“キヨミソング作曲家”DanDi「この曲の主人公のことを知りたいですか?」

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写真提供=ウィズメイエンターテインメント

「1+1はキヨミ(可愛い人)!」という「キヨミソング」を覚えているだろうか。幼稚園児からその親、さらにはK-POPブームを率いるアイドルまでが「キヨミソング」を歌い、韓国で国民的な人気を実感させた。そんな「キヨミソング」は現在、韓国を越えて日本や中国などのアジア圏でも絶大な人気を誇っている。まず、オスカープロモーション主催「第13回国民的美少女コンテスト」のファイナリスト21名から結成された次世代ガールズユニット“X21”が「キヨミソング」をカバーした。また、中国・浙江衛星TVのオスカー授賞式では「中国で最も愛された曲」賞を獲得した。この世界的なヒット曲「キヨミソング」の裏にはDanDiがいる。「キヨミソング」をプロデュースしたDanDiは、BADKIZの「Ear Attack」やキム・ジョンミンの「Sali Go Dali Go」などのアルバムに参加し、活動の幅を広げてきた。

プロデューサーDanDiは「関係整理」という曲をリリースし、本業に復帰した。DanDiの今回のアルバムはレトロサウンドの雰囲気を上手く生かした。DanDiの中低音の声とスタイリッシュなラップのカラーが際立つ曲だ。SS501のキム・キュジョンがフィーチャリングに参加し、曲の切なさを高めた。可愛かったり、ユニークだったり、真面目だったり、切なかったりする数々の曲で多様な変身を試みるDanDi。彼は一体どんな人なのだろう。

―新曲「関係整理」をリリースした。どんな曲なのか?

DanDi:「関係整理」はタイトル通り、男女の関係について歌詞を書いた。現実での“関係整理”を見ると、男性が未練がましいことが多い。

―自分の経験談を盛り込んだのか?

DanDi:違う。ハハ。僕は常に一般的な話を考えながら歌詞を書いている。

―「関係整理」にはSS501のキム・キュジョンがフィーチャリングとして参加した。どんな関係なのか?

DanDi:キム・キュジョンは1987年生まれの同い年だ。別の音楽作業で初めて会ったが、同い年で同じ分野で働いているので仲良くなった。キム・キュジョンの声は細くてきれいなトーンだ。僕はラップのトーンが太い方なので、よく合うと思う。今回の曲も僕と彼の声のバランスが良くて満足している。

―一緒にステージにも立つと聞いた。

DanDi:14日、キム・キュジョンのファンミーティングに参加する予定だ。光栄だ。

―キム・キュジョンと一緒に仕事をした感想は?

DanDi:最初はアイドルだからどうかなと気になった。でも、会って話したり、一緒に仕事をしてみたら、すごく気楽で人間味のある人だと思った。また、彼は謙虚な人だ。彼ぐらい人気があれば、ある程度は権威を見せてもおかしくないはずなのに、純粋なところが印象的だった。

―DanDiという芸名が独特だ。その名前をつけたきっかけは?

DanDi:僕は慶尚道(キョンサンド)出身で、音楽がしたくてソウルに上京した。上京する時、親にヒップホップをやる予定だけれど、どんな芸名がいいかと尋ねた。すると、親は「それはよく分からないけれど、“ダンディ”しなさい」とおっしゃった。親は普段から僕のことを心配してくれて、いつも「車に“ダンディ”しなさい。“ダンディ”しなければならない」と言っていて、その単語がいいと思った。ちなみに、“ダンディ”は“慎重に行動する”という意味の方言だ。

―実際のDanDiも名前のように慎重な方なのか?

DanDi:ハハ。僕は慎重な方じゃない。注意散漫な方だ。

―DanDiといえば「キヨミソング」のイメージが強い。「キヨミソング」を作ったきっかけは?

DanDi:実はあの時、ヒップホップアルバムを作っていたけれど、CMで流れる音楽が好きで僕も作ってみようかなと思うようになった。普段から可愛いジャンルが似合う歌手が必要だと思っていたが、その時に知り合いの紹介で出会ったのがHari(ハリ)だった。当時、Hariは声を変調するCMに出ていた。そうしてHariと少しずつ音楽を一緒にやるようになって、2013年2月にリリースした「キヨミソング」が大ヒットした。

―こんなにヒットすると思っていたか?「キヨミソング」は日本でも人気だ。

DanDi:まったく知らなかった。アーティストの仲間たちが真似して歌ってくれたから、良い結果が生まれたんだと思う。日本でもavexからデビューしたX21側が、著作権に関する許可を求めてきた。日本でも一歩遅れて人気が出ている。

―日本だけでなく、他の国でも人気が高い。それについて存分に自慢してほしい。

DanDi:ハハ。インドネシアの大きな音楽番組で1位を獲得したり、中国で最も多く愛された曲1位に選ばれて賞をもらったりした。台湾の音楽配信チャートを総なめにしたこともある。

―周りの反応はどうなのか?

DanDi:「運がいいね」「偶然ありつけたね」という反応が多かった。でも、僕はそんな反応が悔しくて、もう一度ちゃんと見せてやろうと思った。だから、以前よりさらに頑張って別の曲を作った。

―「キヨミソング」を聞いて、作った人は愛嬌満点の可愛い人だろうと思っていたのに、むしろヒップホップのにおいが強くてハンサムな顔立ちの人だった。また、声も太い方だ。わざわざ言わないと「キヨミソング」の作曲家だとは誰も思わないと思う。

DanDi:まったく分からない。ハハ。

―「キヨミソング」のHariと付き合っているという噂もある。

DanDi:その噂は本当に多かった。そのせいか、まだ彼女がいない。Hariは両親も知っている、仲のいい妹だ。これからもHariのアルバムを頑張ってプロデュースするつもりだ。

―「キヨミソング」も、「Ear Attack」もフックソング(何度も同じフレーズを繰り返す歌)として人気を集めた。曲の独特なタイトルや歌詞の面白い題材に関心があるようだ。

DanDi:独特な曲名にする理由は、宣伝において一番良い方法だからだ。人々は一般的にあまり知られていないミュージシャンよりも有名なミュージシャンの音楽を聞く傾向がある。そんな人々に僕の音楽を聞いてもらうには、新鮮な題材を使って面白い音楽を作った方がいいと思った。韓国市場には僕の曲のような独特な音楽があまりないから、多くの人が気に入ってくれているんだと思う。僕は今も独特な音楽市場について勉強している。

―プロデューサーDanDiがプロデュースの時に最も重視することは?

DanDi:まず、大衆との意思疎通を最優先する。僕の話を書くよりも、大衆の目線に合わせて気に入ってもらえるように書こうとしている。だから、歌詞にすごく気を遣う。歌詞を作った後、歌詞の横にそれに合う振り付けを書く時もある。曲、歌詞、振り付けのバランスが合えば面白さもあるし、作品が分散されないと思うからだ。自分で振り付けを描くこともある。

―「キヨミソング」の振り付けも自分で作ったのか?

DanDi:ハハ。そうだ。自分でダンスを描いて作った。

―作曲家、プロデューサーとしての活躍にとどまらず、自分の名前でアルバムも出した。もともと歌手になるのが夢だったのか?

DanDi:僕の音楽的な根本はヒップホップだ。ヒップホップアルバムから活動を始めた。プロデューサーも歌手も、どちらも魅力的だ。プロデューサーはアーティストの方向性を決めて進む道を作ってあげる人だ。自分がプロデュースした音楽がリリースされた時、大衆も、アーティストも気に入ってくれるとすごく胸がいっぱいになる。一方、自分の名前で出したアルバムは自分が考えていることをたくさん表現できる。ステージに立つことも好きだし、観客とコミュニケーションを取ることが楽しい。

―普段から公演のステージによく立つのか?

DanDi:昨年末は「ヒップホップ大祭典」というステージにも立った。チャンスがきて出演したが、本当に楽しかった。好きなアーティストも生で見ることができて嬉しかった。

―DanDiはどのようにして音楽の道に入るようになったのか?

DanDi:元々はサッカーをやっていた。小学校3年生の時にサッカーを始めて、中学・高校の時もサッカーに興味があって楽しくやっていた。また、ゲームセンターの中にあるカラオケに行くことが本当に好きになった。歌を歌うことが好きだった。そして、ヒップホップに魅了されたのは大学生の頃からだった。実用音楽学科に進学してヒップホップに関心を持った。だけど、学校の授業で学ぶ和声学など音楽の理論についてはさっぱり分からなかった。入隊して勉強しなければならないと思った。そして、除隊後にソウルで音楽の勉強を始めた。本格的に音楽をやるようになったのは2012年からだ。

―「キヨミソング」から「Ear Attack」、そして「関係整理」まで、DanDiは様々なジャンルの音楽に挑戦している。その中で一番自信のあるジャンルは?

DanDi:一番自信があるジャンルは、やはり独特なものだ。独特なコンセプトの音楽をやっていきたい。でも、ヒップホップも好きなので、新しいアルバムを着実にリリースしながら多方面のジャンルに挑戦したい。

―コラボレーションしてみたいアーティストは?

DanDi:たくさんいる。希望だけれど、PSY(サイ)さんとも一緒にやってみたい。本当に面白い音楽ができると思う。またCRAYON POPなど、面白い音楽をやってみたいと思っている歌手とコラボレーションしてみたいと思う。

―キム・ジョンミンのソロアルバム「Sali Go Dali Go(助けて走って)」にも参加した。キム・ジョンミンの方からラブコールが来たと聞いたが。

DanDi:キム・ジョンミンさん本人が僕のところにやってきて話をした。キム・ジョンミンさんはコヨーテとして大人気を博したけれど、今は主にバラエティ番組で活躍している。だから、より独特な音楽でありながら、歌手キム・ジョンミンさんのイメージを10代や20代の人たちに再び認識させたいと思った。それで、昔のように頑張って走りたいという意味で曲のタイトルを決めた。本当に楽しく気楽に作れた。たくさんの人に「キム・ジョンミンさんはバラエティ番組の姿と普段の姿が違うのか?」と聞かれたけれど(笑) 同じだ! むしろ普段の姿が真面目で思慮深い。周りの人のこともたくさん考える。そして、街でファンに会ったら、本当に嬉しそうに挨拶する。

―DanDiの目標は?

DanDi:プロデューサーやアーティストとしての活動を多方面で頑張りたい。最終目標はミュージックビジネスで活動することだ。僕の音楽をはじめ、他のアーティストを世界的に広く知らせるビジネスをやってみたい。これからも着実にアルバムを出して、勉強も頑張るつもりだ。

―バラエティ番組をはじめ、テレビでDanDiの姿を見せる計画はあるのか?

DanDi:オファーが来たこともあるけれど、自信がない。ハハ。出演したら、最近の若者の表現で“イカ”になりそうだ。テレビ番組よりも、新しい音楽を続けていく予定だ。

―今後、どんな音楽を発表する予定なのか?

DanDi:おそらく「キヨミソング」と似たような曲になりそうだ。新曲もきっと面白いと思う。また、EDMにも挑戦してみたい。たぶん多くの方が知らないと思うが、実はプロデュースした全曲に僕の声が入っている。 (―「キヨミソング」にも?) そうだ。「チョッチョッチョッチョッ」という部分が実は僕の声だ。

―「関係整理」を発表した感想をお願いしたい。

DanDi:まず、正式に新しい事務所で初めてリリースしたアルバムだ。事務所のスタッフと一緒に丁寧に作った曲なので頑張らなければならないと感じた。これからもより熱心に努力して、スタッフの皆に恩返ししたい。面白くて素敵な作品を作って、スタッフ全員が社長になるという気持ちで一所懸命頑張ろう!

記者 : チェ・ジンシル、翻訳 : ナ・ウンジョン