アイドルラッパーへの偏見を捨てよう ― PRETTY RAP STAR Vol.3

10asia |

アイドルラッパーへの偏見を捨てる時が来た。

アイドルに対する偏見は以前から強かった。アイドルグループのメンバーで歌が下手だからラップを始めた事例が偏見の始まりだった。インターネットコミュニティでは黒歴史(隠したい過去)に近い映像がしばしば話題になっている。「UNPRETTY RAP STAR」の第1回目の放送でも偏見がそのまま現れた。AOAのジミンが登場したら、当時一緒に出演していたラッパーたちは「アイドル?」「AOAでラップを?上手いのかな?」と実力に疑問を抱いていた。ジミンがフリースタイルのラップで自己紹介をするミッションに失敗すると、Jessiは「正直、失敗すると思っていました。まだヒップホップについて分かっていないみたいです」と話した。

その後、ジミンは番組のインタビューで「他の出演者が『ヒップホップが好きなの?』と聞いたけど、好きだからここに出た。無視されているようだった。なぜ泣いているのか分からないけど涙が出る。申し訳ない」と悔しい気持ちを表した。その後、ジミンはアイドルとして積み重ねてきたステージでの経験を生かして100秒のサイファー(cypher:フリースタイルのラップ)ミッションで1位を手にし、本格的に実力をアピールした。これにより、ジミンの実力に疑問を抱いていたラッパーたちの考えが変わった。

アイドルの世界で歌が下手でラップをする時代は終わった。ラップメイキングの実力は基本で、アイドルグループの中にはアンダーグラウンド出身のラッパーたちが多く布陣している。すでに世界的に人気を博しているBIGBANGのT.O.Pをはじめ、Block Bのジコ、パクキョン、P.OとWINNERのソン・ミノ、B.A.Pのバン・ヨングク、防弾少年団のRap Monster、SUGA、SPEEDのテウン、EXIDのLE、HELLOVENUSのライムがアンダーグラウンドで活動したことがある。彼らは特定のヒップホップ仲間に所属していたり、コミュニティを通じてミックステープなどを発表しながら自分たちの実力を積み重ねてきた。もちろん、アンダーグラウンド出身でなくても音楽的な才能を持つアイドルラッパーもたくさんいる。

作られた商品というイメージが強いが、アイドルの企画会社は実力を積み重ねることができるよう土台になってくれる。各イベントやコンサートはお金を払っても買うことができない大事な経験だ。体系的なトレーニングシステムと企画力を持つ企画会社ならば、原石が持つ才能を宝石に変えることができる。「SHOW ME THE MONEY 3」の優勝者であるBOBBYもアイドルグループiKONとしてYG ENTERTAINMENTからデビューする。

アイドルへの偏見を捨てることを要求しているわけではない。一部のアイドルグループの場合、確かに実力が足りないメンバーもいて、企画会社のコンセプトに合わせて機械的なラップを歌うメンバーもいる。ヒップホップや音楽に対するリアリティが見えない時に「やっぱりそうだ」という偏見が増していく。それにもかかわらず、AOAのジミンをはじめ、リアリティを見せるために孤軍奮闘しているアイドルがいる。BIGBANGをはじめ、SHINee、BEAST、Block B、BTOB、B1A4など、メンバーたちが自らプロデュースをし、自身の話を伝えるセルフプロデュースをしているアイドルも主流をなしている。

AOAのジミンは「UNPRETTY RAP STAR」に出演する目標について「アイドルを甘く見ないでほしい。アイドルは本当に一生懸命やっていて、実力のある人たちだ。最近は運動から勉強までできる。練習生時代を過ごした人なら、何でも耐えることができる。本当に熱心に頑張っているのに低評価されている。アイドルだからって色眼鏡で見ないでほしい。皆、仕事に対して情熱を持っている」と伝えた。「UNPRETTY RAP STAR」で、アイドルラッパーへの見る目が少しでも変わることを期待してみる。

記者 : パク・スジョン、写真 : ペン・ヒョンジュン、翻訳 : チェ・ユンジョン