法(社会的敗者たちに再起のチャンスを与える法律)を通過させ、自ら辞退する姿が描かれた。これと共にペク・ドヒョン(チャン・ヒョンソン)も自分の間違いを認めて進んで辞退し、パク・チュンソプ(パク・ヨンギュ)とチョ・ウンギュ(チェ・ジノ)は党から退出させられた。そして1年後、チン・サンピルは溶接工の生活に戻って幸せに暮らし、彼の補佐官であるチェ・インギョン(ソン・ユナ)は国会議員になってチン・サンピルの意志を継ぐことにした。

「ラスト・チャンス!~愛と勝利のアッセンブリー~」は「鄭道傳(チョン・ドジョン)」でビックヒットを飛ばしたチョン・ヒョンミン脚本家が執筆を手がけ、放送前から期待を一身に集めた。また、チョン・ジェヨンの俳優人生初のドラマで、ソン・ユナ、キム・ソヒョン、チャン・ヒョンソン、パク・ヨンギュなど演技派俳優たちが総出動し、話題を集めた。さらにtvN「三食ごはん」で好感度の高い2PMのテギョンが“88万ウォン世代”(韓国で平均給与額が88万ウォン(約8万8千円)である大卒の非正規雇用者を示す)の青春を代弁し、若者の視聴層も掴む狙いで満を持して始まった。

しかし、結婚は期待を外れた。「ラスト・チャンス!~愛と勝利のアッセンブリー~」の視聴率は高くはなかった。このドラマは6%内外(ニールセン・コリア、全国基準)の視聴率に止まり、この点は残念だった。他局のドラマの影響がもっとも大きかった。同時間帯に放送しているチュウォン、キム・テヒ主演のSBS「ヨンパリ」が視聴率20%を越えて大ヒットしたためだ。

このように「ラスト・チャンス!~愛と勝利のアッセンブリー~」の視聴率は残念だが、ドラマの真心は視聴者に届いた。「鄭道傳」がそうだったように、「ラスト・チャンス!~愛と勝利のアッセンブリー~」の啓蒙的な台詞は視聴者の心に刻まれ、色々なことを気付かせた。信頼して見ることのできる俳優たちの好演は言うまでもない。「ラスト・チャンス!~愛と勝利のアッセンブリー~」の視聴者たちは「最近見たドラマの中でもっとも良く作られた」と口を揃えて評価した。これと共にシーズン2の要請が殺到している状況だ。

「ラスト・チャンス!~愛と勝利のアッセンブリー~」は初放送から最終回まで涙を誘った。たくさん勉強することは出来なかったが、正義という言葉の基に正しく生きてきたチン・サンピルという人物が、国民のための国会議員へと成長していく姿は感動そのものだった。何よりもチン・サンピルはテレビの中の国会議員ではなく、私たちの顔だった。彼は欲に目がくらんだ国会議員たちに痛快な一発を飛ばしたりもしたが、絶対的な権力の前で倒れそうになる危機が何回もやってきた。それにも関わらず、チン・サンピルは絶対に自分の信念を曲げなかった。彼にとって“国会議員”とは国民の代弁者であり、ただ国民だけを考え、国民のために働いた。

そのため彼は25時間の間フィリバスター演説(議事妨害)が出来、自分の冤罪を晴らすために自ら進んで監獄に行くことが出来た。最後まで彼はペ・ダルス法を通過させるために奮闘した。特にチン・サンピルは「国民を幸せにしてあげるのが国家の義務だ。国民はカモでもなく、金づるでもない。国民がこの国の主だ」とし、「この大韓民国で今も、そしてこれからも幸せになれる」という信頼を与えたいと話したが、これは彼の国会での最後の発言で、心に響かせた。

特にこのチン・サンピルという人物はチョン・ジェヨンがいなければ不可能だったはずだ。映画「シルミド/SILMIDO」「正しく生きよう」「カン・チョルジュン 公共の敵1-1」などを通して吸引力のある演技を見せたチョン・ジェヨンは今回の作品で力量を見せつけた。何よりもチョン・ジェヨンの演技は生活密着型。涙、鼻水を流してチン・サンピルになりきった演技を見せ、ドラマの感動を倍増させた。

また、チョン・ジェヨンとソン・ユナのケミストリーは特級だった。ドラマで二人は最初はゴタゴタしていたが、お互いに対する“信頼”をベースに二人といないパートナーになった。正義のために戦う男女の友情は微笑ましいものがあった。他にもキャラクターにぴったりな俳優たちの好演が視聴者を魅了した。

「ラスト・チャンス!~愛と勝利のアッセンブリー~」の後番組はチャン・ヒョク、ユ・オソン、キム・ミンジョン、ハン・チェア主演の時代劇「商売の神-客主2015」が今月23日から放送スタートする。

記者 : ソン・ヒョジョン