「京城学校」オム・ジウォン“自身初の悪役…日本語を完璧に話したいと思った”

OSEN |

女優オム・ジウォンのフィルモグラフィーを振り返っても、映画「ソウォン 願い」 を抜きにして彼女を語ることはできない。自らも女優人生のターニングポイントとして「ソウォン 願い」を挙げるほど、オム・ジウォンにとって「ソウォン 願い」は意味のある作品だ。実際に「ソウォン 願い」で彼女は生涯初の主演女優賞を受賞し、貴重なトロフィーを手にした。

しかし、「ソウォン 願い」以来オム・ジウォンが提案されたのは“ママ役”ばかりだった。もちろん「ソウォン 願い」だけで彼女のイメージが固定化したわけではない。ただ、その印象が特に強烈だっただけだ。オム・ジウォンは、これまで作品が終わる度にいつも似たようなキャラクターを提案されてきたと言った。

そのためイメージチェンジへの欲は日増しに大きくなっていった。時間が経つにつれ、イメージチェンジする機会に恵まれることはなかなかないという現実に気付いた彼女は変身できる機会を逃したくないと思った。そんな思いで選んだ作品が「京城学校:消えた少女たち」だ。初めて悪役に挑み、これまで見せたことのない風変わりな姿を見せようとした彼女の努力は大方実を結んだように見えた。「オム・ジウォンにあんな顔があったのか」と思わせたからだ。

彼女が映画だけにこだわらない理由もここにあった。映画とドラマを両立すれば相対的に彼女が表現できるキャラクターが増えるためだ。「いつも配役への渇望があります」と笑って見せたオム・ジウォンは「京城学校」について「話の新しさはもちろん、新しい演技を優しい目で見て頂きたいです」ともう一度恥ずかしそうに微笑んだ。

以下は、オム・ジウォンとの一問一答である。

―「京城学校」への出演を決めた理由は?

オム・ジウォン:出演のきっかけはイ・ヘヨン監督だ。前作に出演したのでこの話を書き始めた頃からもう知っていた。それで「じゃ、校長役は私がやってあげる」と言ったら監督が本をくれた。ところで、最初は校長が悪役であることを知らなかったので友情出演ぐらいしてお力になれればと思って言ったが、いざ読んでみたら私が作っていく余地がたくさんあって面白くなりそうな気がした。そのときまで悪役を演じたことはなかった。以前演じたことのない役を演じる機会に恵まれなかった。洗練された都会の女性役を演じればそれからは全部そういう役ばかり入ってくる。女優が一度見せたイメージを借用するだけで、他のイメージを見せる機会を与えてもらえなかった。機会が多くないことに気付いた。こうした意味で出番はそれほど多くなかったが、面白くやっていけそうな気がして出演することになった。

―作品を選択するとき重点を置く部分は?

オム・ジウォン:作品を選ぶときは、第1がストーリーでその次が私のキャラクターが魅力的かどうかだ。それから第3に私がうまく演じれるかを考える。やってみたことよりはやったことのないことの方が面白くて魅力的だと思う。私が演じた役と似たような役ばかり入ってくるので、やったことのない役を演じてこそ選択の幅が広がるのではないだろうか。もちろん、それを理由に作品を選んだりはしない。俳優が作品を選ぶということは、別の作品はできなくなることを意味するのではないか。完全に新しいものばかりすることはできないだろうが、それでもやってみなかったことに魅力を感じるし、演じてみたいという気持ちはいつもある。

―特に“イメージチェンジ”を重視しているようだ。

オム・ジウォン:配役への渇望はいつもあると思う。映画界で女性の話がないこともあるし、それが商業的な側面もあるが、個人的に女優としての欲もあると思う。私がドラマに出演する理由は、様々なキャラクターへの渇望があるのに与えられる役には限界があるためだ。キャラクターの面ではドラマの方がさらに満足度が高い場合もある。ドラマと映画を両立する理由にはそういう面もある。

―日本語のセリフが多かった。

オム・ジウォン:日本語のセリフも覚えたし、日本語そのものも習った。基礎を学んでセリフをそのまま覚えたが、今も韓国語のセリフは思い出せないのに日本語のセリフはそのまま思い出せる(笑) 劇中の時代的状況が朝鮮人にも、日本人にもなれる境界を行き来するという特徴を持っているじゃないか。私が演じた校長は野心的な女だったので日本人とできるだけ同じようにするのが重要だと思って、その言葉を完璧に話したいと思った。それで日本語のセリフに一番気を使ったし、私の性格上本物のように感じてもらいたかった。映画「スカーレットレター」を撮るときはチェリスト役だったが、そのときも指にタコができるほどチェロの練習をした。

―アクション演技にも挑戦した。

オム・ジウォン:本当に面白かった。厳しいアクションだったら大変だったと思うが、少し出ただけで面白かった。初めてやってみたわけだから面白くなるしかないじゃないか(笑) 私ってアクションに才能がないわけではないんだと思った。ハハ。肉体的には厳しかったが、新しい経験が与えてくれる緊張と快感、そんなものが面白かった。

―女優人生で“ターニングポイント”になった作品は何か?

オム・ジウォン:「ソウォン 願い」だ。私には挑戦だった。私がうまく演じれるかと思ったし、その考えは本当にいつも私にはクエスチョンマークだった。実はうまくやりたいと思った。その映画には良くない経験が出るが、その事件にフォーカスを当てた映画ではなく、人々の話を描いた映画だったのでうまく演じたいと思った。

記者 : キム・ギョンジュ、写真 : ペク・スンチョル