韓国版「深夜食堂」放送終了…食べ物へ込められた思いと静かな感動

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=SBS「深夜食堂」放送画面キャプチャー
「深夜食堂」が全20話の放送を終え、幕を下ろした。

6日、韓国でSBS深夜ドラマ「深夜食堂」最終回が放送された。第19話はユンナの音楽に対する物語、そして第20話は深夜食堂の常連客チェリ(カン・ソヨン)の愛の話となった。

花柳界(芸者、遊女などの世界)に従事する深夜食堂の常連チェリはきれいな箸使いでタチウオの骨を取る男(ペク・ボンギ)に惚れた。彼も箸使いが下手なチェリが可愛いと好感を持った。偶然再会した二人は1ヶ月後に恋人関係になった。

しかしチェリが花柳界で働いていることを知った男は苦しみ、結局二人は別れた。店を辞めて実家に帰ると言いながらマスターに会いにきたチェリにマスターは骨を取らなくてもいい鮭料理で彼女を慰めた。

この時、チェリと別れた男がやってきて、一緒に故郷に行って結婚しようとチェリにプロポーズした。男との将来を諦めていたチェリは彼の本心のこもった求愛に結局心を開き、周囲の祝福の中で男と一緒に深夜食堂を出て行った。男と一緒に帰郷したチェリが送ってきた小包にはコノシロがたくさん入っていた。マスターはチェリの心がそのまま感じられる材料であるコノシロで料理を作り、常連客と一緒に食べた。常連客とオーナーの関係を超え、人間的な友情で結ばれているところをうかがわせ、見る人々を微笑ませた。

また最後にはホン・ソクチョンがサプライズ出演した。彼はマスターに新しくバーをオープンしたと挨拶しながら開業記念の餅を渡し、「シングルですか」と好感を表した。マスターは「なぜか常連さんになるような気がする」と独り言を言いながらウィット溢れる余韻を残した。

「深夜食堂」は夜0時から朝7時まで営業する独特なコンセプトの食堂とここを訪れるお客たちの人間臭い物語を描いたドラマで、キム・スンウは温かい心を持つマスターとして登場し、人生の苦しみや痛みを抱いたお客たちを料理で癒やす役割をした。

原作漫画や日本版ドラマなどと比較されたり、演技力に対する議論も浮上したが、客との素朴な日常と特別な出来事を上手く調和し、彼らの物語をマスター特有のナレーションと、おいしそうな食べ物に表現しながら静かな感動を与えた。刺激的な設定を排除し、食べ物への思い出や韓国の情緒に合うストーリーに集中しながら差別化を図った点も注目を集めた。

またシム・ヘジン、カンドゥ、チ・ジニ、オ・ジホ、ナム・ジヒョン、アン・ジェウク、チェ・ジョンフン、ペク・ボンギ、ユンナ、キム・ジュノ、ホン・ソクチョンなど、毎回豪華なカメオ出演陣も視線を引き付け、マスター役を演じたキム・スンウの安定的な演技もしっかりドラマの中心を支えた。

深夜の2回連続ドラマであったため視聴率の面では残念なところもあるが、毎回静かな余韻を残しながら、食べ物に対する追憶を思い出させた点で注目に価した。

記者 : ハ・スナ