「恍惚な隣人」ユンソナ“泣くシーンよりも大変だったのはデレデレする演技”

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女優ユンソナが「恍惚な隣人」の撮影を終え、休息期に入った。全120話という長い時間を走っていく毎瞬間が彼女にとっては挑戦であった。役者は引き続き学び、挑戦していくべきであるという事実を悟らせてくれた作品。演技の味を活かす方法を悟らせた彼女のここ6ヶ月間のストーリーを聞いてみた。


覇気より先だった恐れ

新人の時は、怒られるのが怖くなかった。言葉通り何も知らない素人であったためだ。活動の期間が長くなるに連れ、怒られることが怖くなってきた。そこで上手くできるものだけをやっていたら、演技が型に嵌るようになった。ユンソナは「恍惚な隣人」を通じて新人の時にできなかった経験を遅れてではあるがやってみようと決めた。長編の作品を演じながら砕けることがあっても自身の限界を乗り越えたいと目標を立てた。

そのおかげで、ユンソナは演技とは自分だけ上手ければいいものではないということ、他の俳優そしてスタッフと一緒であるからこそ上手く仕上げることができるということ、あまりにも緊張を緩めたらいけないけど、あまりにも力が入ってもいけないということ、相手の台詞も勉強しながら演じるべきであるということなど貴重な教訓を得た。デビューして約20年が過ぎてようやく気付いた事実。ユンソナは「恥ずかしい」と話した。

作品を始める前、ユンソナは覇気より恐れのほうが先だった。何も知らずに取り掛かることと、演技とは何なのかを知ってからそのプレッシャーを抱えて臨むことを比べると、後者のほうがずっと難しかった。「恍惚な隣人」を演じながら壁にぶつかる度にユンソナは手探りで始めた日本での生活を思い浮かべた。日本で8年間活動しながら「私という人も、努力をすれば上がることができるんだ」という勇気を得た。認知度ができ、お金も稼いだ。日本でトップにはなれなくても挑戦から得る自信というものが身についた。

ユンソナは「今自らの演技に満足している俳優がどれだけいるだろうかと思う。似たような役も違うように見せるために悩むのは俳優の宿命のようなものだ。だから人は生涯学んでいくと実感した作品だ」と放送終了の感想を述べた。


なかなか慣れなかった“デレデレ感”

ユンソナは劇中で年下の俳優たちと共演した。特にラブストーリーを演じたソ・ドヨンはユンソナより5歳年下であった。ユンソナはソ・ドヨンについて「魂が澄んでいる」と表現した。天真爛漫で、可愛いところもある。

二人は劇中でラブストーリーを演じていたので、愛情がたっぷりこもった台詞も発していた。デレデレの台詞が多い劇中の性格と実際の性格が違うソ・ドヨンはキャラクターを活かすために事前に準備をしてきた。「上手い」と言ったら、ソ・ドヨンもそのデレデレ感に面白みを感じていた。実際、ソ・ドヨンが演じたチャヌという人物は脚本家が「あしながおじさん」を思って作ったキャラクターであった。

ユンソナも“あしながおじさん”ことソ・ドヨンに負けないほどデレデレの台詞をスムーズに演じてみせた。しかし、無口でクールな性格のユンソナにとってそれはとても難しいことだった。ユンソナは「泣くシーンよりデレデレの演技がもっと大変だった」と率直に打ち明け、笑いを誘った。


休息?女優ではなく母としてもっと忙しい日常

撮影の真っ只中にユンソナは週に一日の休みをとった。しかし、それさえも台本を覚えることに時間を割くしかなかった。与えられた時間が少なかったので、睡眠時間も足りなかった。子供たちとご飯を食べながらも台本を暗記し、翌日は撮影現場に向かった。最後には暗記をするのか演技をするのか分からないほどだった。その度に家族たちは「上手い」と褒め、黙々と応援してくれた。

「仕事が30~40%、自分の生活が60%であってほしい」と明かしたユンソナは再び家庭の妻に、母に戻った。撮影が終わった最近は一週間の間ずっと家にいながら家族の朝ごはんを作ったり、家族と時間を過ごしていたら、子供がとても喜んだという。結婚後、一度も午前8時以降に起きたことはないという彼女は子供たちが寝ている母を起こす今の時間を楽しんでいる。新しい作品に挑戦する予定のユンソナは「一緒にいられる時にできるだけ多くのエネルギーを注ぎたい」と目を輝かせた。

記者 : シン・ナラ、写真 : キム・ジェチャン